2017-08-24(Thu)

保守と革新の壁は健在だった件

2012年の野党惨敗から昨年の参院選にかけて、保守と革新の壁はずいぶん解消されたかと思っていた。
とくに大阪は、保守の渡辺義彦さん、革新の服部良一さんという、保革の相互理解のお手本のような方々がいたので、全国でも先進的な地域だった。
昨年参院選では、みんなで選挙☆ミナセン大阪が野党共闘の凱旋などを先導し、それは今でも様々なテーマを掲げて続いている。

私自身も、どっから見ても左翼だった人間がなぜか小沢グループに片足突っ込んだために、保守の気持ちも革新の気持ちも分かる者として、なんとか保革の壁を崩すことの一助になれればと思ってきた。
保守と革新の壁はずいぶん解消されたかな と感じたのは、様々な会議や現場での実感だった。

一方で、そうは言いながらちょっと不安もあった。
そして、その不安があたっていたらしいことに、なんと民進党の代表選(というある意味どうでもいいこと)を巡って明らかになってしまった。
その不安とは、保守も革新も お互いに 「うんうん あいつらもようやく分かってきたな」 と思っているのではないか という危惧だった。

相互理解とは、まず自らの立場を省みて、改めるべきを改めるところからしか始まらない。
しかし、今般の保革の相互理解は、自省から始まっているのではなく、たまたま安倍政権が独裁化したために立場が共通し、その結果「向こうがこっちに近づいてきた」 と両方が思っていたのだ。

あ~あ である。

※注  これは渡辺さんや服部さんのことではないので念のため。お二人には代表選のことについて何もお聞きしていない。



私は、民進党の代表選については、どっちみち裏切られるのなら、まだ前原のほうがダメージが少ないという意見。
こんな二人を並べて、保守とかリベラルとか言うこと自体が我慢ならない。どっちも裏切り者であり、嘘つきであり、戦う前から敵前逃亡している連中だ。

 数日前の記事 → 民進党代表選に何か期待してる??

しかし、現実には枝野=リベラル 前原=保守 という構図で多くの言葉が飛び交っている。
私のツイッターのタイムラインでは、7割くらいが枝野支持(というか前原ディスり)、1割くらいが消極的な前原支持 という感じだ。
目立つのは、枝野支持派の前原ディスりの激しさである。

まず前提として整理しておかなければならないのは、本来は保守とリベラルは、ほとんど同じ意味だと言うこと。
リベラルというのは、共産主義とファシズムに対して、自由主義=リベラリズムを対置しているのであって、資本主義の世の中を変えたくないという保守主義に他ならない。

他方で、革新系というのは、日本においてはニアリーイコール穏健社会主義、社会改良主義であり、方向としては資本主義の否定ないし改造を指向しており、リベラルとは別物である。(少しは被るかもしれないが)

ところが、現在では社会党や民社党から民主党に行ったような人たちがリベラルと呼ばれ、源流が自民党の人たちが保守と呼ばれている。
本来の分け方で言うと、安倍晋三のような独裁指向のものたちを除いた自民党から、自由党はもちろん、社会主義は投げ捨てた民進党の左派に至るまで、ぜんぶ保守リベラルである。
非共産主義、非社会主義、非ファシズムで資本主義を維持しようという点で、まったく一致している。
ただ、その維持の仕方に違いがあるだけだ。

ただし、独裁指向はリベラルでも自由主義でも保守でもない。これは、現状を大きく変革して独裁体制にするということだから、保守ではなく、改革派である。いわゆるカイカク勢力は、おおむねこの範疇に属する。もちろん、安倍晋三もここだ。
その一番極端なのがファシズムであり、橋下徹なんぞはこのコースを突き進むのかと思ったけれども、途中でヘタレてしまった
。(くわばらくわばら)
また、カイカク派には、極端な従米に変革するカイカクもある。いくら従属国であっても、一応タテマエというものがあるわけだが
、そんなもの取っ払って手っ取り早く日本の富を米国に移転するべしというカイカク派。竹中平蔵、小泉親子、それに小池百合子もおそらくこのジャンルだろう。

ファシズムであれ極端な従米であれ、このあたりは保守でもリベラルでもない。もちろん、従来の革新でもない。
ここにこそ、本来の対立軸があるのであって、保守と革新とか、保守とリベラルとかで争うのはバカらしいし、そもそも敵の手のひらの上で喧嘩させられてるだけじゃないの、というのが保革の壁を壊す作業だったはずだ。

しかし、ここ数日のツイッターやらフェイスブックやらを見ていると、そんな相互理解は無かったんだということを思い知らされた。
あ~あ。



がっつり左翼だった私が、保守に目をとられたのは、その発想法だったと思う。

左翼や革新系やいわゆる「リベラル」の発想は、演繹法なのである。
つまり、まず原理原則があって、それを現実に当てはめていく。
だから、当事者はみな、「自分の考えが正しい」と思っている。

一方で、保守の発想は帰納法だ。
目の前の現実から出発して、原則を確立していく。
当事者は自分が絶対正義とは思っていなくて「仕方ないじゃん」て感じ。
保守でも独善に陥ることはある。ただ、こうなると、極右であったり独裁指向になり、もはや保守ではなくなっている。

どっちが良いわけじゃない。
演繹法は独善的になりがちだし、帰納法は現実に流される。
だからこそ、保守と革新が協力できれば大きな力になるのだけど、実際はそこまで進んでいなかったようだ。
残念だけど、仕方がないじゃん。

ただ、腹立たしいのは、そのことが民進党の代表選のごときでラベルがはがれてしまったことだ。
メディアが描いた「保守VSリベラル」なんていう虚構にまんまと乗せられて、分断に血道を上げる人が思いのほか多いのには、やっぱがっかりだ。
例えば こんな人

前原氏は民進党を右翼的再編に導き、財界のために構造改革を推進する党にする 小沢氏も便乗か そこに小池新党 行き着く先は国民不在  (猪野亨)


自分の考えに現実をあわせて論評するという典型例だ。
この人ばかりでなく、枝野支持の前原ディスりには、メディアの作った見出しや、甚だしきは統一教会にちかいエセジャーナリストのインタビューまとめなんぞを鵜呑みにして、責め立てるたぐいが多すぎて、普段のマスコミ批判はどこ行ったんだよ と言いたくなる。

何度も言うけれど、私は前原を積極的に応援する気など毛頭無い。
小沢氏がどう考えていようが、期待したら負けだ。

しかし、猪野氏のような議論をするひとが、革新側で論陣を張っている限り、本当の敵を見据え、保革の壁を崩して共闘することは困難だなあ とつくづく思ってしまう。
保守側は保守側で、小沢氏の意向を忖度してなんとなく前原に期待してしまったり、こうした思い込みによる激しい攻撃があると、スッと引っ込んで、「だから革新はダメなんだ」とか陰口たたきながら諦めてしまう。これはこれで、現実に流されてしまう保守のダメなところ。



いやはや、なんだか消耗しっぱなしの今日この頃だけど、かえって課題が見えたと言うことでもある。

と、むりやり自分を納得させて、今日は寝るとするかな。



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No title

>本来は保守とリベラルは、ほとんど同じ意味だ

全然違いますよ。

簡単に言えば、伝統的な価値を重視するのが「保守」で、自由、平等、人権といった近代的な価値を重視するのが「リベラル」です。

世界では一般的に、

保守・・・・・経済右派、福祉右派、文化右派「代表例---アメリカ共和党、イギリス保守党」
右翼・・・・・経済左派、福祉左派、文化右派「代表例---フランス国民戦線」

リベラル・・・経済右派、福祉左派、文化左派「代表例---アメリカ民主党、イギリス労働党ブレア派」
左翼・・・・・経済左派、福祉左派、文化左派「代表例---スペインポデモス、イギリス労働党コービン派」

です。

なお、

経済右派・・・市場経済重視【新自由主義的(サプライサイド重視)な経済政策】
経済左派・・・経済への国家介入容認【ケインズ主義的(デマンドサイド重視)な経済政策】

福祉右派・・・福祉の抑制(小さな政府)
福祉左派・・・福祉の充実(大きな政府)

文化右派・・・伝統的な価値の重視
文化左派・・・近代的な価値の重視

です。
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