2017-02-14(Tue)

トランプに取り入ることに成功した安倍と、自ら糸を切ってしまったリベラル

またまた 「トランプ支持者がリベラルを叩いている」 と言われそうなタイトルだが、決めつけるのは読んでからにしていただきたい。

まず最初に確認しておきたいのは、今の日本にとって私が一番大事だと思っているのは 
「自分たちのことを自分たちで決められるようになる」 ことであり、
そこに向かって少しでも前進することだ ということ。

実質植民地の状態で、形だけ民主主義をうたっていても、それは虚しい。いつもいつもいつも裏切られて、敗北して、それでも「日本は民主主義の国だ」と満足していることに、私は耐えられない。
「日本は実質的に植民地状態であり、だから民主主義がまだ機能していない」という現状認識を、多数の国民が共有しないことには、いつまでたっても「平和と民主主義」は幻影に過ぎない。

トランプへの日本のリベラルの対応を、一貫して私が批判している理由はそこにある。
幻影の民主主義に照らせば、たしかにトランプの言動は許しがたいことがあるのは、私も理解している。
しかし、植民地に住む私たちが、宗主国の大統領の動向を見る時、まず考えなくてはならないのは 「独立に向けて、何かスキはないのか。可能性はないのか。」という観点だ。
理想に照らして真っ黒なのは最初からわかっていることで、そんなことばかりを言って 「自分たちの置かれている境遇にとって、どういう意味があるのか」を考えないのは、やはり幻影の中で生きていると言われてもしかたが無いのではないか。

本当に切羽詰まっている人たちは、そんな幻影に惑わされずに交渉の余地を探ろうとした。

翁長知事が訪米へ トランプ政権に辺野古反対訴え狙う
2017年1月30日 朝日新聞


もちろん、そう簡単に成果がでるわけもないが、それでも、何かスキはないのかと必死に探りをいれるための訪米だったのだろうと思う。
しかし、その動きは、沖縄だけがしていたのではない。いやむしろ、はるかに上回る勢いで、安倍政権自体が動いていた。



安倍晋三個人はともかく、チーム安倍を侮ってはいけない。

当初トランプ当選を予想しておらずに動揺したのはたしかだが、そこからの巻き返しは早かった。おそらくは統一協会(アメリカではムーニー)ルートを駆使して、トランプに取り入ることに全力を挙げた。そして、成功したように見える。

その鍵は何だったのか。
それは 「トランプは何を望んでいるのか」 を的確に把握し、それに対応して見せた、ということだ。
すなわち、アメリカ国内の雇用を増やしたい、そのための投資がのどから手が出るほど欲しい、というトランプの核心をつかみ、そこに4500億ドル(約50兆円)という凄まじい金額をぶち込んだのだ。

日本のGDPの1割を超え、アメリカのGDPの3%近い投資を、アメリカにするというのだから、トランプが狂喜乱舞するのは目に見えている。
安全保障がどうとか、日韓関係がどうとか、そんな交渉をゴチャゴチャするのではなく、「ドンと札びらを切って、その他の話は買い取る」という戦略を決めて、即実行に移したチーム安倍の判断力は、敵ながらあっぱれである。

チーム安倍は、本来は日本に投下されて日本の雇用を生み出すべき50兆円をアメリカに献上することで、大きく二つのことを買い取った。
一つは、在日米軍の現状のままの残留である。
日本と韓国に任せて引き上げたかったトランプの方針を変えさせ、これまで通りの配備を続けさせる基本的な同意を買い取った。もちろんこれには、漸減してきた「おもいやり」予算をもう減らさない、もっと増やす、という密約も込みなのだろうが。
こうして、日米安保に群がるものたちの利権を守った。

もう一つは、安倍の支持層である極右勢力の存在を認めてもらうことだ。
日韓同盟にアジアを任せたかったトランプにとって、極右勢力は排除すべき対象だった。チーム安倍にとって、支持層をごっそり失ってしまうことを意味し、かなり窮地に立たされていた。
それを 50兆円で動かした。在日米軍の残留で日韓同盟を相対的に軽くさせたこともふくめて、嫌韓右翼の存在を許容させた。

一度は失脚寸前だった稲田朋美も、これからはまた傲岸不遜に振る舞い続けるだろうし、1月後半はやや極右批判に傾いたメディアの論調もスルッと変わっていくだろう。
昭恵の学校=瑞穂の國小學院の国有地不正取得疑惑も、一度は朝日新聞が思い切って書いたけれども、急速に沈静化していくに違いない。

本来は親韓右翼である統一協会にしてみれば、これは本意ではないのだろうが、統一協会は戦略的にどのようなイデオロギーであろうと自己同一化させて潜入し、やがて絡め取るという恐るべき能力をもっているので、今回はこの流れをよしとしたのであろう。

以上のことは、11月から1月までの3ヶ月間で、チーム安倍が必死に情報収集し、分析し、計画を練った結果なのである。
そのことを理解せずに、安倍をバカだのアホだのと貶しているだけでは、1000年たっても自民党には勝てない。



日本の野党や、安倍を倒したいと願うリベラル勢力がするべきだったのは、「トランプ政権と交渉する能力のある勢力があること」「そういう勢力が政権交代を狙っていること」 をトランプ側に示すことだった。
トランプ側からすれば、いくら安倍と交渉しても、将来的にひっくり返る可能性があるかもしれない、というリスクとして認識させるということだ。

同時に、それはまったくの卓袱台返しではなく、トランプにとってもそれなりに受け入れる余地のある交渉相手でなくてはならない。ハードネゴシエイトであっても、交渉拒否であってはならない。
いくら独立を願う私でも、日米関係が完全に交渉決裂になって良いとは思わない。それは、誰しも理解できることだろう。

そのためには、やはり、 「トランプは何を望んでいるのか」 を的確に把握し、それに対応して見せることだ。
安倍のように、120%媚びへつらい、国民のカネを湯水のように献上することはできないが、相手の望みをハナから無視して交渉が成立するわけがない。

ところが、日本のリベラルがやったことは、トランプを鬼だ悪魔だと決めつけることばかりで、交渉相手として知ろうとはしなかった。
自分たちは植民地の住民として、きわめて厳しい交渉をしなければならないのだという立場を忘れ、アメリカ本国内のリベラルと一緒になって騒ぎ立てた。

翁長知事たちが交渉をしようとしている後ろから、その交渉相手に「鬼だ悪魔だ」と悪罵が飛んで来たのである。
これでは、ただでさえ関係を築くのが難しいのに、わずかな糸ですら自らぶち切っているようなものである。
辺野古新基地建設に反対しているリベラル諸氏は、思い当たるところはないだろうか。

沖縄のことが典型的だが、それにとどまらず、日本全体の独立へ向けてのわずかなステップを、自ら放棄してしまった。
貧困も、弾圧も、戦争も、ここまで差し迫っているのに、まだ夢だけを語り、反対を言いつづければどうにかなるという幻想が蔓延していることに、絶望に近い気持ちを抱く今日この頃である。

もちろん、反対を言いつづけることの意味は大きい。夢や理想を持つことは絶対に必要だ。
しかし、それだけでは負ける、負け続ける、負け続けて悲惨な結果になる、それが目の前の現実なのではないのか。




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反対意見

世界中が警戒しているのにトランプにみっともなく擦り寄っている安倍を批判することが一番の安倍打倒策だと思うんだが。そのためにはトランプを叩かないといけない。

安倍があんな豪華な献上品を渡しているのに、何も上げられない野党がトランプと交渉しようとしたってまともに相手にされるとも思えない。
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