2017-01-29(Sun)

今年は原子力協定の運命が決まる年

2018年7月に現在の日米原子力協定は期限を迎える。
半年前に通告しないと自動延長なので、運命を決められるのは今年いっぱいということになる。
2017年は日米原子力協定の運命が決まる年なのである。

日本の原子力村の連中は、福島原発の爆発にもかかわらず、何事もなかったかのように今のまま延長するものと思っているだろう。
1988年に現在の協定を結ぶまでには何年もかけて16回の交渉を行ったらしいが、来年の期限切れに向けて何か交渉をしているという話はとんと聞かない。

しかし、そんな厚顔無恥な原子力村の思惑どおりにいかない事態が生じ始めている。
まず大きな事件は、もんじゅの廃炉である。
「かわりの高速炉を作る」とか言っているが、言ってる本人も内心はできるわけ無いと思っているだろう。

もんじゅの廃炉というのは、個別もんじゅの問題だけでなく、日本の核燃料サイクルの破綻を公式に認めた という意味がある。
いくら代わりの高速炉を作るとか言っても、誰の目にも破綻は明らかになった。
もともと 六ヶ所村の再処理工場もまったく稼働の見込みが立たないなかで、国が掲げる二つの核燃料サイクルの輪は全く回らなくなった。

20170129-1.png
(資源エネルギー庁HPより)

それにしても、六カ所にしてももんじゅにしても、これまで一度たりとも光明すら見えたことがないのに、国はなんで核燃料サイクルにこだわったのだろうか。その理由ははっきりしていて、二つある。

ひとつは、使用済燃料の処分場だ。
処分場のめどが全く立たない中で原発を動かし続けるためには、このようなリサイクルをするから心配ないよ、という建前が必要だった。最終処分になるのはごく少量なので、まだまだ大丈夫 という話を、誰もが嘘と知りながらも言い続ける必要があった。

最終処分場の候補地はこれまでも何カ所も浮かんでは消えてきた。
原発ならOKでもなぜか最終処分場はNGという強烈な住民の反対で、いつできるのか全く見当もつかない。
各原発のプールは満杯になりつつある。それでも原発を動かし続けるには、リサイクルするよという嘘をはき続けるしかなかった。

もうひとつは、日米原子力協定だ。
原子力協定というのは、核拡散防止条約と対になっているもので、現在の核保有国以外に核兵器を作らせないというのが、第一の目的だ。その範囲で、原発などに核を使うための協定である。

よって、原発に使わないプルトニウムを所有することは、即原子力協定に抵触し、米国にお叱りを受けることになる。
そして日本は、核兵器保有国以外では、ダントツにプルトニウムを所有している。

20170129-2.png
(東洋経済 2015/11/17より)

上の図は少し古いけれど、いかに日本が異常な状態にあるかがわかる。
この状態で、核燃料サイクルがお手上げです~ ということになれば、プルトニウムはただちに渡せ ということになる。
しかし、密かに独自核武装のできる状態をキープしておきたい原子力村の中の一部の連中は、絶対にプルトニウムを持っておきたい。
だから、嘘でも何でもリサイクルしますと言い続けてきたのだ。



しかししかし、ついにこの嘘を もう吐き続けることが困難になった。
そして、そのタイミングでもう一つの大事件が起きた。
トランプ大統領の出現だ。

トランプが日本の隠れた独自核武装の可能性をどう評価して、どう対応するか。
まだ誰にも分からない。
日本や韓国の核武装を認めるようなことも言ったけれども、あれは一種のトラップだったのだろう。あの言葉に誰が釣られるか、じっと観察していたのかもしれない。
調子に乗って独自核武装を口にしたものは、かつての中川昭一のように抹殺される可能性だってある。

その逆に、日本が経済的にも徹底した従米を貫いて忠誠を示せば、トランプは日本に核武装させてアメリカはアジアから手を引くという方針をとるかもしれない。
まだどちらに転ぶかは分からないが、いずれにしても中途半端には終わらないだろうという予感は多くの人が抱いている。
オバマの時のように、とりあえず現状維持で、というわけにはいかないだろう。

日本の原子力村は、現状維持でいけるものと思っているかもしれないが、米国側から今年は原子力協定の見直しを迫られることになるだろう。
そして、その眼目はやはり、「最終処分場」だと思う。

最近、産経にこんな記事が多く出るようになった。

核のごみの地層処分「安全神話」よりもリスクを語れ!
iRONNA 藤村陽 神奈川工科大学教授


この記事は、原発村の機関誌のような産経iRONNAにあって、異色の記事だ。
最終処分、地層処分の問題点について、率直にリスクを解説し、「「本音」でなければ信頼は得られない」と説く。
勉強にもなるし、ぜひ読んでおくことをおすすめする。

その上で、よくよく注意してみると、大きな方向性は、「本音でリスクも語って信頼関係を築いて消極的な選択として  地層処分場を決めよう」という話なのだ。
もちろん、現にある使用済燃料は、どうにかしなければならないので、処分の議論はいやでもしなければならない。だからこうした議論には頭から反対ではない。

しかしそれでも、産経に出ているということがひっかかる。
「使用済核燃料 処分場」でニュース検索すると、iRONNAの記事がずらっとかかってくる。
つまり、ドメスティックな(国内の)原子力村の関心が、処分場に向いているということだ。
もんじゅ廃炉ショックで、一気に処分場の確保に血眼になっている。
その流れの中で上記の記事を掲載したということは、ある意味で、処分場を確保したいという連中の本気度の現れとも言える。
(筆者の先生はそういうつもりではないだろうが)

さらに、最終処分場が決まるまでの間、乾式キャスクで保管しておくことも本気で検討され始めた。

使用済み核燃料の「乾式貯蔵」後押し 規制委が基準緩和へ
2017/1/25 日経


こうした日本の原子力利権村のうごめきを、トランプ陣営は冷静に観察しているはずだ。
そして、何を考えるだろうか。
100基の原子炉が現役で、しかも国内の処分場の見通しが立たない、アメリカファーストの国が、何を考えるだろうか。
「ちょうど良い同盟国がいたぞ」と思わないほうが不自然ではないか?

今年いっぱい続くであろう 日米原子力協定の交渉で、アメリカの使用済燃料を、安倍晋三が謹んで受け取ってこないことを祈りたいが、その危険はかなりある。
逆に言えば、そんなことが起きたときこそが、左右を超えて手を結び 安倍晋三を引きずり下ろすときだ。



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おはようございます。
いつも興味深く読ませていただいております。
今回、一番うなりましたのは最後の一文「左右を超えて」でした。
これは正直可能だと思います。ネトウヨ以外の右の人と話をしていても安倍に疑問を持っている人の割合は多かったです。でも自民党=右の意識がまだ勝っています。左=共産主義と洗脳されているものを解くのは容易ではないな、と感じました。むろん左=共産主義ではありません。
安倍のやっていることが右じゃない新自由主義に基づく『第三勢力』であることを右の人たちに理解してもらえれば左右連合の可能性が広がるのではないかとは思います。
ただ、ネックになるのは右の人たちに左=共産主義に加えて新自由主義=左という考えがあることでしょう。右の人たちのブログを読ませていただいてもその意識はかなり強く感じます。本来の左はリベラルであり自由主義。社会主義ではあっても共産主義ではないこと、新自由主義とは全く違うことをどう伝えるかが課題となりそうでdす。
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