2018-02-10(Sat)

苦海浄土

もう40年ほど前、くらいくらいボクの高校生活の精神的な支えは、羽仁五郎の「教育の論理」と「自伝的戦後史」だった。
この二冊に出会わなかったら、こういう考えの大人もいるんだということを知らなかったら、あの時代を乗り越えられなかっただろう。

そんな羽仁五郎がガールフレンドと呼び、よくテレビにもでていた花柳幻舟という舞踊家がいた。その幻舟が、なんと花柳流家元を包丁で刺したのが1980年の2月。
そして、同年の5月だったかに京都で幻舟の講演会があった。その後に8ヶ月服役しているから、たぶん保釈中だったのだろう。
なんでいきなり刺したのか。大いに興味のあったボクは、四条烏丸の京都産業会館に出かけていった。

詳細はここでは語らないけど、「当事者の思い」というものを、正面からぶつけられた。
この講演会は、ボクの一生にとってかなり大きな影響を残してくれた。

それと前後して、京大西部講堂である芝居が上演された。「天の魚」という一人芝居だった。
そう、石牟礼道子の「苦海浄土」の一節を、俳優の砂田明が一人芝居に仕上げた作品である。

どんな芝居だったのかはっきりとは憶えていないものの、これまたボクの心に碇を下ろしてしまった。
その夏の1ヶ月ほどを水俣で過ごした。
ミカン畑を手伝いながら、眺め下ろした水俣の海の恐ろしいほどの美しさ。
羽仁五郎の著書にすがって生きていたカラッカラのボクの心には、一生消えることのない残影となって焼き付いた。

ちなみに1980年の5月には、隣の韓国で光州蜂起が起きている。
金大中の不当逮捕に端を発した市民蜂起のことは、日本では小さい事件扱いで、ほとんど報道されなかった。
そのことも含めて、数ヶ月遅れで何があったのかを知ったボクは衝撃を受けた。

光州蜂起については10年前に書いているので、こちらも見ていただければと思う。
 「光州5.18」 2008.5.15

とにかく、1980年5月は、ボクの行く末にかくも絶大な影響をのこす月となった。
今、こんなブログを書き綴っているのも、もちろんこの5月があったからだ。

ボク的三大事件の一つであった苦海浄土を書かれた石牟礼道子さんが亡くなったという。

特集 石牟礼道子さん死去 2018.2.10 朝日

暮らしも政治も先行きが見えなくて、目の前のことに惑うことが多い今日この頃、もういちど苦海浄土を読み直してみようと思う。




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うむ。

羽仁五郎はよくは知らないが、石牟礼道子はすばらしい。
我が国では最初の“作家”だろうな。ソルジェニーツィンのような。

♪毒死列島 身悶えしつつ 野辺の花♪

今は野辺の草、とか、枯れ尾花、になってはいるが、彼女に続くひとが必ず出てくるように思う。

そうでなきゃ終わりです。

――デンバーから戻ってきて最初に注目したブログだ。すてきだね。

♪毒死列島 身悶えしつつ 野辺の草♪




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