2017-07-19(Wed)

「安倍辞めろ」の先にあるもの ~戦争を防ぐための経済政策を考えよう~

いよいよ今度の日曜日(7月23日)に、松尾匡さんの勉強会がある。

生活フォーラム関西としては始めて本格的な経済についての勉強会だ。
「安倍辞めろ」の大合唱はもちろん極大化させなくちゃならないが、であればあるほど、「その後どうすんの?」という国民の疑問にちゃんと答えられなくてはならない。

政治ってのは、いかにして国民がメシを食っていけるか ということだ。
その方向性を示すのが政策であり、その政策を選ぶのが選挙。

戦争だって 「戦争好きですか、嫌いですか」 と聞かれて 「戦争好きです」と選択するわけではない。
「戦争しないと食っていけない」という言葉を信じてしまうから戦争になる。
別の言い方をすれば 「戦争以外の食っていく方法」をガッツリ提示できないから戦争になる

だから、「安倍辞めろ」「政権交代!」を叫ぶ以上は、絶対に「どうやって食っていくのか」を考えて、人々に説明できるようにならなくちゃいけない。
それ抜きに、ただただ政治の腐敗を糾弾すると、それはファシズムにつながる可能性が大きいということを、過去の歴史は教えている。

そういう問題意識で、「この経済政策が民主主義を救う ー安倍政権に勝てる対案ー」を上梓された立命館大学の松尾匡さんのお話しをぜひお聞きしたいと思っていた。
生活フォーラム関西で提案したところ是非やりましょうと言うことになり、事務局に奔走していただいて勉強会が実現する運びとなった。

松尾匡さんが主張されるポイントは三つあると私は理解している。

一つは、アベノミクスの金融緩和は間違いではない。むしろ反緊縮政策であって、欧米では左翼リベラルが主張している方法だ。

二つ、インフレターゲットは正しい。自国通貨と中央銀行があれば円や国債の暴落は起きない。

三つ、アベノミクスは投資先を間違えているうえに、不足している。短期の成長と長期の成長を分離して考えるべし。

これまでのアベノミクス批判に慣れている私たちの耳には、にわかに入ってきにくいところがある。
実際、あるメーリングリストでこの勉強会のお知らせをしたところ、「安倍政権をほめてはいけない」という返信をいただいたりして、ああ道は遠いなあ と感じたこともある。

私とても 松尾さんの言われていることのすべてが「なるほど」と思っているわけではない。
しかし、「反緊縮の経済政策が必要だ」ということを正面から提起する松尾匡さんの基本姿勢は、断然支持したい。

そんなわけで、お時間のある方はぜひ勉強会に来ていただきたい。
質問時間をた~ぷりとっているので、納得できない方は存分に質問をしてもらいたい。

なお、会場準備の都合があるので、ぜひ予約してきていただけると助かります。

安倍自民党政権に打ち克つための、
『私たちの経済政策』勉強会

■日時 : 7月23日(日)13:30~16:30
■場所 : 大阪市立福島区民センター 301会議室
 大阪市福島区吉野3-17-23 TEL:06-6468-1771
 地下鉄/千日前線「野田阪神駅」下車 ・阪神電車/「野田駅」下車
アクセス:https://www.osakacommunity.jp/fukusima/access.html
■講師 : 松尾匡 立命館大学経済学部教授
*現在、京都にて山本太郎氏×ひとびとの経済政策研究会で、
  「全てのひとびとのための経済学講座」(全4回)を開講中。
*リベラル派が今最も傾聴したい、注目の経済学者です。

■参加料 : (生活フォーラム関西会員)500円、 (一般参加)1000円
──────────────────────────────
〈 生活フォーラム関西:連絡先 〉
メール:sforumkansai@yahoo.co.jp
〈 入会申し込み 〉
ブログ:http://seikatu-forum.blog.jp/ 画面右側から
又はhttps://ssl.form-mailer.jp/fms/f8dadd89365979
──────────────────────────────


※なお、私も以前に関連して記事をシリーズで書いたので、リンクを貼っておくので、お目通しいただけたら幸いである。
とくに、その1で書いた「貿易黒字が日本を貧しくする」という観点は、重要だと思っている。別の松尾さんたちの勉強会で質問したけれども、さらっとあしらわれてしまったので、できたら今度の勉強会でしつこく聞いたみたい。

なぜ世界3位の経済大国がどんどん貧乏になっているのか(その1)

人手不足なのに給料が上がらない不思議(なぜ世界3位の経済大国が貧乏になるのか 2)


「大企業は税金を払っていない」は本当か検証してみた(なぜ世界3位の経済大国が貧乏になるのか 3)

金が天下を回らない件(なぜ世界3位の経済大国が貧乏になるのか 4)

効果の小さい成長戦略(世界3位の経済大国がなぜ貧乏になるのか 5)



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No title

>「その後どうすんの?」という国民の疑問にちゃんと答えられなくてはならない

全くその通りです。松尾匡氏が提示している対案が正しいのか間違っているのかはともかく、安倍政権の支持率がこれだけ下がっているのにも拘らず、反自公系の政治勢力の支持率が恐ろしいくらいに上がらない一つの大きな原因は、反自公系の政治勢力は単なる反安倍で「その後どうすんの?」という、魅力的なヴィジョンがないからです【政策よりも、どういった社会を目指すのかといった、できるだけ具体的で分かりやすい国家ヴィジョンの方がより重要です。というのも政策の良し悪しは専門家でないと分からないし、その専門家の意見も、通常多様だからです】。この世の中に何の欠点もない政権や政策や考え方など絶対に存在しないので、批判をするだけならば非常に容易いことですからね。

また、仮に自公政権に対する悪口だけで、自公政権を倒すことに成功したとしても、それでは人々の暮らしは良くならないです。人々の暮らしを良くするには、様々な政治勢力が政策やビジョン(特にヴィジョン)で競い合い、切磋琢磨していく必要があります。日本のように、様々な政治勢力が足の引っ張り合いをやっているだけでは、人々の暮らしは良くならないです。足の引っ張り合いをやっているだけの日本の政治には何も期待できないと思って棄権する有権者はかなり多いと思いますよ。多くの有権者にとって重要なのは政局ではなく生活ですからね。もしも多くの有権者が、反安倍派のように、生活よりも政局の方が重要だと考えていたならば、今頃、反自公系の政治勢力の支持率は自公の支持率を上回っていますよ。

日本のリベラルや左翼には、是非とも下記URLの(イギリス総選挙で大善戦をした労働党の党首である)コービンの演説をご覧になって頂きたいですね。

https://ameblo.jp/cargoofficial/entry-12281817181.html

コービンは、日本のリベラルや左翼のように憲法がどうたらといったことを語っているのか?或はメイ政権の暴走をストップといったことを語っているのか?或はメイ政権はファシズムだと語っているのか?或はメイ政権はネトウヨ政権だといったようなことを語っているのか?

コービンは、日本のリベラルや左翼のように敵対する政治勢力に対する悪口を語っているわけではなく【保守党の批判はしていますが、それがメインではないです】、かといって小難しい政策を語っているわけでもなく、誰でも理解できるような、希望のある建設的なヴィジョン、しかも経済や社会保障といった人々の生活に直結するような政治イシューを語っています【コービンが掲げているヴィジョンは正しいという意味ではないですよ】。

・・・コービンの演説は日本のリベラルや左翼に最も欠如している部分です。日本のリベラルや左翼は基本的に敵対する政治勢力の足を引っ張ることしか考えないですからね。しかも、日本のリベラルや左翼の批判はリベラルや左翼にしか、仲間内にしか理解できないような批判が非常に多いですからね。

イギリス総選挙では極右政党UKIPの票が大量にコービン労働党に流れましたが、なぜそうなったのかが分かるリベラルや左翼はどれくらいいるんでしょうかね。コービン労働党が低所得層や下層中産階級の立場に立ったヴィジョンや政策を打ち出すことによって、低所得層や下層中産階級のUKIP票が大量に労働党に流れたのです。どの国でも、多くの有権者にとって重要なのは右とか左のイデオロギーではなく、「生活」なのです。右や左のイデオロギーは、ある種の宗教的なフィクションで、かつ相対的なものですが、「生活」は(逃げることのできない)現実だからです。そして、所得が低ければ低いほど、その現実は重くのしかかってきます。

◆ポリー・トインビーが挙げている、コービン労働党がイギリス総選挙で大善戦した原因

1、やっぱり経済なのだ【保守党はブレグジットを選挙の争点にしようとしたが、労働党はいわゆる「ブレッド&バター・イシュー(どうやって飯を食うか問題)」を選挙戦の焦点にした】
2、「脅し」【危機意識を煽るようなネガティブな主張】より「希望」【ポジティブで建設的なヴィジョンの提示】が勝つ
3、賄賂【社会保障の充実のこと】は機能する

No title

蛇足ですが。

アベのアホノミクスで、日銀が2%のインフレターゲットを掲げているのは、永遠に達成できない目標であることに依り、財政破綻の瀬戸際まで日銀の国債引受が可能である、と言うことです。

所詮、戦前の「高橋財政」の焼け直しであり、その結果は、戦後の惨状のとおりです。 

歴史に学ぶことが出来なければ敗れるのです。 

ワイマール憲法下のドイツが、戦後賠償のためとは言え、禁断の中央銀行の財政ファイナンスに手を染めて財政破綻を来した折にナチスが勃興した歴史に学び、財政均衡に厳しい現ドイツとは、全く相違した経過なのです。 この相違は、何れ明らかになることでしょう。 

懲りない人々の国

残念ながら松尾匡氏の御論説は、歴史に学ぶことが出来ない無能者の似非政策、と言わねばならないでしょう。

そもそも、アベのアホノミクスを「政策」と受け取られる段階で、無能と思えます。 これこそ、世界中の債務破綻諸国の財政に学ぶことが出来ない無能なのです。 

凡そ、財政破綻は何処の国家にでも生じる事態であり、また、財政破綻した国家は、相当数に昇り、この国もその中の一国家であるのは、歴史上の事実です。

世界のデフォルト経験国家一覧表(第二次大戦以降) 海外投資データバンク
http://www.world401.com/saiken/default.html

アベのアホノミクスは、「政策」でも何でも無く、単なる日銀の国債引受に過ぎません。 野口先生が切って捨てられたとおりです。

https://www.youtube.com/watch?v=2D34Z7pbiks
野口悠紀雄氏:インフレ目標2%は達成不可能 You-tube

米国では、その危険を承知していて如何にすべきかと煩悶していると謂うのに、二回目の焼け跡を現出する道を辿るのですか?

http://diamond.jp/articles/-/40167
そして預金は切り捨てられた 戦後日本の債務調整の悲惨な現実
――日本総合研究所調査部主任研究員 河村小百合

マイナンバーを整備して預金封鎖の折には、国民の金融資産を一網打尽にしようとしている財務省の思惑を知らないのでしょうか?

札を刷って金に換える操作を重ねても何も起きなければ、何処の国も税金等徴収せずにそのとおりにやるでしょう。 江戸時代の藩札みたいになるだけですが。 この先生、藩札の歴史も知らないのかも。

この国は、何度も同じ誤りを犯す懲りない人々で成り立っているのかも。
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