2017-02-28(Tue)
安倍晋三記念小学校事件: ぜんぜん先導的じゃないのに補助金決定!
安倍晋三記念小学校事件も、表向きの事実関係はほぼほぼ解明されつつある。
あとは、安倍晋三に連なるものや、維新のお仲間たちの 政治介入があったのか というところに、焦点は絞られていく。
そのためにも、この異様な事件の「本当の目的」を むき出しにすることが必要、というのが、昨日も書いたところ。
その上で、私の職能に関連して発見したことがあるので、ちょっと書いておきたい。
それは、建築工事に対して1億2千万円の補助金をもらっている 「サスティナブル建築物等先導事業(木造型)」についてである。
2015(H27)年度までに採択されたプロジェクトの一覧はこちらから見ることができる
→ サステナブル建築物等先導事業(木造先導型)平成27年度事業報告書等
H27年度だけで6つの事業が採択され、そのなかの一つが瑞穂の國記念小學院である。
もともと、木の家を作る私の仕事には縁の深い関係で、それぞれ中身にも興味があって、どんなプロジェクトが採択されているのか、他のものも見てみた。
建築に興味のある方は、それぞれ見てみていただきたい。
よくわからん、と言う方は一覧は飛ばしていただいて結構。
ポラスグループ 建築技術訓練校 新築工事
●3階建ての事務所棟および平屋建ての実習棟(計1371.33㎡)を、一般流通集成材を集束して形成する「合せ柱・合せ梁・重ね梁」を用いて、燃えしろ設計等による木造の準耐火建築物(60 分耐火)として建築。
●住宅用プレカット加工機のみで加工した複数の一般流通集成材を集束する技術を開発。これにより、一般流通集成材を利用し、中大規模木造建築物の構造体を簡易に構成することが可能となった。
新豊洲ランニングスタジアム
●工場加工によりユニット化した6角形架構を現場で組み上げることにより、アーチ形状の屋根を形成する構法。
●小断面材(90㎜ ×210㎜)の部材を使用し、ユニット化したフレームを巧みに組み合わせることにより構造的に安定したアーチ架構。
●接合部が簡易であり、仮設建築、簡易建築においての木造の普及促進に繫がる建築システムを提案。
セルフ片山・新潟屋団地店新築工事
●厚物壁板工法と軸組工法及び木質ラーメン工法のハイブリッド構造。
●丸太組構法の仕様、性能はそのままに、厚物壁板工法化する事によって、木質ラーメン構法との併用を容易にすると共に丸太組構法のデメリットを解消する。
国分寺フレーバーライフ社本社ビル新築工事
●国内初となる7階建ての木質ハイブリッド耐火建築物であり、都市型・駅前型の中小ビルのプロトタイプとして設計・計画する。
●木質ハイブリッド耐火部材を4—7 階部分に採用。
小倉京の湯新築工事
●1,2 階鉄骨造、3 ~ 6 階を枠組壁工法(1 時間耐火構造)とした国内初の中層混構造建築物のプロジェクト。
●大スパンを構成する架構部材に国産スギ材のディメンションランバー、国産針葉樹合板、釘及び金物を組合せ、(財)日本建築センターの構造評定を取得予定の合成梁による床水平構面、屋根水平構面を構築する構造体を実現。
以上が、森友学園以外のプロジェクトであり、いずれも日本初とか、新開発の技術である。
本当に実用的かどうかは異論もあるが、それにしても新しいものを開発するチャレンジがあり、私もワクワクしながら資料を読ませてもらった。
では、我らが安倍晋三記念小学校こと瑞穂の國記念小學院はどうか。
防火地域に新築される小学校の校舎及び体育館の木質化についてのプロジェクト
●主体構造となる鉄骨を、150㎜ 角の柱によるブレース構造とし、法規上の耐火与件を満たしながら、4 寸~ 5 寸角と筋違による木造フレームと変わらない寸法で納め、内外にわたって木質化することで、これまで防火地域では不可能だった大規模な木造校舎および体育館を、再現する。
技術的なアピールポイントは、これに尽きる。
資料の中の図はこれ

建築を知っている人ならば、「これのどこが先導的なの??」と疑問に思うだろう。
150㎜ 角の柱によるブレース構造 → 普通。ザックリ言えばパナホームや大和ハウスの骨組みと同じ。
内外装の木質化 → コシフネンという木材があるので誰でもできる
材料代と後々の塗装などのメンテナンス代を考えて採用されないだけで、材料代に補助金をくれるなら、誰でも設計できる代物だ。
断言するが、公表されている資料にある限りでは、まったく新規性もなければ工夫もない。
既存の鉄骨工法と、既存の不燃木材を普通に組み合わせただけである。
他の5件のプロジェクトとは、技術的にあまりにも天と地ほども違いすぎる。
なんでこれが、1億2千万円もの補助金をもらえるのだろう??
しかも、あの疑惑の2015年9月4日に 採択決定とは。(さすがに日付は偶然だと思うけど)
設計のキアラ建築研究機関の代表は松本正という人で、プロフィールを見るとF.O.B.Association の共同代表だったと書いてある。
F.O.B.Associationは、もともと梅林克という建築家が始めた事務所で、初期の頃に私も見学に行ったことがある。非常に尖ったデザインをするいわゆるアトリエ系の事務所だったという記憶がある。
そこの共同代表をやっていた人、という先入観があり、設計はそれなりにプライドをもってやっていたのではないかと思い込んでいたのだが、この補助金事業はひどい。
採択したのは国交省の勝手でしょ、とも言えるが、これは「出来レース」でなければ ちょっと恥ずかしくて提出できないレベルだ。
■おまけ
以上の話からちょっと離れるが、この事業が採択された一つの理由は、ここが防火地域であることだ。
豊中市の都市計画図では、こんな感じ

赤線のクロスチェックの部分が防火地域で、中央のピンが建っているところが学校の場所だ。
防火地域は普通は、駅前の商店街などが指定される。(右下は庄内駅前)
ところが、なぜかこの再開発区域だけは、住居系の地域の中に離れ小島のように防火地域になっている。これは非常に珍しい。
住居系地域の場合、防火の規制をする場合は「準防火地域」(赤線の斜めチェック)にするからだ。
さすがに時代的に今回の事件とは直接の関係はないけれども、この特殊性も原因をきっちり調べておいた方がいいように思う。
この土地に関わる、何かが出てくるかもしれない。
■もういっこ おまけ
27日夜に安倍晋三がマスコミ各社のキャップを集めて中華料理を食わせたらしい。
28日朝のワイドショーニュースを見ると、一見その効果はでていないように見える。(つまり、報道はあった)
しかし、注意して見ると、「籠池理事長の問題」に誘導して、政治介入の問題からひきはなしているようにも感じる。
その一方で、籠池総裁は、なんとびっくり共産党の赤旗の取材に応じて、かなり決定的な証言をし始めた。
森友学園問題 審議前に貸し付け内諾 籠池氏と大阪府私学課証言
2016年2月26日 赤旗
森友学園の籠池理事長と代理人の酒井康生弁護士は本紙の取材に、「近畿財務局との間で(貸し付けが)ほぼほぼ内諾に近いような形になったので私学審に申請した」と説明。「このまま普通に(国有財産近畿地方審議会に)かければ通るでしょうね、という見込みを財務局から聞いていた」と話しています。
(引用以上)
現在の焦点は、「籠池総裁をどっちがとるか」 の争奪戦だ。
こっぴどい裏切りにやけになっている籠池総裁を、安倍晋三サイドが慰撫して取り返すのか、それともこの調子で気持ちよくゲロってもらうのか。
正義の味方のみなさんは、籠池総裁のような人を見ると、条件反射で糾弾せずにいられないだろうけれども、ここはひとつこらえてもらいたい。「不正を暴く平成の志士だ」とかヨイショしてでも、知ってること洗いざらいしゃべってもらうことが、最重要だ。
不正とみれば手当たり次第 責め倒すばかりが正義ではない。


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あとは、安倍晋三に連なるものや、維新のお仲間たちの 政治介入があったのか というところに、焦点は絞られていく。
そのためにも、この異様な事件の「本当の目的」を むき出しにすることが必要、というのが、昨日も書いたところ。
その上で、私の職能に関連して発見したことがあるので、ちょっと書いておきたい。
それは、建築工事に対して1億2千万円の補助金をもらっている 「サスティナブル建築物等先導事業(木造型)」についてである。
2015(H27)年度までに採択されたプロジェクトの一覧はこちらから見ることができる
→ サステナブル建築物等先導事業(木造先導型)平成27年度事業報告書等
H27年度だけで6つの事業が採択され、そのなかの一つが瑞穂の國記念小學院である。
もともと、木の家を作る私の仕事には縁の深い関係で、それぞれ中身にも興味があって、どんなプロジェクトが採択されているのか、他のものも見てみた。
建築に興味のある方は、それぞれ見てみていただきたい。
よくわからん、と言う方は一覧は飛ばしていただいて結構。
ポラスグループ 建築技術訓練校 新築工事
●3階建ての事務所棟および平屋建ての実習棟(計1371.33㎡)を、一般流通集成材を集束して形成する「合せ柱・合せ梁・重ね梁」を用いて、燃えしろ設計等による木造の準耐火建築物(60 分耐火)として建築。
●住宅用プレカット加工機のみで加工した複数の一般流通集成材を集束する技術を開発。これにより、一般流通集成材を利用し、中大規模木造建築物の構造体を簡易に構成することが可能となった。
新豊洲ランニングスタジアム
●工場加工によりユニット化した6角形架構を現場で組み上げることにより、アーチ形状の屋根を形成する構法。
●小断面材(90㎜ ×210㎜)の部材を使用し、ユニット化したフレームを巧みに組み合わせることにより構造的に安定したアーチ架構。
●接合部が簡易であり、仮設建築、簡易建築においての木造の普及促進に繫がる建築システムを提案。
セルフ片山・新潟屋団地店新築工事
●厚物壁板工法と軸組工法及び木質ラーメン工法のハイブリッド構造。
●丸太組構法の仕様、性能はそのままに、厚物壁板工法化する事によって、木質ラーメン構法との併用を容易にすると共に丸太組構法のデメリットを解消する。
国分寺フレーバーライフ社本社ビル新築工事
●国内初となる7階建ての木質ハイブリッド耐火建築物であり、都市型・駅前型の中小ビルのプロトタイプとして設計・計画する。
●木質ハイブリッド耐火部材を4—7 階部分に採用。
小倉京の湯新築工事
●1,2 階鉄骨造、3 ~ 6 階を枠組壁工法(1 時間耐火構造)とした国内初の中層混構造建築物のプロジェクト。
●大スパンを構成する架構部材に国産スギ材のディメンションランバー、国産針葉樹合板、釘及び金物を組合せ、(財)日本建築センターの構造評定を取得予定の合成梁による床水平構面、屋根水平構面を構築する構造体を実現。
以上が、森友学園以外のプロジェクトであり、いずれも日本初とか、新開発の技術である。
本当に実用的かどうかは異論もあるが、それにしても新しいものを開発するチャレンジがあり、私もワクワクしながら資料を読ませてもらった。
では、我らが安倍晋三記念小学校こと瑞穂の國記念小學院はどうか。
防火地域に新築される小学校の校舎及び体育館の木質化についてのプロジェクト
●主体構造となる鉄骨を、150㎜ 角の柱によるブレース構造とし、法規上の耐火与件を満たしながら、4 寸~ 5 寸角と筋違による木造フレームと変わらない寸法で納め、内外にわたって木質化することで、これまで防火地域では不可能だった大規模な木造校舎および体育館を、再現する。
技術的なアピールポイントは、これに尽きる。
資料の中の図はこれ

建築を知っている人ならば、「これのどこが先導的なの??」と疑問に思うだろう。
150㎜ 角の柱によるブレース構造 → 普通。ザックリ言えばパナホームや大和ハウスの骨組みと同じ。
内外装の木質化 → コシフネンという木材があるので誰でもできる
材料代と後々の塗装などのメンテナンス代を考えて採用されないだけで、材料代に補助金をくれるなら、誰でも設計できる代物だ。
断言するが、公表されている資料にある限りでは、まったく新規性もなければ工夫もない。
既存の鉄骨工法と、既存の不燃木材を普通に組み合わせただけである。
他の5件のプロジェクトとは、技術的にあまりにも天と地ほども違いすぎる。
なんでこれが、1億2千万円もの補助金をもらえるのだろう??
しかも、あの疑惑の2015年9月4日に 採択決定とは。(さすがに日付は偶然だと思うけど)
設計のキアラ建築研究機関の代表は松本正という人で、プロフィールを見るとF.O.B.Association の共同代表だったと書いてある。
F.O.B.Associationは、もともと梅林克という建築家が始めた事務所で、初期の頃に私も見学に行ったことがある。非常に尖ったデザインをするいわゆるアトリエ系の事務所だったという記憶がある。
そこの共同代表をやっていた人、という先入観があり、設計はそれなりにプライドをもってやっていたのではないかと思い込んでいたのだが、この補助金事業はひどい。
採択したのは国交省の勝手でしょ、とも言えるが、これは「出来レース」でなければ ちょっと恥ずかしくて提出できないレベルだ。
■おまけ
以上の話からちょっと離れるが、この事業が採択された一つの理由は、ここが防火地域であることだ。
豊中市の都市計画図では、こんな感じ

赤線のクロスチェックの部分が防火地域で、中央のピンが建っているところが学校の場所だ。
防火地域は普通は、駅前の商店街などが指定される。(右下は庄内駅前)
ところが、なぜかこの再開発区域だけは、住居系の地域の中に離れ小島のように防火地域になっている。これは非常に珍しい。
住居系地域の場合、防火の規制をする場合は「準防火地域」(赤線の斜めチェック)にするからだ。
さすがに時代的に今回の事件とは直接の関係はないけれども、この特殊性も原因をきっちり調べておいた方がいいように思う。
この土地に関わる、何かが出てくるかもしれない。
■もういっこ おまけ
27日夜に安倍晋三がマスコミ各社のキャップを集めて中華料理を食わせたらしい。
28日朝のワイドショーニュースを見ると、一見その効果はでていないように見える。(つまり、報道はあった)
しかし、注意して見ると、「籠池理事長の問題」に誘導して、政治介入の問題からひきはなしているようにも感じる。
その一方で、籠池総裁は、なんとびっくり共産党の赤旗の取材に応じて、かなり決定的な証言をし始めた。
森友学園問題 審議前に貸し付け内諾 籠池氏と大阪府私学課証言
2016年2月26日 赤旗
森友学園の籠池理事長と代理人の酒井康生弁護士は本紙の取材に、「近畿財務局との間で(貸し付けが)ほぼほぼ内諾に近いような形になったので私学審に申請した」と説明。「このまま普通に(国有財産近畿地方審議会に)かければ通るでしょうね、という見込みを財務局から聞いていた」と話しています。
(引用以上)
現在の焦点は、「籠池総裁をどっちがとるか」 の争奪戦だ。
こっぴどい裏切りにやけになっている籠池総裁を、安倍晋三サイドが慰撫して取り返すのか、それともこの調子で気持ちよくゲロってもらうのか。
正義の味方のみなさんは、籠池総裁のような人を見ると、条件反射で糾弾せずにいられないだろうけれども、ここはひとつこらえてもらいたい。「不正を暴く平成の志士だ」とかヨイショしてでも、知ってること洗いざらいしゃべってもらうことが、最重要だ。
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