2017-02-07(Tue)

マッドドッグ=マティス国防長官の発言を詳しく見てみる

先日来日して、安倍や稲田がキャンキャン喜んでいたマッドドックことマティス国防長官。
このときの彼の発言として、新聞やテレビは軒並み 「辺野古が唯一」 「尖閣は安保適用」 と書き立てた。

ところが、「辺野古が唯一」とは言っていなかったことが、暴かれた。もうネットでは多くの人が知っている。
その他にも 注目すべき点がいろいろあるので、長くなるがマティスの発言を引用する。
あとで、アカ文字の部分についてコメントする。

(以下 朝日新聞 2017年2月4日マティス氏「同盟関係は不朽」 日米防衛相の共同会見全文 より引用)

(略) 本日、稲田大臣と安全保障の情勢について話し合い、私は尖閣諸島における長年の政策が継続されることを明確にしました。米国は引き続き、尖閣諸島に対する日本の施政権を認め、日米安全保障条約第5条が適用されるということを認めます。

 日本の方々がよくご存じのように、私たちはこの地域で多くの安全保障上の課題に直面しています。北朝鮮による核・ミサイル挑発の脅威から、東シナ海と南シナ海において中国が挑戦的行為をより高めていることまで、私たちは安全保障環境の変化を認識しています。会談で、稲田大臣と私はこれらを含む安全保障上の問題について、緊密な連携を図り続けることを確認しました。

 また、日本が東南アジアのパートナーとともに、この地域の平和や繁栄、自由に貢献する努力を重ねていることに、米国が感謝していると申し上げました。

 日米同盟は、この地域が今も、これからも、安全で安定するために極めて重要です。2015年の防衛ガイドラインと日本の安全保障法制は、私たちがより多くのことを共にし、兵力の相互運用を増やし、必要であれば、平時から有事まで日本の軍事能力を高める基礎となっています。

 今後、日本の強力な防衛と安定した地域の環境という相互の目標を実現させるために、双方に大きな歩みがみられることを確信します。そうした環境では、広く受け入れられた国際的ルールのもとで全ての国が行動し、恐怖から解放され、繁栄できるのです。

 米国は、最先端の兵力を日本に配置し、強力な軍備態勢を維持することにより、同盟に投資してきました。私は稲田大臣に、米国は日米が互いに同意した再編計画に責任を持つと申し上げました。これらには、米海兵隊のグアム移転や沖縄の駐留米軍の縮小を含みますが、日本や地域の安全を守るための能力は維持していきます。

 私たちは、普天間飛行場の移転施設を整備するお互いの努力を続けることで合意しました。米海兵隊の基地として使われている普天間飛行場を、米国が日本に返還できるようにする唯一の解決策です。

 日本は地域の安全や同盟に対し、特筆すべき貢献をしてきました。米国は日本の貢献に深く感謝しています。しかし、誤解しないでください。日本のリーダーたちとの会談では、私たちは双方とも、新たに起きている課題に向き合うとき、自己満足してはいけないということを認識しました。同盟が深化するにつれて、防衛に関する人材や戦闘能力に、投資を続けることは双方にとって重要になるでしょう。それを通じて、私たちは今日も、これからも真のパートナーであることを確かにするでしょう。(略)


(質疑応答)

稲田大臣がおっしゃった通り、我々は共にいることで強力であり、韓国とも共にいることで強くなるのです。一方で、同盟関係について現状に満足してはいけません。安全保障環境の変化に合わせ、対応していかなければなりません。協力しながら、慎重に歩みを進めていきます。現在、中国と共にあるアジア太平洋地域において安定を維持することができないと考える要素は見当たりません。しかし同時に、法の支配に基づいて国際秩序を維持するという必要性は、考えなければなりません。

 おそらく、主には北朝鮮の核と弾道ミサイルの脅威が目下の課題ではありますが、法に基づいた国際秩序の維持に向けても、我々は協力しなければならないのです。そして、紛争を解決するために、法に基づく(秩序の)維持という確固たるアプローチを無視したり、信頼を引き裂いたりする国があってはなりません。


(質疑応答)

イランに関して言えば、イランは世界最大のテロ支援国家です。自身の行為を多くの人々が注視しているんだとイランが認識している、ということを確かめることは賢明なことです。秩序の維持を望む国々と連帯しつつ、我々はこの点をはっきりとイランに知らしめる責任があるのです。この問題を無視してはなりませんし、目を背けるのも好ましくありません。しかし、現時点では米国が中東において軍事力を強化する必要はないと考えます。今のところ、(その選択肢は)ありえません。そうすることはいつでも可能ですが、現時点では不要です。

 しかし、言い添えておきたいのですが、イランは法に基づく国際秩序を尊重しておりません。レバノンやシリア、バーレーン、イエメンなどに関しても、見過ごせない不正行為があると認識しています。これについては対処することになるでしょう。


(質疑応答)

経費と負担の分担について、日本は「お手本」になってきたと考えています。我々はこれについて、常に対話を持っています。日本と米国の経費分担は、ほかの国々が習うべきお手本だと言えます。安全保障環境が厳しさを増す中、安倍首相、稲田大臣のもとで(日本の)防衛費が増額されてきました。我々は互いの軍事的な立場を、今日、そして今後直面し得る安全保障の環境に対応させる必要があります。日本は正しい道を進んでいると思います。

(質疑応答)

中国は南シナ海で、この地域の国々の信頼を引き裂き、隣国の外交や安全保障、経済において、明らかに拒否権を持とうとしています。法に基づく国際秩序においても、我々はすべてルールに従わなければなりません。我々は、軍事的手段や土地の占領によって解決することはしません。仲裁裁判所へ持ち込んで議論すれば、控えめにいっても、実際は誰が所有しているのか、あるいは国際水域なのかという疑問にさらされるでしょう。我々は、この問題を適切に解決すべく、対話の窓を開き続け、外交的な努力を尽くさなければなりません。この意味で、我々の軍事的な姿勢は、外交官を増強するというものであるべきです。現在、軍事的な対応を考えているわけではありません。外交官による解決がベストです。商船や米海軍の艦船などが自由に航行できるよう、「航行の自由作戦」は適切と考えており、公海で行っていきます。しかし、今のところは劇的な軍事行動を取る予定はありません。

(引用以上)

ここから先は私のコメント。


尖閣諸島に対する日本の施政権


これも、日本のマスコミは意図的に誤訳をおこない、マティス長官が「尖閣を日本の領土として認めてくれた」と報じていたが、それはまったくのデマだ。
原文では under the administration であり、管理下、施政権下 と言う意味でしかなく、領有権(dominion)は日中で決めてくれという米国の姿勢は何も変わっていない。にもかかわらず、万歳三唱でもやりかねないマスコミのバカ騒ぎはなんなのか。
植民地根性の極みと言えよう。

2015年の防衛ガイドライン

戦争法(安保法制)が強行採決されたのは2015年7月だったが、その3ヶ月前にすでに日本政府は米国とガイドラインを作成して中身を決めていたのである。法律は、ガイドラインを実行するための後付けでしかなかった。
米国の目から見た時に、まずこのガイドラインが「自衛隊の使い方マニュアル」なのだということが、マティスの言い方を聞くとわかる。
日米防衛指針18年ぶりに改定 ハフィントンポスト2015.4.28

同意した再編計画に責任を持つ

これは1996年に在日米軍を再編縮小するとしたSACO合意のことだと思われる。
これも意味深である。なぜなら、現在の辺野古基地建設計画は、SACO合意をすら逸脱しているからだ。SACO合意の中では、高級施設を建設するのではなく、フロートを浮かすような工法が書いてある。
まして、1999年に沖縄県と名護市がSACO合意にある代替施設を辺野古で合意した際には、「15年の使用期限」と「軍民共用」という条件がついていたのだ。
あえて辺野古という単語を避けたマティスが、どこまでの意味でこれを言ったのか、今の段階では判断できないが、押さえておくべきポイントではある。

普天間飛行場の移転施設を整備する

ここが、実は「辺野古」とは言っていなかった という箇所だ。原文では the Futenma replacement facility。
稲田が直前に「マティス長官とは辺野古への移設が唯一の解決策であり、引き続き、協力することで一致をいたしました。」と発言しているのに、わざわざ固有名詞を避けたことは何か意味がある と思っても無理のある解釈ではないだろう。
安保利権にズブズブでない現実的な軍人の目から見れば、地元でもめてなかなか進まない工事よりも、早く使える代替施設が必要だと考えるだろう。

防衛に関する人材や戦闘能力に、投資を続ける


これはシンプルだ。もっとカネを出せ ということだ。
アジアの米軍の機能を、おおはばに韓国と日本に負わせようという まさにアメリカファーストの軍事戦略である。

韓国とも共にいることで強くなる

上記の戦略にたつ米軍から 嫌韓右翼の稲田への一撃である。

法に基づいた国際秩序の維持


北朝鮮に対する対処として語られている。
悪の枢軸とか先制攻撃とか、これまで対北朝鮮で語られてきたトーンからすると、あきらかに温和しい。後ろに出てくる対イランや対中国でも、軍事的な威嚇などは一切していない。

現時点では米国が中東において軍事力を強化する必要はない

ここまでハッキリ言うとは、ちょっとビックリした。イスラエルやサウジアラビアは、これを聞いてひっくり返ったのではないだろうか。

日本と米国の経費分担は、ほかの国々が習うべきお手本

これも日本のマスコミが、キャイ~ンと泣きながら涙を流して喜んだひと言だ。
条約ですら決めていない「おもいやり予算」を献上する植民地ぶりを、新しいご主人様にお褒めいただいて喜ぶとは・・・・
プライドを捨てた国民は、骨の髄まで吸い取られる運命なのか。

我々の軍事的な姿勢は、外交官を増強するというものであるべき

対中国でも、マティスの姿勢は一貫している。あくまで外交と国際関係の中で紛争を解決したいとする。

こうしてみてみると、やはりマティスはトランプの路線を忠実に踏んでいる。
できるだけ戦争は避け、そのうえで負担は植民地国に押しつける。 これに尽きるようだ。
一切の合理性を投げ捨てて利権だけに群がっていたこれまでのジャパンハンドラーズとは違い、アメリカファーストの合理性がある。

これを理解した上で、辺野古新基地を諦めさせるための 現実的な方法を考えなくてはならないだろう。
辺野古現地での不屈の闘いと、翁長知事が進める現実的な方策の、両輪で進めることだ。見た目には、体を張った抵抗闘争と、米国も妥協の余地のある現実策は、異質で矛盾するように見えるかもしれない。しかし、双方が理解して進めることができれば、いくら安倍政権が法をも踏みにじった強行をしていても、必ず隙は見えてくるはずだ。

ひいては、日本の植民地根性に風穴を、針の一穴をあけることにならないか。

なにも楽観はできないけれども、わずかなわずかな揺らぎを、マティスの会見から私は感じた。

(参考)
こちらのブログで原文と対訳を書いてくれている
 → 稲田防衛相と米・マティス国防長官が共同記者会見(全録)1




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