2017-01-13(Fri)
マイナンバーの提出は義務か?
またまたマイナンバーがらみの犯罪がおきた
強制わいせつ容疑の元区役所臨時職員 個人情報不正入手か
2017年1月11日 NHK
中野区によりますと、高橋容疑者は、マイナンバーカードの交付などの担当をしていて、住民の個人情報が閲覧できる住民情報基盤システムに接続するためのIDとパスワードを持っていたということです。
(略)
大量の個人情報を扱う公務員などが、職場のシステムを悪用して個人情報を不正に入手する事件は各地で相次いでいます。
去年6月には、松山市の40代の元職員が、およそ13万人分の市民の名前や住所などの個人情報のデータが入ったパソコンを愛媛県内の会社に提供したとして、市の個人情報保護条例違反の疑いで警察に逮捕されました。
去年7月には、日本年金機構静岡年金事務所の60代の元契約職員が、機構が保有する女性の個人情報を私的に利用する目的で不正に入手したとして、独立行政法人の個人情報保護法違反の疑いで警察に逮捕されました。
おととし6月には、東京・大田区の納税課に勤めていた40代の職員が、区のシステムを不正に操作し、知り合いの女性やその家族の個人情報を閲覧していたとして、区の個人情報保護条例違反の疑いで警視庁に逮捕されました。
(引用以上)
これでも氷山の一角だろう。
情報収集と本来業務のどっちが本業かわからなくなっているような人間も、きっといるだろうし、今後マイナンバーにお金の情報が紐付けされれば、ますます激しくなるのは火を見るより明らかだ。
そんなマイナンバーを、健康保険組合が提出しろと言ってきた。
うちは個人事業主なので、某国民健康保険組合から直接連絡が来る。
昨年末に来ていたのだが、あまりにも不安なので提出せずにきた。
そのまま放置するのも、それはそれで不安なので、本当に提出しなければならないのか調べてみることにした。
そこで、「マイナンバー総合フリーダイヤル」というのに電話してみた。
マイナンバー総合フリーダイヤル
0120-95-0178 (無料)
平日 9:30~20:00
土日祝 9:30~17:30(年末年始を除く)
女性オペレーターが丁寧に対応してくれた。
聞いたことは3点ある。
■
私が加入している保険組合からの連絡には、本人確認について何も書いていなかった。
しかし、下記の資料(内閣官房のHPにある)の21ページを見ると、マイナンバーを提出させる時には、本人確認をせよ と書いてある。
健康保険なので、被扶養者がある時はそのぶんも、全部本人確認が必要だという。
マイナンバー(社会保障・税番号)制度における民間事業者の対応
この点についてフリーダイアルで聞いてみると、やはり本人確認は必要で、対面ならば原本提示、郵送ならば免許証のコピーなどを同封するなどをしなければならないそうだ。
これは、明らかに健康保険組合がその義務を怠っている。
義務を怠っていることよりも、そうした基本をわからずにマイナンバーの事務に関わっている、ということのほうが怖い。
■
では、こうした各事業者の対応について、管轄する役所がなにか監視をしているのか を聞いてみた。
ガイドラインを決めたり、違反した時の罰則があるのは知っているけれども、それらに実効性を持たせるためには、何らかの監視があるのだろう と思ったからだ。
しかし、あにはからんや、運用実態は事業者任せ だそうだ。
総務省や個人情報保護委員会等などへ、「うちはこういうシステムでマイナンバーの保護をしています」というような届出の義務すらない。
たとえば、郵送したものをどうやって「これはマイナンバーだ」と認識して、一般事務員が開封せずに専任担当者に渡すのか。
私に届いたものでは、1枚の封筒で簡易書留で送れと書いてある。せめて二重封筒で、中封筒に「マイナンバー 開封禁止」とでも書いてあればまだしも、1枚の封筒だったら誰が開封してもおかしくない。
そんなところから始まって、組合内での保護のしかた、どこかに外注に出すのかどうか、外注先での保護のしかた。
どうやってどこで保管するのか。盗難対策は。脱退した時に、どうやって消去するのか。
そうしたことがらは、すべて事業者がガイドラインを見て自主的に決めるだけ。
届出義務も、加入者への表示義務もない。
管轄の役所の査察もない。
冒頭にあったような事件になって発覚するまでは、漏洩されてもわからない。
一応、マイナンバーだけでなく個人情報全般について 「個人情報保護評価」という制度はあるらしい。
システム作成して個人情報保護委員会に提出し、公開する、という制度だ。
しかし、これも加入者1000人未満は義務じゃないし、フリーダイヤルのオペレータの口調も任意のような言い方だった。
たぶん、実施していないところが多いのだろう。
■
いよいよ不安は募る。
ほんとうに、どうしても提出しなければならないのだろうか。
実は、税務に関してはこんなQ&Aが国税庁から出されている。
(読みやすいように適宜省略している。原本は上記リンクのQ1-2)
(問) 従業員や講演料等の支払先等からマイナンバーの提供を受けられない場合、どのように対応すればよいですか。
(答) 従業員等に対してマイナンバーの記載は、法律で定められた義務であることを伝え、提供を求めてください。
それでもなお、提供を受けられない場合は、提供を求めた経過等を記録、保存するなどし、単なる義務違反でないことを明確にしておいてください。
なお、税務署では、番号制度導入直後の混乱を回避する観点などを考慮し、マイナンバーの記載がない場合でも書類を収受することとしていますが、マイナンバーの記載は、法律で定められた義務であることから、今後の法定調書の作成などのために、今回マイナンバーの提供を受けられなかった方に対して、引き続き提供を求めていただきますようお願いします。
(引用以上)
キモは、事業者には記載義務はあるが、納税者個人の提出義務はどこにも書かれていない というこだ。
この点ををフリーダイヤルで聞いてみると、健康保険についても
・事業者に記載義務があるので、間接的に義務を担っているという解釈
・マイナンバー法などには個人の提出義務は書かれていない
・提出しないことによる罰則もない
・税務と同じ考え方である
との回答だった。
たしかに、受け取る側に義務があり、提出する側に義務がない、というのは法律として矛盾してはいるが、これはマイナンバー法という無理筋を強引に通すために意図的にそうなったとみるべきだろう。
つまり、「個人に義務」と法文に明記してしまうと、法案じたいが通らないかもしれない、という懸念から、総務省の官僚が玉虫色の法文にわざとしたのだ。
すくなくとも現時点では、個人には提出する義務はない。罰則もない。保険組合はそのやりとりの経過説明を添付すれば良い。ということがわかった。
保険組合の事務方は、そこまで深く知らないだろうから、「提出は義務だ」と言ってくるに違いないが、丁寧に対応しながら、もう少し粘ってみようと思う。
そうこうしているうちに、来年からは銀行がマイナンバーにつながり、大事件が起き、制度自体が疲労骨折するのではないだろうか。
ただし、今の安倍政権のような問答無用の独裁的な政権が続いていると、どんなに犯罪の温床になっても、法改正してまで強制してくるかもしれないが。
■■「家づくり」のほうのお知らせ■■
2月19日(日) 完成見学会
自然素材を工学的に使いこなすナチュロジーな住まいの見学会です
場所:堺市北区東浅香山 (地下鉄北花田から徒歩15分)
開始時間: ①11時 ②14時30分
お名前・ご住所・電話番号・希望回 を記載の上
info@mei-getsu.com までお申し込みください
折り返し詳細をご連絡します


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強制わいせつ容疑の元区役所臨時職員 個人情報不正入手か
2017年1月11日 NHK
中野区によりますと、高橋容疑者は、マイナンバーカードの交付などの担当をしていて、住民の個人情報が閲覧できる住民情報基盤システムに接続するためのIDとパスワードを持っていたということです。
(略)
大量の個人情報を扱う公務員などが、職場のシステムを悪用して個人情報を不正に入手する事件は各地で相次いでいます。
去年6月には、松山市の40代の元職員が、およそ13万人分の市民の名前や住所などの個人情報のデータが入ったパソコンを愛媛県内の会社に提供したとして、市の個人情報保護条例違反の疑いで警察に逮捕されました。
去年7月には、日本年金機構静岡年金事務所の60代の元契約職員が、機構が保有する女性の個人情報を私的に利用する目的で不正に入手したとして、独立行政法人の個人情報保護法違反の疑いで警察に逮捕されました。
おととし6月には、東京・大田区の納税課に勤めていた40代の職員が、区のシステムを不正に操作し、知り合いの女性やその家族の個人情報を閲覧していたとして、区の個人情報保護条例違反の疑いで警視庁に逮捕されました。
(引用以上)
これでも氷山の一角だろう。
情報収集と本来業務のどっちが本業かわからなくなっているような人間も、きっといるだろうし、今後マイナンバーにお金の情報が紐付けされれば、ますます激しくなるのは火を見るより明らかだ。
そんなマイナンバーを、健康保険組合が提出しろと言ってきた。
うちは個人事業主なので、某国民健康保険組合から直接連絡が来る。
昨年末に来ていたのだが、あまりにも不安なので提出せずにきた。
そのまま放置するのも、それはそれで不安なので、本当に提出しなければならないのか調べてみることにした。
そこで、「マイナンバー総合フリーダイヤル」というのに電話してみた。
マイナンバー総合フリーダイヤル
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平日 9:30~20:00
土日祝 9:30~17:30(年末年始を除く)
女性オペレーターが丁寧に対応してくれた。
聞いたことは3点ある。
■
私が加入している保険組合からの連絡には、本人確認について何も書いていなかった。
しかし、下記の資料(内閣官房のHPにある)の21ページを見ると、マイナンバーを提出させる時には、本人確認をせよ と書いてある。
健康保険なので、被扶養者がある時はそのぶんも、全部本人確認が必要だという。
マイナンバー(社会保障・税番号)制度における民間事業者の対応
この点についてフリーダイアルで聞いてみると、やはり本人確認は必要で、対面ならば原本提示、郵送ならば免許証のコピーなどを同封するなどをしなければならないそうだ。
これは、明らかに健康保険組合がその義務を怠っている。
義務を怠っていることよりも、そうした基本をわからずにマイナンバーの事務に関わっている、ということのほうが怖い。
■
では、こうした各事業者の対応について、管轄する役所がなにか監視をしているのか を聞いてみた。
ガイドラインを決めたり、違反した時の罰則があるのは知っているけれども、それらに実効性を持たせるためには、何らかの監視があるのだろう と思ったからだ。
しかし、あにはからんや、運用実態は事業者任せ だそうだ。
総務省や個人情報保護委員会等などへ、「うちはこういうシステムでマイナンバーの保護をしています」というような届出の義務すらない。
たとえば、郵送したものをどうやって「これはマイナンバーだ」と認識して、一般事務員が開封せずに専任担当者に渡すのか。
私に届いたものでは、1枚の封筒で簡易書留で送れと書いてある。せめて二重封筒で、中封筒に「マイナンバー 開封禁止」とでも書いてあればまだしも、1枚の封筒だったら誰が開封してもおかしくない。
そんなところから始まって、組合内での保護のしかた、どこかに外注に出すのかどうか、外注先での保護のしかた。
どうやってどこで保管するのか。盗難対策は。脱退した時に、どうやって消去するのか。
そうしたことがらは、すべて事業者がガイドラインを見て自主的に決めるだけ。
届出義務も、加入者への表示義務もない。
管轄の役所の査察もない。
冒頭にあったような事件になって発覚するまでは、漏洩されてもわからない。
一応、マイナンバーだけでなく個人情報全般について 「個人情報保護評価」という制度はあるらしい。
システム作成して個人情報保護委員会に提出し、公開する、という制度だ。
しかし、これも加入者1000人未満は義務じゃないし、フリーダイヤルのオペレータの口調も任意のような言い方だった。
たぶん、実施していないところが多いのだろう。
■
いよいよ不安は募る。
ほんとうに、どうしても提出しなければならないのだろうか。
実は、税務に関してはこんなQ&Aが国税庁から出されている。
(読みやすいように適宜省略している。原本は上記リンクのQ1-2)
(問) 従業員や講演料等の支払先等からマイナンバーの提供を受けられない場合、どのように対応すればよいですか。
(答) 従業員等に対してマイナンバーの記載は、法律で定められた義務であることを伝え、提供を求めてください。
それでもなお、提供を受けられない場合は、提供を求めた経過等を記録、保存するなどし、単なる義務違反でないことを明確にしておいてください。
なお、税務署では、番号制度導入直後の混乱を回避する観点などを考慮し、マイナンバーの記載がない場合でも書類を収受することとしていますが、マイナンバーの記載は、法律で定められた義務であることから、今後の法定調書の作成などのために、今回マイナンバーの提供を受けられなかった方に対して、引き続き提供を求めていただきますようお願いします。
(引用以上)
キモは、事業者には記載義務はあるが、納税者個人の提出義務はどこにも書かれていない というこだ。
この点ををフリーダイヤルで聞いてみると、健康保険についても
・事業者に記載義務があるので、間接的に義務を担っているという解釈
・マイナンバー法などには個人の提出義務は書かれていない
・提出しないことによる罰則もない
・税務と同じ考え方である
との回答だった。
たしかに、受け取る側に義務があり、提出する側に義務がない、というのは法律として矛盾してはいるが、これはマイナンバー法という無理筋を強引に通すために意図的にそうなったとみるべきだろう。
つまり、「個人に義務」と法文に明記してしまうと、法案じたいが通らないかもしれない、という懸念から、総務省の官僚が玉虫色の法文にわざとしたのだ。
すくなくとも現時点では、個人には提出する義務はない。罰則もない。保険組合はそのやりとりの経過説明を添付すれば良い。ということがわかった。
保険組合の事務方は、そこまで深く知らないだろうから、「提出は義務だ」と言ってくるに違いないが、丁寧に対応しながら、もう少し粘ってみようと思う。
そうこうしているうちに、来年からは銀行がマイナンバーにつながり、大事件が起き、制度自体が疲労骨折するのではないだろうか。
ただし、今の安倍政権のような問答無用の独裁的な政権が続いていると、どんなに犯罪の温床になっても、法改正してまで強制してくるかもしれないが。
■■「家づくり」のほうのお知らせ■■
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