2017-10-04(Wed)

政局をトリノメで見てみる

トリノメというのは、夜になると見えない という意味ではなく、上空から眺めてみる ということ。

安倍一強に対して野党の多弱、という現実はたしかにあった。
小沢氏が仕掛けていた 民進、社民、自由の合流と共産との選挙協力 という既存野党をめいっぱい1つに固める方法も、勢力挽回の力にはなっただろうが、一気に政権交代や主要な委員会運営を左右するほどの議席数を確保することは難しそうだった。
このまま民進が衰退し、野党がさらに減ってしまうような最悪の流れを断ち切ることはできても、それ以上ではなかったように思う。

9月25日の小池新党立ち上げで、そうした「受け皿がないために自公が勝つ」という流れが変わった。
さらに、27日の前原の合流宣言と28日の決定。210人の公認候補が全員で小池新党に合流するという話しは、がぜん政権交代の可能性を感じさせた。

森ゆうこさんの言葉を信じるならば、小沢氏は既存野党の合流の会談をキャンセルされ、寝耳に水で希望への合流を聞いたそうだが、その後の小沢氏の行動や判断を見ていると、即座に自由党もこの流れに乗るということを決めたのだろう。
28日までの目に見える経緯は、おそらくこの見立てで間違いなかろうと思っている、


20171004-1.jpg
 問題は、もう少し深い部分だ。
鳥は海の中を泳いでいる魚を見つけてちゃんと捕獲する。海面だけでは判断できないこともある。

森ゆうこさんから昨日(10/3)出された文章から一部引用する。

去る9月17日に予定されていた民進党・自由党・社民党による3党首会談では、結集への大きな前進が図られることになっていましたが、直前にキャンセルされてしまい、共産党を含む野党と市民の共闘で政権交代を実現する大きなチャンスを逃してしまったことは、残念でなりません。
その2日後に希望の党が設立され、民進党前原代表と希望の党小池代表の会談が行われ、その後、民進党は希望の党と事実上合流することを両院議員総会において全会一致で決定しました。
小沢一郎代表は、前原・小池会談には参加していません。従って、会談の中身が具体的にどのようなものであったのか知ることはできませんでしたが、民進党を中心にした野党の結集とオール野党共闘を提唱してきたことから、民進党の決定に添って自由党も連携を模索して今日に至りました。

(引用以上)

前原も28日の合流発表した夜のテレビ番組で、「11日前から協議検討していた」と答えていたので、まさにこの17日の3党首会談をキャンセルしたときが、希望合流路線の始まりだったのだろうと思われる。
では、なぜこのような路線変更がおきたのか。

通常考えられる理由は2つだ。
ひとつは、小沢氏が中心になって進められているシナリオへの反発。
もうひとつは、小池サイドから提案(誘惑)があったこと。

2009年から2012年の民主党内の状況をあまりご存じない方も多いかもしれないので、少し書いておくと、民主党(民進党)内の一定のグループにおける反小沢感情は、それはそれは凄まじいものがある。思想信条政策に関係なく、小沢につくくらいなら小池の方がマシ、という自称リベラルはゴロゴロしている。
自らの党の代表で、半年後には総理になるかもしれないと言う人が、えん罪で検察に追い込まれ、マスコミに猛烈なバッシングを受けたときに、後ろから石を投げつけたのが、民主党の自称リベラルの皆さんだ。

これは好き嫌いで言っているのではない。
政権交代というのは、既得権益勢力からは命を奪われかねない反撃を受ける。そうした反撃が来たときに、この人たちはまた後ろから石を投げる人たちであり、つまり、政権交代をするだけの覚悟はない人たちだ、という理論的な判断をしているのである。
こういう人たちがたくさんいる党が、小沢氏がすすめてきたシナリオ(たぶん統一名簿)にそう簡単に乗るとは考えられない。

その不満が渦巻く17日を見計らって、小池サイドから提案があった。これも、ほぼ間違いないだろう。
小池新党と合流しないか。民進の210人は全員受け入れる。その代わり選挙資金は提供してほしい。そんな話しだったのではないか。
150億を握る前原は、これでイニシャティブを握って合流できると思い、誘惑に乗ってしまった。

たしかに、25日の小池の結党発表から28日の前原の合流決定までは、本当に政権交代もあるかも、少なくとも自民大敗で安倍は退陣という現実味はかなり感じた。
党首が小池で、そのバックが新自由主義と安保マフィアと統一教会という悪魔トリオだという大問題はあるけれども、金と人数を握っていれば、少しは薄めることができるだろうし、安倍が退陣すれば、次の選挙でまた自民党に戻すという方法もある。
そもそも二大政党制というのはそういうものだ。悪と悪のたたかいで、より悪い方を落とし、ちょっとでもマシな方を選ぶ。ウソをついたら次に落とす。



もうひとり、内情をバラしている人がいる。
ご本人はちょっと反省して削除しているが、山口二郎氏が、
「希望への合流にあたって、枝野氏が分党しないように説得してほしいと、前原氏から依頼された」という主旨のことをツイートした。
すでに大量に出回ってしまった情報なので、削除は自己満足であって あまり意味がない。

枝野は前日(たぶん会見の前日の26日)に前原から合流方針を知らされた、と言っているが、民・社・自の三党合流がながれたと言うことは当然わかっていたわけだし、前原が小池サイドと頻繁に会っていると言う情報は入っていたはずで、少なくとも小池新党との選挙協力というところまでは、ほぼ既定路線として認識していたはずだ。

この段階で山口二郎氏が、前原の依頼を受けたのであれば、リベラルの代表みたいな立ち位置になっている山口二郎氏も合流方針に賛成したと言うことだ。
逆に、その依頼を断っていたとしたら、枝野は自分の判断で合流方針に賛成したと言うことになる。
どっちみち、この段階までは、いわゆるリベラルのグループも、希望合流には賛成していたということだ。


さて問題は、29日から始まった、小池の「選別・排除」宣言だ。
前原も確信犯ではないかという説もあるが、私の印象では、前原はダマされたのだろうと思っている。
28日と29日で別人のようにしおれて、目が泳いでいるからだ。
もちろん、どちらにしても確証はない。

しかし、この小池の排除宣言も、俯瞰してみれば理解できる。
つまり、我々でもこのままいけば 民進が小池ブランドを買ったことになる。事実上の乗っ取りだ、ということに気が付くのだから、期を見るに敏な小池が気が付かないはずはない。
自らの党支配を維持するためには、大物を排除し、人数も選別して希望プロパーと同等までに抑える。

しかしこうした小池の自己保身は許されなかった。
そもそも小池百合子などと言うトリックスターが単独でこれだけの仕掛け(都知事選から含めて)をできるわけがなく、安倍自民のやりかたに不満を感じている国際金融資本や安保マフィアがバックに付いているのは、間違いなかろうと私は見ている。
トランプの「他国のことには関わりたくない」路線に乗っかって、対米従属の隙間をついて極右路線に走ろうとする安倍晋三にたいしては、これまで日本を実質的に支配してきたグローバル巨大資本や日米安保の利権を握った人々は、そろそろ首を切らねばならないと思っていた。

その格好の駒として小池は名乗りを上げたのであって、その使命を果たさないような中途半端な自己保身は許されない。
そこでの狼狽えが、あの「踏み絵」の内容の二転三転である。左が当初案で、右が最終版。なんとか内容をアイマイにして 一度言ってしまった「排除」のポーズを取りながら、実は排除したくないという意識がにじみ出ている。

20171004-2.jpg20171004-3.jpg

小池の出馬についても同様だ。
本人は、政権が取れなくてもいいと思った瞬間に出馬などする気は さらさらない。
しかし、政権をとらせるために担ぎ出したバックは、「何言ってんだバカヤロー」状態であろう。
だから小池は、ゴニョゴニョと言葉を濁し続けてきたのである。



ここに、小池にとっては思わぬ救いの神が現れた。
立憲民主党の設立である。

断っておくが、事態がここまで進行した以上、私は立憲民主党ができたことを非難する気は毛頭無い。
ただ、追い込まれた小池にとっては、格好の言い訳ができたのである。
「これで政権交代は絶対にできません。だから知事を続けます。」と。

「民進に乗っ取られるくらいなら政権交代なんてしたくない」と保身に走った小池と、「踏み絵を踏んでまで政権交代はしたくない」という枝野の、政権交代不要という意識が、意図せぬところでシンクロしたのである。

以上、水面のちょっと下を透かしてみると、どうもこんなことだったのではないか、と思える。

とは言え、ここまで来た以上は、「ではどうするか」である。
少なくとも現状で言えることは

・当選の可能性がかなり低かった民進と自由の候補が、希望に行ったことで少し可能性が高まった
・立憲と社民が統一名簿にすれば、それなりの議席が期待できる
・共産党はゴタゴタの外側で、ある程度票を伸ばすだろう

ということは、やるべきことは

・立憲、社民、共産の議席を少しでも増やす。できれば合計60くらいあれば。
・希望はきっと分裂するので、希望に行った人たちと遺恨を残さず、帰ってこれるようにする。

この2つができれば、現状よりはやや多い野党勢力は維持できるだろう。

しかし、希望に行った人たちを罵倒し続け、向こうへ向こうへと押しやった場合、過半数の与党、150議席程度の「ゆ」党、60議席の野党 という地獄絵になる。

昨日私も書いたように感情は大事だけれども、それでも今はトリノメをもって事態を眺めてみよう。
最悪の事態は避けなければならない。

■おしらせ■



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