2017-07-12(Wed)

国籍について

ツイッターを見ていたら、蓮舫の戸籍謄本を公開するとかいう話しでほぼタイムラインが埋まっている。
もちろん、「公開するな」「公開はおかしい」という論調がほぼ100%である。

その結論には私も同意するが、ただ、かなり多くの問題がゴッチャに論じられているように感じるので、少しメモしておこうと思う。

まず、どれだけの問題が重なっているのか。

0.国家という枠組みについて
1.国籍というものについての評価
2.二重国籍についての評価
3.国会議員の国籍について
4.戸籍制度そのものについて
5.戸籍を公開することについて

0.国家という枠組みについて

まず、そもそも国家という枠組みを良しとするのか、と言う問題がある。
左派の皆さんは、国家という枠組みを認めない、あるいは仕方なく最小限必要悪と考えている。
だから、国民という言葉にも反発することがある。

私も理想論で言えば、国家なんて無ければいいと思う。
国という枠組み無しで、数十億人が幸せに生きて行ければ、それでいい。
しかし、それってどんだけ先の話なのか。見当もつかない。

必要悪かもしれないが、当面は必要なものとして受容するしかないんじゃないだろうか。
だって、左派の大好きな憲法だって 「日本国憲法」なんだし。
とりあえず受け入れた上で、あとはちょっとでもマシなものにするしかない と思うのだが。

1.国籍というものについての評価

国家という支配の枠組みに、人民が帰属する制度が国籍だ。
どの国家の支配下に入っています、ということを明確にするわけだ。

これまた心情的には、帰属なんてしたくない、という思いはわかる。
しかし、じゃあ民主主義って何だ。
民主主義は空からふってきた夢物語じゃない。市民革命をとおして、国家権力とその支配下の国民のバランスを保つために血を流して生み出された知恵だ。

国王の所有物だった臣民が、国民になったとき民主主義が生まれたのだ。
所有物から帰属になるために、何百年もかけて人々は戦ったのである。

帰属させられているのではなく、国家をコントロールするため、暴走させないために、国家に帰属している というのが民主主義の本質だ。
だから、民主主義を高らかに掲げる左派の諸氏が国家への帰属を否定するのは、自己矛盾なのである。

もちろん、どの国家に帰属したいか、は自分で決めたらいいことだと思う。
生まれたときは日本人でも、自分で○○国に帰属するんだ と選択することは何の問題もない。
その逆もしかり。
それをとやかく言うのは、あきらかに差別である。

なお、非現実的ではあるが、そもそも国家なんて認めないというアナーキズムや世界同時革命を目指しているのであれば、国籍を否定するのは筋は通っている。

2.二重国籍についての評価

民主主義の理念からすれば、国籍とは「自分はどの国に責任を持つのか」ということだから、複数の国に責任を持つということは無理があるようには思える。
しかし、それが理念に背くかと言えば、そうは言えないだろう。本当に、ダブルで責任をとれるのであれば、それは本人の自由なのではないか。

無国籍という人もかなり多いと聞く。
ロシア革命から逃げてきてソ連を拒否した人たちや、中国革命のときにどちらも選択しなかった人など。
野球のスタルヒンとかお菓子のゴンチャロフやモロゾフなど、有名人もいる。
いろいろと不便は多いようだが、どうしても国籍がいやならばそういう選択もある。

二重国籍や無国籍という問題は、多くの場合本人の選択ではなく親の代までの経緯で決まっている。
過去の経緯の中で、特段の注意を払う必要があるのは、日本の侵略戦争による影響だ。日本にいる韓国・朝鮮人、中国人のなかのどのくらいの割合が戦争の影響による移住だったのかは私は知らないが、強制や経済的な事情など、直接間接に戦争が原因の移住はかなりの数になるだろうということは想像できる。

この人たちとその子孫についての国籍については、複雑にしてしまった責任は第一義的には日本国にあるから、他の事情での二重国籍などと同列には論じられない ということは書いておきたい。

ただし、蓮舫については中華民国と日本の国籍が問題になっているが、台湾の貿易商の父と資生堂にお勤めの母との間に生まれたとのことで、時代的にも戦争とは直接は関係ない事情のようだ。

3.国会議員の国籍について

国会議員は、自ら進んで国家運営のプロに立候補し、選ばれた人間だ。
民主主義によって国家に帰属している人たちの、その意思を背負って立っている(はずの)人たちだ。

このプロである国会議員が、二重国籍でいいのか という話になると、私は「よろしくない」と考えている。
こういうと、トランプ論を書いたときのように、またしても「レイシストになりやがった」という罵詈雑言が飛んできそうだが、ここまでの論旨をちゃんと読んでくれている人は、その意図を理解いただけるだろう。

他人の言葉をちゃんと読み聞きせずに、言葉尻だけで罵倒するのはレイシストと同じような思考回路ではないのか と少しばかりイヤミを言いながら、それでもやはり、「国会議員は帰属する国家をひとつだけ選択すべし」と繰り返しておく。

まして、総理大臣は権力の頂点である。三権分立とは言え、内閣総理大臣が圧倒的に権力を握っていることは、安倍晋三の独裁でなくとも原理的に明らかである。
国家にたいして激しく大きな権限を付託された総理大臣が、他国にも同等に責任を持ちうる というのは どう考えても納得できない。

左派の皆さんは民族差別的な観点ばかり考えているが、アメリカに帰属する日本の総理大臣 という可能性だって十分にあるということだ。今でもあまりかわらないと言えばそれまでだが、もっと露骨な事態が起きうるということだ。
たとえば、FRB議長が日銀副総裁に就任する何て言うのはどうだ?
リベラル諸氏が大好きなオバマは、イスラエル銀行総裁をFRB副議長に据えたのだから、そういう事態だって想定内と言うことだ。

日本の総理が従米やりまくった挙げ句に、アメリカで副大統領になるとか、そういう事態を想像しないのは平和ボケではないのか。

4.戸籍制度そのものについて

国籍の問題と、戸籍制度の問題は 分けて考えなければならない。
国籍はどの国にもあるが、戸籍は実質日本にしかない。
日本と韓国だけと言われていたが、韓国は2007年末に廃止された。

戸籍は個人単位の登録ではなく、家単位であることが特異な点だ。
グローバルだ国際基準だとさんざん騒いでいるが、戸籍などと言う世にも珍しいものを残存させている日本の制度そのものを問うべきなのではないか。

家族は国家となんの契約関係もなく なんの責任もない。つまり、家族として国家に帰属するいわれは何もない。
家族は個人の自由意志で取り結ぶ関係であり、国家にとやかく言われることはないのだから、戸籍制度などで国に家族を登録するのは間違っている。

繰り返すが、個人は国家に責任をもつ故に帰属する。そのかぎりにおいて国民として登録される。
その必要が無いのに、いたずらに家族関係を国家に登録するのは、あきらかに管理であり監視である。さらにその範囲を超絶に逸脱して、登録ではなくガチガチに情報管理するのがマイナンバー制度ということだ。

5.戸籍を公開することについて

したがって、蓮舫だろうと安倍晋三だろうと、戸籍など開示する必要はない。
蓮舫は国会議員であり、野党第一党の党首として将来的に総理大臣を目指すべき立場にいるのだから、二重国籍ではないということは明確にすべきだが、それは戸籍開示という手段である必要はない。
というか、そういう手段はとるべきではない。

もし蓮舫が戸籍開示をしなければならないのであれば、安倍晋三を始め現職の閣僚は全員オープンにする必要があるということになる。
安倍晋三が、「私は二重国籍ではない」と言って済むのであれば、蓮舫も国会などの公の場で「二重国籍ではない」ということを証言すればそれで足りる話しだ。

もっとも、先ほど書いたような日本を植民地支配するための意図的な二重国籍総理が誕生することを防ぐためには、国会議員のプライバシーを守りつつ国籍を証明する方法を考える必要はあるだろう。

以上、問題を切り分けながら、私の考えを書いてみた。


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No title

蓮舫氏のいわゆる二重国籍問題は、一方が嘗て大日本帝国支配地であったことから云々されているのみで、仮に一方が米国ならばどうなっていたか、と考えると自明のこと、と思われます。

先の米国大統領オバマ氏についても、出身地に関わる疑念を政敵が云々されたことがありますが、その時には、事実を反証に挙げて反論され、憲政上何の疑問も無いことが立証されました。

同じことでしょう。 ただ、今頃、民進党の代表について同等の言い掛かりをつける目論見が何かが気掛かりです。 

それよりも問題は、アベ御一党様が、ある新興宗教の信者ではないか、との疑いが濃厚であるのが大問題にならない方が可笑しい、と思われます。 アベ嫁も何かにつけ「祈りましょう」と謂う文句を述べるので同じでしょうし。 即ち、アベ御一党様は、当該新興宗教の念願を成就させようとしているのではないか、との疑念がある訳です。

因みに、左派が日本国憲法を理想のものと思う訳はありません。 少なくとも、私有財産を前提とした資本主義政体を前提にした憲政を描き、同じく私有財産制度を貫徹する制度を保障した人権カタログを掲げる憲法を理想とするのは、マルクス主義を信奉する政治団体であれば皆無です。

また、民主主義を貫徹すれば、君主制度を残した政体は、完全な民主主義ではありません。 これは、資本主義であるか否か、とは完全に別問題です。 米英を比較すれば自明です。


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