2006-08-02(Wed)
「大君の通貨」という本
忙しいとか言いながら、電車で移動することが多いので、古本屋で買った文庫本を読むことができる。
昨日読み終わったのが「大君の通貨」佐藤雅美著 文春文庫
副題が 幕末「円ドル」戦争 という
幕末小説はよく読むけれど、幕末経済小説は初めてだ。
徳川幕府の崩壊の一因に、財政破綻があるという話はよく聞くが、その実態はあまり詳しく勉強したことがない。
この小説によれば、アメリカ公使ハリスとイギリス公使オールコックによって、通貨が3分の1にされてしまったこと、金本位体制かで金の価格を3倍に上げてしまったこと、これらによって、幕府の財政は最終的に破滅した、という。
つまり、日本の商品、中でも金貨は3分の1で買い漁られ、その中で金だけを値上げしたので、物価が3倍に跳ね上がり、通貨価値は3分の1に下落し、俸禄で暮らす武士は生活破綻した。
こうした経済事情があっての、「尊皇攘夷」だったというわけだ。開港した幕府と米英が、生活破綻の元凶だ という思いが尊皇攘夷になったという。
なるほど、とても説得力がある。
この中で面白いのが、ごり押しの不平等貿易をさせようとする米ハリスや英オールコックに対し、正論で対抗したのが水野筑後守忠徳だけだったということ。そして、その唯一の人材は、井伊直弼らに左遷され、残った無能な役人によって、唯々諾々と自滅の道をたどったということ。
ハリスらとの交渉でも「拙者は大名でござる。左様なことは存じませぬ」とばかり言っていたという間部詮勝とか、ぼーっとした頭で米英の要求を飲んでしまったとか脇坂安宅とか、当時の老中の無能ぶりを見るにつけ、今の日本の大臣連中の顔が浮かぶ。
ただ、当時の老中はまだ、アメリカやイギリスと裏で手を結んでいた訳ではないようだ。単に無能であったのと、大名という自尊心が何より大事であったと言うことに過ぎない。まあそれで、国を滅ぼしたのだから大したものだが、それでも、確信犯ではない。
その点、安倍リカじゃなくてアメリカのG2やCIAに協力することで命乞いをした祖父をこよなく尊敬するような人間や、犯罪カルト・統一協会に私人として公人の祝電を送るような人間や、北朝鮮から覚醒剤を密輸する団体とつながりながら北朝鮮の非難をしてみせるような人間などと比べると、幕末のアホ大名の方がずーとマシなように思える。
私は、国破れて山河あり というのがモットーだから、亡国と言われようが反日と言われようが、民の暮らしと山河があればそれで良い。しかし、今、安倍晋三らが進もうとしている亡国の道は、民も山河も諸共に滅んでしまう道だ。
狂牛肉を食わされて、暴騰する税金を搾り取られて、餓死が続出し、シャブが横行し、そして戦争が待ち構えている。
こんな日本をめざす安倍晋三に、どうして私の未来を託すことができようか。
幕末経済小説を読んで、ますますその思いを強くした。

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昨日読み終わったのが「大君の通貨」佐藤雅美著 文春文庫
副題が 幕末「円ドル」戦争 という
幕末小説はよく読むけれど、幕末経済小説は初めてだ。
徳川幕府の崩壊の一因に、財政破綻があるという話はよく聞くが、その実態はあまり詳しく勉強したことがない。
この小説によれば、アメリカ公使ハリスとイギリス公使オールコックによって、通貨が3分の1にされてしまったこと、金本位体制かで金の価格を3倍に上げてしまったこと、これらによって、幕府の財政は最終的に破滅した、という。
つまり、日本の商品、中でも金貨は3分の1で買い漁られ、その中で金だけを値上げしたので、物価が3倍に跳ね上がり、通貨価値は3分の1に下落し、俸禄で暮らす武士は生活破綻した。
こうした経済事情があっての、「尊皇攘夷」だったというわけだ。開港した幕府と米英が、生活破綻の元凶だ という思いが尊皇攘夷になったという。
なるほど、とても説得力がある。
この中で面白いのが、ごり押しの不平等貿易をさせようとする米ハリスや英オールコックに対し、正論で対抗したのが水野筑後守忠徳だけだったということ。そして、その唯一の人材は、井伊直弼らに左遷され、残った無能な役人によって、唯々諾々と自滅の道をたどったということ。
ハリスらとの交渉でも「拙者は大名でござる。左様なことは存じませぬ」とばかり言っていたという間部詮勝とか、ぼーっとした頭で米英の要求を飲んでしまったとか脇坂安宅とか、当時の老中の無能ぶりを見るにつけ、今の日本の大臣連中の顔が浮かぶ。
ただ、当時の老中はまだ、アメリカやイギリスと裏で手を結んでいた訳ではないようだ。単に無能であったのと、大名という自尊心が何より大事であったと言うことに過ぎない。まあそれで、国を滅ぼしたのだから大したものだが、それでも、確信犯ではない。
その点、安倍リカじゃなくてアメリカのG2やCIAに協力することで命乞いをした祖父をこよなく尊敬するような人間や、犯罪カルト・統一協会に私人として公人の祝電を送るような人間や、北朝鮮から覚醒剤を密輸する団体とつながりながら北朝鮮の非難をしてみせるような人間などと比べると、幕末のアホ大名の方がずーとマシなように思える。
私は、国破れて山河あり というのがモットーだから、亡国と言われようが反日と言われようが、民の暮らしと山河があればそれで良い。しかし、今、安倍晋三らが進もうとしている亡国の道は、民も山河も諸共に滅んでしまう道だ。
狂牛肉を食わされて、暴騰する税金を搾り取られて、餓死が続出し、シャブが横行し、そして戦争が待ち構えている。
こんな日本をめざす安倍晋三に、どうして私の未来を託すことができようか。
幕末経済小説を読んで、ますますその思いを強くした。

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