2017-01-07(Sat)
「漁夫の利」の故事から米中日を考える
だれでも知っている 「漁夫の利」
ハマグリを食おうとしたシギのクチバシを、ハマグリはガチっとはさんでしまった。
両者身動きがとれなくなったところに通りかかった漁夫が、「おやこれはラッキー」と言って両方取っていったというお話し。
米中の角逐は、まさに「どちらが漁夫になるのか」という争いである。
米国がクリントンになっていればそれだけでは済まない、本物の戦争になっていた可能性もあるが、トランプのアメリカは実利を追求する。無駄にカネをつかう戦争よりも、漁夫の利を求める。
一方の中国も、一気にアメリカに取って代わるという無謀なことを考えているわけではなく、自己の権益圏を固めたいと思っている。
そのためには、アメリカが一線を越えてこないカードを握っておきたい。
なんとか漁夫の利を得たい両者にとって、格好のシギが日本なのだ。
日本が中国と対峙すれば、アメリカは仲裁の権利を得る。
日本がアメリカの意に背けば、中国はフリーハンドを得る。
その構造を理解しておかないと、米国が日本に何を望んでいるのか、日本が何をすれば中国は内心ほくそ笑むのか、がわからない。
米国が望んでいるのは、日韓が連携して中国に圧力をかけることだ。そして、決して暴発しないことだ。
トランプが望むのは、戦争ではなく、仲裁による強い立場だ。そのための、道具として日韓は使われているのであって、本気の戦争になって米軍が参戦せざるを得なくなるようなブレーキのきかない狂気は排除される。
「日本は一夜で核開発可能な能力」 米副大統領、習主席に「北」の核開発阻止求める
2016.06.24 夕刊フジ
これなどは、日本を道具にして中国と交渉するアメリカの典型的な姿だが、もし本気で日本が核開発のそぶりを見せれば秒殺で潰される。(中川昭一の不審死を思い出す人も多いだろうが、何の証拠もないのでここでは書かない。)
また、韓国を中国側に押しやるような日韓の関係悪化は、許容できないものとして、米国は激怒する。
靖国参拝で崩れた、真珠湾追悼の「和解」バランス
2016年12月29日 Newsweek
中国がほくそ笑むのは、だからむしろ、日本の極右的な暴走だ。
米国のコントロールを振り切るような、ファシズム化や核武装は、日米の危機を激化させる。
もちろん、THAADミサイル配備をなんとしても阻止したい中国にとって、日韓関係の崩壊は大歓迎である。
真珠湾訪問の翌日に稲田防衛大臣が靖国神社に行ったことなどは、中国政府にしてみれば大笑いのネタであろう。
■
このような構図を頭に入れた上で、この記事を見てみる
安倍総理大臣とバイデン米国副大統領との電話会談
平成29年1月6日 外務省
バイデン副大統領から,米国政府として慰安婦問題に関する日韓合意を支持しており,これが双方によって着実に履行されることを強く期待する旨の発言があったのに対し,安倍総理大臣から,日韓両政府が責任をもって実施していくことが引き続き重要であり,これに逆行することは建設的でない旨説明しました。
(引用以上)
バイデンは、韓国での慰安婦像設置だけを非難しているわけではない。「双方によって」と言っているのであって、これは稲田の靖国参拝も同時に指摘しているのだ。
日本のマスコミは、バイデンが韓国を非難しているような印象操作をしているが、冷静に見ればそういうことだ。
しかも、バイデンは上記にあるように、「北朝鮮が核武装をやめないと、日本が核武装しちゃうぞ。」と中国を恫喝していた男だ。
北朝鮮よりも日本のほうが、本当は危ない、と心の中では思っているのだ。
なんとか、アメリカから韓国非難をひきだそうとして、わざわざバイデンに電話した安倍晋三は、さらっと流されて窮地に立たされている。
これまで、極右とか日本会議とか統一教会のような連中に支援されてきた連中は、強制的な日韓「融和」に対応できず、存亡の危機にある。
安倍晋三個人はさすがに奴隷頭を長年勤めたので、その流れは理解しているようだが、取り巻きや支持者はそれではおさまらない。
この危機を徹底的に利用しなければならない。
かけ声だけでない安倍打倒を目指すのであれば、この機会を逃す手はない。
そして、漁夫に食われるシギから、自分の羽で飛び立てるシギにならなければならない。
G2間の交渉の道具になると言うことは、自らの意思でキャスティングボートを握れると言うことでもある。
その絶妙の外交を操ることも、政権交代に課せられた重大な課題である。


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ハマグリを食おうとしたシギのクチバシを、ハマグリはガチっとはさんでしまった。
両者身動きがとれなくなったところに通りかかった漁夫が、「おやこれはラッキー」と言って両方取っていったというお話し。
米中の角逐は、まさに「どちらが漁夫になるのか」という争いである。
米国がクリントンになっていればそれだけでは済まない、本物の戦争になっていた可能性もあるが、トランプのアメリカは実利を追求する。無駄にカネをつかう戦争よりも、漁夫の利を求める。
一方の中国も、一気にアメリカに取って代わるという無謀なことを考えているわけではなく、自己の権益圏を固めたいと思っている。
そのためには、アメリカが一線を越えてこないカードを握っておきたい。
なんとか漁夫の利を得たい両者にとって、格好のシギが日本なのだ。
日本が中国と対峙すれば、アメリカは仲裁の権利を得る。
日本がアメリカの意に背けば、中国はフリーハンドを得る。
その構造を理解しておかないと、米国が日本に何を望んでいるのか、日本が何をすれば中国は内心ほくそ笑むのか、がわからない。
米国が望んでいるのは、日韓が連携して中国に圧力をかけることだ。そして、決して暴発しないことだ。
トランプが望むのは、戦争ではなく、仲裁による強い立場だ。そのための、道具として日韓は使われているのであって、本気の戦争になって米軍が参戦せざるを得なくなるようなブレーキのきかない狂気は排除される。
「日本は一夜で核開発可能な能力」 米副大統領、習主席に「北」の核開発阻止求める
2016.06.24 夕刊フジ
これなどは、日本を道具にして中国と交渉するアメリカの典型的な姿だが、もし本気で日本が核開発のそぶりを見せれば秒殺で潰される。(中川昭一の不審死を思い出す人も多いだろうが、何の証拠もないのでここでは書かない。)
また、韓国を中国側に押しやるような日韓の関係悪化は、許容できないものとして、米国は激怒する。
靖国参拝で崩れた、真珠湾追悼の「和解」バランス
2016年12月29日 Newsweek
中国がほくそ笑むのは、だからむしろ、日本の極右的な暴走だ。
米国のコントロールを振り切るような、ファシズム化や核武装は、日米の危機を激化させる。
もちろん、THAADミサイル配備をなんとしても阻止したい中国にとって、日韓関係の崩壊は大歓迎である。
真珠湾訪問の翌日に稲田防衛大臣が靖国神社に行ったことなどは、中国政府にしてみれば大笑いのネタであろう。
■
このような構図を頭に入れた上で、この記事を見てみる
安倍総理大臣とバイデン米国副大統領との電話会談
平成29年1月6日 外務省
バイデン副大統領から,米国政府として慰安婦問題に関する日韓合意を支持しており,これが双方によって着実に履行されることを強く期待する旨の発言があったのに対し,安倍総理大臣から,日韓両政府が責任をもって実施していくことが引き続き重要であり,これに逆行することは建設的でない旨説明しました。
(引用以上)
バイデンは、韓国での慰安婦像設置だけを非難しているわけではない。「双方によって」と言っているのであって、これは稲田の靖国参拝も同時に指摘しているのだ。
日本のマスコミは、バイデンが韓国を非難しているような印象操作をしているが、冷静に見ればそういうことだ。
しかも、バイデンは上記にあるように、「北朝鮮が核武装をやめないと、日本が核武装しちゃうぞ。」と中国を恫喝していた男だ。
北朝鮮よりも日本のほうが、本当は危ない、と心の中では思っているのだ。
なんとか、アメリカから韓国非難をひきだそうとして、わざわざバイデンに電話した安倍晋三は、さらっと流されて窮地に立たされている。
これまで、極右とか日本会議とか統一教会のような連中に支援されてきた連中は、強制的な日韓「融和」に対応できず、存亡の危機にある。
安倍晋三個人はさすがに奴隷頭を長年勤めたので、その流れは理解しているようだが、取り巻きや支持者はそれではおさまらない。
この危機を徹底的に利用しなければならない。
かけ声だけでない安倍打倒を目指すのであれば、この機会を逃す手はない。
そして、漁夫に食われるシギから、自分の羽で飛び立てるシギにならなければならない。
G2間の交渉の道具になると言うことは、自らの意思でキャスティングボートを握れると言うことでもある。
その絶妙の外交を操ることも、政権交代に課せられた重大な課題である。


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