2018-01-17(Wed)
民進党とSMAP
23年前の朝、大きな揺れで飛び起きた記憶は、私の中でも生々しい。
当時は京都の南部の公団住宅に住んでいたが、それでもガバッと飛び起きて、あわてて玄関のドアを開けた。
そして、テレビにうつる火の手を見ながら戦慄した。
30になる直前から建築をはじめた私は、あのころはまだ駆け出しで、十分な教訓をくみ取ることができたかどうかは怪しい。
けれども、建築業界は後追いで技術や基準を向上させていくので、阪神淡路大震災の後の建築基準法改正では、耐震基準はかなり改善された。
とくに、木造建築については、2000年以降に手抜きせずにつくられたものはかなり安全である。
建築技術は、後追いとは言え犠牲を教訓にしながら前向きに進んではいるのだが、その後の大震災をみてもちっとも前進しているように見えないのは、被災地の行政に対する支援だ。
一次対応を被災した自治体にやらせる、という大きな矛盾をいつまでも解消しないのはなぜなのだろう。
東日本でも熊本でも、いつもそれが困難になっている。
地震国であることは変えられないのだから、おきたときにどう対処するのか、ということを綿密に作っておくことが地震国=日本の役割だと思うのだが、初動体制はいつも被災した地元の役所におしつけられ、自らも被災者である地元の公務員が家族をほっぽらかして不眠不休で働くことになる。
人命救助の自衛隊だけでなく、ロジスティックなどの事務方も100人くらい用意しておいて、何かあれば数時間以内に現地に乗りこみ、現状確認と初期対応だけ応援することは、被災の経験をしっかりと総括してマニュアル化すればそんなに難しい話ではないとおもう。
そんなことを考えていると、ある疑問が頭をよぎった。
Jアラートだとか言って、戦争の危機を煽っている連中は、本当に戦争の危機を感じているのだろうか?
ミサイルや侵略という事態になれば、その混乱は地震の比ではない。
地震は数分間でとりあえず収まるけれども、戦争は継続して攻めてくるのだ。
自衛隊は戦闘や目の前の被害者を救助する訓練はしているだろうが、いきなり破壊された生活基盤にまでは手が回らない。
大地震と同じである。
暑さ寒さ雨風、水や食糧、状況の把握に医療体制。
地震ですら地元に任せきりなのだから、戦争になっても同じことだろう。
ミサイルが飛んできたら頭を抱えてしゃがめ という陳腐な訓練をする前に、そうしたリアルな対応を考えてもよさそうなものだ。
国による地震対応のお粗末ぶりを見ていると、やはりこいつらは本気で「戦争の心配なんてしていない」ということがよくわかる。
だいたい、「ミサイルだ」「中国が攻めてくる」とか騒ぐ連中ほど、じつは「戦争なんておきないぜ」と腹の中ではたかをくくっている平和ボケだったりするのだ。
■■
さてさて、今日はこの話を書くつもりではなかったのだが、23年前の記憶からなんとなくこんな流れになってしまった。
書きたかったテーマは 民進党について。
今は、民進党、立憲民主党、希望の党、無所属の会 と四分裂したわけだが、さらに希望が分裂するとのことで、五分割されるらしい。
もともと公約違反で消費税を上げ、原発の再稼働を決めた民主党に居残っていた政治家風情になにも期待するものはないけれども、しかし、国会は多数決である以上、数を無視するわけにもいかない。
一度うらぎった者は、何度でも裏切るというのは歴史が教えていることで、どんな良いことをいう人でも、私はあの時の民主党にいた人間は決して信用しない。
一回目にダマされるのはダマした方が悪いが、二回目はダマされる方も悪い。まして三回目はダマされる方がアホである。
そんな民進党ではあるが、さっきも書いた通り、野党の人数としては無視できない。
いっそ無くなってしまえ、と思ったことも一度や二度ではないが、ある者を消滅させるということはできない。
昨年の民進党分裂は、無くなったわけではなくて、よろしくない形に分割されただけなので、より始末が悪い。
私が民進党が嫌いなのは、2010年からを振り返ってもただ一点。 「やる気がない」からだ。
財務省にも電力会社にも米国にも、本気で対峙する「気」がない。
もちろん自民党にも勝つ「気」がない。
森友と加計という、政権を何回もひっくり返せる大ネタがあり、籠池氏や前川元事務次官など、体を張った証言者も登場したのに、民進党は野党としてのアリバイ作りしかしなかった。
山口敬之の準強姦事件では、被害者が全尊厳をかけて実名告発したのに、しかもその山口がスパコン詐欺のキーマンだったという大ネタだったのに、民進党系はフニャフニャである。
そのなかでも、かろうじて口火をきったのがリベラルともてはやされる立憲ではなく、自民党補完勢力とか揶揄されている希望の党だったのは、民進党のなんたるかをよくあらわしている。
今回の民進との分裂が失敗だったのは、ホンネではなくタテマエで分けてしまったということだ。
「どこまで本気か」というホンネで分裂していれば、まだましだった。
普段はイイコト言っているけどイザとなったら逃げを打つ連中と、あまり目立たないけどそれなりに骨のある連中に分裂してくれれば、まだ救いはあった。
詐欺師はまとめてくくっておけるからだ。
しかし、今回はタテマエの「政策」やイデオロギーで分裂した。
これでは、それぞれ小さくなっただけで、詐欺師が目立ってしまうという構造は変わらない。
■
SMAPの歌を、お世辞にも上手いという言う人はいないだろう。音痴を自認する中居クンのみならず、誰の歌もソロ部分は聞けたもんじゃない。耳が壊れそうだ。
でも、不思議と全員で歌っているところはそれなりに聞くことができる。
音痴が集合すると、人間の耳には平均して聞こえるので、だんだん音があってくるのだそうだ。
もちろん、中にオペラや演歌の歌手とか、ジャイアン級のウルトラ音痴がいたら平均されずにそっちばかり聞こえるだろうけど、ドングリの背比べの場合は、いろんな音痴がたくさん集まった方が、聞ける音になる。
政党の政策なんて、その程度のものだと割り切った方がいいのかもしれない。
あまりに異質なものは「排除」が必要かもしれないが、あとは赤点ギリギリを寄せ集めてなんとか合格点にする。
政党に幻想をもたないことが、実は政党を活用する秘訣なのかもしれない、とSMAPの歌を聴いて思ったりする。
SMAPも分裂して、ジャニーズ王国から飛び出した連中は苦労しているようだ。
格好いいけど逃げ上手な木村君はテレビにもよく出てくるが、見ているとなんとなく立憲民主党を連想する。
どっちも、それなりに人気はあるけど、精彩を欠いている。
もう彼らは歌は歌えないだろう。
音痴の責任を、自分一人で取らなければならないからだ。
格好つければつけるほど、その責任は重くなる。
立憲民主党も、イイコトを言えば言うほど、本当に責任を問われる場面での判断ができなくなる。
例えば、沖縄での名護市長選や県知事選。
辺野古移設に賛成も反対も言えずに、ゼロベースと誤魔化している立憲は、この選挙に関わることができない。
原発も安保も、リベラルイメージだけを振りまいて、政策の文言はすべて玉虫色にしてある。
だから、沖縄のみならず、これからも明確な「白か黒か」を問われる場面からは逃げ回らざるを得ない。
希望が分裂してジャイアン級の極右がいなくなり、民進、無所属の会と連携するようになると、立憲はますます孤立を深めていくだろう。
希望の党分裂、松沢成文氏ら新党結成へ 民進との統一会派反発、執行部側は党名変更も
2018.1.17 産経
立憲民主・枝野幸男代表「支持層に統一会派望む声なし」
2018.1.14 産経
いくら格好つけてもキムタクほどの人気にはならないのだから、そろそろ着地点を探した方が、枝野さんの処世術のためでもあると余計な心配をしてしまう。
それとも、期待を寄せる純真なリベラルさんたちを引き連れて、無理心中するつもり?


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当時は京都の南部の公団住宅に住んでいたが、それでもガバッと飛び起きて、あわてて玄関のドアを開けた。
そして、テレビにうつる火の手を見ながら戦慄した。
30になる直前から建築をはじめた私は、あのころはまだ駆け出しで、十分な教訓をくみ取ることができたかどうかは怪しい。
けれども、建築業界は後追いで技術や基準を向上させていくので、阪神淡路大震災の後の建築基準法改正では、耐震基準はかなり改善された。
とくに、木造建築については、2000年以降に手抜きせずにつくられたものはかなり安全である。
建築技術は、後追いとは言え犠牲を教訓にしながら前向きに進んではいるのだが、その後の大震災をみてもちっとも前進しているように見えないのは、被災地の行政に対する支援だ。
一次対応を被災した自治体にやらせる、という大きな矛盾をいつまでも解消しないのはなぜなのだろう。
東日本でも熊本でも、いつもそれが困難になっている。
地震国であることは変えられないのだから、おきたときにどう対処するのか、ということを綿密に作っておくことが地震国=日本の役割だと思うのだが、初動体制はいつも被災した地元の役所におしつけられ、自らも被災者である地元の公務員が家族をほっぽらかして不眠不休で働くことになる。
人命救助の自衛隊だけでなく、ロジスティックなどの事務方も100人くらい用意しておいて、何かあれば数時間以内に現地に乗りこみ、現状確認と初期対応だけ応援することは、被災の経験をしっかりと総括してマニュアル化すればそんなに難しい話ではないとおもう。
そんなことを考えていると、ある疑問が頭をよぎった。
Jアラートだとか言って、戦争の危機を煽っている連中は、本当に戦争の危機を感じているのだろうか?
ミサイルや侵略という事態になれば、その混乱は地震の比ではない。
地震は数分間でとりあえず収まるけれども、戦争は継続して攻めてくるのだ。
自衛隊は戦闘や目の前の被害者を救助する訓練はしているだろうが、いきなり破壊された生活基盤にまでは手が回らない。
大地震と同じである。
暑さ寒さ雨風、水や食糧、状況の把握に医療体制。
地震ですら地元に任せきりなのだから、戦争になっても同じことだろう。
ミサイルが飛んできたら頭を抱えてしゃがめ という陳腐な訓練をする前に、そうしたリアルな対応を考えてもよさそうなものだ。
国による地震対応のお粗末ぶりを見ていると、やはりこいつらは本気で「戦争の心配なんてしていない」ということがよくわかる。
だいたい、「ミサイルだ」「中国が攻めてくる」とか騒ぐ連中ほど、じつは「戦争なんておきないぜ」と腹の中ではたかをくくっている平和ボケだったりするのだ。
■■
さてさて、今日はこの話を書くつもりではなかったのだが、23年前の記憶からなんとなくこんな流れになってしまった。
書きたかったテーマは 民進党について。
今は、民進党、立憲民主党、希望の党、無所属の会 と四分裂したわけだが、さらに希望が分裂するとのことで、五分割されるらしい。
もともと公約違反で消費税を上げ、原発の再稼働を決めた民主党に居残っていた政治家風情になにも期待するものはないけれども、しかし、国会は多数決である以上、数を無視するわけにもいかない。
一度うらぎった者は、何度でも裏切るというのは歴史が教えていることで、どんな良いことをいう人でも、私はあの時の民主党にいた人間は決して信用しない。
一回目にダマされるのはダマした方が悪いが、二回目はダマされる方も悪い。まして三回目はダマされる方がアホである。
そんな民進党ではあるが、さっきも書いた通り、野党の人数としては無視できない。
いっそ無くなってしまえ、と思ったことも一度や二度ではないが、ある者を消滅させるということはできない。
昨年の民進党分裂は、無くなったわけではなくて、よろしくない形に分割されただけなので、より始末が悪い。
私が民進党が嫌いなのは、2010年からを振り返ってもただ一点。 「やる気がない」からだ。
財務省にも電力会社にも米国にも、本気で対峙する「気」がない。
もちろん自民党にも勝つ「気」がない。
森友と加計という、政権を何回もひっくり返せる大ネタがあり、籠池氏や前川元事務次官など、体を張った証言者も登場したのに、民進党は野党としてのアリバイ作りしかしなかった。
山口敬之の準強姦事件では、被害者が全尊厳をかけて実名告発したのに、しかもその山口がスパコン詐欺のキーマンだったという大ネタだったのに、民進党系はフニャフニャである。
そのなかでも、かろうじて口火をきったのがリベラルともてはやされる立憲ではなく、自民党補完勢力とか揶揄されている希望の党だったのは、民進党のなんたるかをよくあらわしている。
今回の民進との分裂が失敗だったのは、ホンネではなくタテマエで分けてしまったということだ。
「どこまで本気か」というホンネで分裂していれば、まだましだった。
普段はイイコト言っているけどイザとなったら逃げを打つ連中と、あまり目立たないけどそれなりに骨のある連中に分裂してくれれば、まだ救いはあった。
詐欺師はまとめてくくっておけるからだ。
しかし、今回はタテマエの「政策」やイデオロギーで分裂した。
これでは、それぞれ小さくなっただけで、詐欺師が目立ってしまうという構造は変わらない。
■
SMAPの歌を、お世辞にも上手いという言う人はいないだろう。音痴を自認する中居クンのみならず、誰の歌もソロ部分は聞けたもんじゃない。耳が壊れそうだ。
でも、不思議と全員で歌っているところはそれなりに聞くことができる。
音痴が集合すると、人間の耳には平均して聞こえるので、だんだん音があってくるのだそうだ。
もちろん、中にオペラや演歌の歌手とか、ジャイアン級のウルトラ音痴がいたら平均されずにそっちばかり聞こえるだろうけど、ドングリの背比べの場合は、いろんな音痴がたくさん集まった方が、聞ける音になる。
政党の政策なんて、その程度のものだと割り切った方がいいのかもしれない。
あまりに異質なものは「排除」が必要かもしれないが、あとは赤点ギリギリを寄せ集めてなんとか合格点にする。
政党に幻想をもたないことが、実は政党を活用する秘訣なのかもしれない、とSMAPの歌を聴いて思ったりする。
SMAPも分裂して、ジャニーズ王国から飛び出した連中は苦労しているようだ。
格好いいけど逃げ上手な木村君はテレビにもよく出てくるが、見ているとなんとなく立憲民主党を連想する。
どっちも、それなりに人気はあるけど、精彩を欠いている。
もう彼らは歌は歌えないだろう。
音痴の責任を、自分一人で取らなければならないからだ。
格好つければつけるほど、その責任は重くなる。
立憲民主党も、イイコトを言えば言うほど、本当に責任を問われる場面での判断ができなくなる。
例えば、沖縄での名護市長選や県知事選。
辺野古移設に賛成も反対も言えずに、ゼロベースと誤魔化している立憲は、この選挙に関わることができない。
原発も安保も、リベラルイメージだけを振りまいて、政策の文言はすべて玉虫色にしてある。
だから、沖縄のみならず、これからも明確な「白か黒か」を問われる場面からは逃げ回らざるを得ない。
希望が分裂してジャイアン級の極右がいなくなり、民進、無所属の会と連携するようになると、立憲はますます孤立を深めていくだろう。
希望の党分裂、松沢成文氏ら新党結成へ 民進との統一会派反発、執行部側は党名変更も
2018.1.17 産経
立憲民主・枝野幸男代表「支持層に統一会派望む声なし」
2018.1.14 産経
いくら格好つけてもキムタクほどの人気にはならないのだから、そろそろ着地点を探した方が、枝野さんの処世術のためでもあると余計な心配をしてしまう。
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