2019-05-30(Thu)

時代を変えるスローガンはいつだって「年貢半減!」

明治維新は薩長の偉人が成し遂げた日本の近代化だ という化けの皮が少しずつはがれてきました。

薩長軍が幕府軍に圧勝できた理由は、資本主義の勃興や幕府の異常な財政難や金の流出やイギリス(東インド会社)の後押しやいろんな要因はありますが、戊辰戦争の前半戦で京から江戸へ一気呵成に攻め上がり、江戸無血開城ならしめた最大の力は「年貢半減!」のスローガンだったのではないかと思います。

西郷隆盛の「汚れ役」として頭角を現した相楽総三が、東征軍の先駆け「赤報隊」として血路を切り開いていったことはあまり知られていません。
決して大部隊ではない相楽軍が、いまだ大勢力であった幕府側の諸藩に潰されずに碓氷峠を脅かすところまで攻め上がることができたのか、その秘密がどうやら 「年貢半減!」のようです。

ハイパーインフレで困窮していた諸国の人々が、ほとんど戦わずして相楽軍を迎えたり、素通りさせたりした結果、あっという間に信州まで到達してしまったのです。
これに驚いたのが、先駆けを命じた西郷隆盛です。
ある程度地ならしをさせておいて、適当なところで負けるだろうと思っていたら、影の汚れ役だったはずの、しかも薩摩ではなく上州出身の相楽総三が先鋒部隊で江戸に攻め込みそうなのですから。

20190530-2.jpg 慌てて「一度京に戻るように」と命じ、相楽は下諏訪で処刑され、赤報隊も「偽官軍」の汚名を着せられて官軍に攻め潰されました。
主な情報源が小説(北方謙三の草莽枯れ行く)なので、かなり作者の思い入れもありますが、大きな流れはそんな感じです。

「年貢半減!」で人気を得て、いざ勝利を目にしたら「偽官軍」と言って粛正する。
これって、最近もどっかで見たことありませんか?

今から10年前、「消費税は上げない」「子ども手当」「高速道路無料化」「農家戸別補償」 を掲げて勝利した民主党。
政権をとったら、あっさりと「消費増税」を言い出し、政権交代の立役者の小沢一郎を党員資格停止にし、あくまでも増税に反対する小沢グループを粛正。
なんだか似てますよね。

違うのは、薩長軍は握った権力を離さなかったけれども、民主党は安倍自民と謀って自爆解散をやらかしたことです。
何回思い出しても、これでは庶民が「民主党のミ」と聞いただけで嫌悪感をもつのも無理はないです。
「最悪の安倍政権を支持する日本人なんて信じられない」とおっしゃるリベラルさんをよくお見かけしますが、情けなくて卑怯で弱っちい政権よりも、汚くてドあつかましくて強い政権を選んでしまうのは、庶民の悲しい性なんじゃあないでしょうか。

相楽総三が、幾まわりも大きな構想をもっていれば、その後自由民権運動へとつながっていく民衆の力を糾合して、維新ではなく革命が起きていたかもしれません。歴史に「もし」を言っても仕方ないですが、それぐらい「年貢半減!」の効果は大きいのだと思うのです。

■現代の「年貢半減」は 「消費税を5%に!」

もうちょっと劇的に「消費税廃止!」のほうがいいに決まっていますが、他の野党さんたちがとても付いてこられないテイタラクなので、やむなく「5%」ということで、もちろん本来は「廃止」です。

れいわ新選組の緊急政策を あらためて見てみましょう。

20190530-1.jpg 

画像をクリックすると、詳しい政策のページに飛びますので、読んでみてください。
お忙しい方は、とりあえずこの黄色の文字だけでも。

本当に時代を動かすのは、こういう政策だと思うのです。
しかし、本当に庶民の心をつかむ政策であればあるほど、ヘタレ野党はビビって採用しません。
おそらく「また政権とっちゃったら困っちゃう」と思ってるんじゃないでしょうか。
口では「安倍政権打倒」なんて言ってますけど。

それでもなんとか、この政策に少しでも近づけた野党共通政策をこしらえて、統一名簿までもっていかなければ、ダブル選をやられたら、「安倍政権永続化計画」の完成です。

野党、30の1人区で統一候補 参院選構図ほぼ固まる
2019/5/29 日経新聞


やっとこんなこと言っていますが、一人区だけじゃ勝てないんです。
候補者調整だけで、実態はバラバラでは勝てないんです。

「年貢半減!」で 統一名簿

これしかありません



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