2019-03-01(Fri)

矢部宏治さんの「天皇メッセージ」を読んで

正直言えば、私も天皇は好きではありません。

昭和天皇の戦争責任を曖昧にしたことが、戦後日本の歪みを固定化し、ひいては今日の安倍政権の無法を平然と許してしまうことになっている と思っています。

今の明仁天皇については、昭和天皇のような直接の戦争責任はありませんが、それでも「天皇制」というものが責任をとらずに生き残ってしまったことはたしかで、だから彼には江戸城を基本財産にして財団法人皇室博物館の館長さんになってもらい、皇室の祈りと文化を引き継いでもらったら良いのでは と考えてきました。(何回かこのブログでも書きました)

そんなこんなで、「知ってはいけない」シリーズの著者である矢部宏治さんの「天皇メッセージ」は、せっかく電子版を無料公開してくれているのに、なんとなく敬遠して読まずにいました。まあ、やらたと忙しかったのもありますが。

でも、あることがキッカケで読んでみようと思い立ちました。
そのキッカケとは、ある知人のフェイスブックです。そこには、この本の新聞広告の写真とともに、よりによって「天皇メッセージ」というタイトルをつけていることへの批判が書かれていました。
そうです。「天皇メッセージ」といえば、昭和天皇が保身のためにマッカーサーに「沖縄を占領して」と伝えたあのメッセージを連想します。なんで、よりによってそんなタイトルにしたのでしょう。知人が憤慨するのもわかります。

あの名著といってもいい「日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか」や「日本はなぜ、「戦争ができる国」になったのか」で、日本の問題の最深部をえぐり出した矢部宏治さんが、なんでまたよりによって。。。。

ただ、そのフェイスブックのコメント欄に、「矢部なんてこんなやつだ」みたいなことが書いてるのを見て、私の反骨心にほのかな灯が点りました。
読まずに腐しちゃだめでしょ。

まずは読んでみよう。
なにせ無料公開やし

天皇メッセージ Kindle版

スマホでもパソコンでも、Kindleのアプリをダウンロードすれば、さくっと読むことができます。
晩ご飯の後に一気に読めるくらいの量です。
文字も大きくて、老眼の進行著しい私の目にも優しい。
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ここでは、ネタバレにならない程度に、読後感想を書いてみます。



まず、天皇制についても、人間明仁天皇に関する評価についても、私は矢部さんの説には納得はできませんでした。
私の考えとは かなり違うと言うことです。
でも 「なあ~んだ 矢部ってこんなやつだったのか ガッカリ」とは まったく思いませんでした。

私は政治に関する論は、政治にコミットする前提で読み聞きします。
自分の考えと違うものは一刀両断にぶった切る! 天皇を肯定するヤツは敵だ!! という自分の世界の中だけの考え方はしません。
政治にかかわらないのであれば、ただ自分の考えに正直であれば良いのかもしれませんが、その連鎖こそが安倍政権を倒せない最大の原因だと痛感するので、私にはそういう態度はとることができません。偉そうに言っているのではなく、タダ単に耐えられないのです。

そして、政治にコミットするかぎり、天皇制を分岐点にすることはできません。
何せ、今の日本で天皇は圧倒的に受け入れられているからです。
それぞれの天皇や天皇制に対する考えは捨てたり曲げたりする必要は さらさらありませんが、あっちのこっちの分岐点を天皇にするわけにはいかないのです。

安倍政権が踏み込んでしまった、憲法も法律も無視した恐怖政治を終わらせるのか、終わらせたくないのか その分岐点は断じて天皇ではありません。
天皇が好きな人、天皇制の存続を熱望する人のなかにも、いや、たぶん天皇その人も含めて、安倍政権は終わらせたいと願っている人はたくさんいます。そういう人たちとも、しっかり手を携えていかなくてはならないはずです。

矢部さんが明仁天皇を持ち上げる本を書いただけで 「敵」認定しているようでは、保革を超えるとか野党共闘なんで何百年経っても実現しないでしょう。いかがですか。

もちろん、政治や結果なんてどうでもいい。自分の良心を曲げないことが何よりも大事なんだ と言う人もいるでしょう。
そういう純粋な気持ちを、私がどうこう言うことはできません。
ただ一つだけ、安倍晋三たちは、結果にコミットしない正義の味方が多ければ多いほど喜んでいるということだけは憶えておいてください。



それとやはり言えるのは、読まずにあれこれ言うのはどうなの ということです。
私は矢部さんの意見に同意はできませんが、矢部さんがどういう意識で、何を書きたかったのかは理解できました。
とくに、問題式の部分については、かなり同意できました。

彼の言葉は、天皇が好きな多くの日本国民に「届く言葉」なのです。
天皇が嫌いな私たちの言葉は、天皇が好きな人には半永久的に届きませんが、矢部さんの言葉はきっと届きます。
テレビで皇室アルバムを見ながら矢部さんの本を読んで、安倍政権に怒りを燃やす ということがリアルにありそうです。

明仁天皇が何かにつけて、安倍政権のやり口に文句をつけているかのような言葉を発してきたのは、天皇きらいの人たちも認識しているはずです。でも、天皇に政権交代を助けてもらうなんて言語道断とわかってるから、その話題は避けてきました。私自身もたぶんにそうでした。

しかし矢部さんは、天皇が好きな人たちの心に、天皇に助けてもらうのではなく、矢部さん自身の言葉を送っているのです。
その言葉は、「なんで~~」や「知ってはいけない~~」でこれまで彼が書いてきたこと そのものです。
もちろん、昭和天皇が沖縄を売り渡した、元祖「天皇メッセージ」についても繰り返し述べられています。
私などには及びもつかない高等戦術です。

そういうことも 読んでみなければ決してわからなかったことです。
同じ批判するにしても、「天皇」というワードに条件反射するのではなく、「どういう問題意識で」 「何を書きたいのか」 くらいは把握してからにしませんか。

保革が分裂させられて、まんまと属国にされてきた戦後史を、そろそろ終わりにしましょう。

共闘とは、相手が自分に寄ってくることではありません。
自分もまた、異なる相手に歩み寄ることです。
本当の 草の根での野党共闘は 今からです。



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