トランプにいたぶられる安倍晋三
"We have excess corn in various parts of our country with our farmers because China did not do what they said they were going to do. And Prime Minister @AbeShinzo, on behalf of Japan, they're going to be buying all of that corn." — President @realDonaldTrump pic.twitter.com/cqRTDeKZLR
— The White House (@WhiteHouse) August 25, 2019
この中のトランプの発言をgoogle翻訳(一部訂正)すると
「中国は彼らが約束したことをしなかったので、私たちは農民とともに私たちの国の様々な部分に過剰なトウモロコシを持っています。そして、安倍晋三首相は、日本を代表して、そのトウモロコシをすべて購入することになります。」
普通、こんな言い方しますか?
「中国が買ってくれなくて余っちゃったから、安倍首相が全部買うことになったよ」 というのが真実だとしても、一応安倍さんの顔を立てるために、「日本のトウモロコシが虫害にあったので」とかなんとか、口裏をあわせるでしょう。
ところがトランプは、安倍晋三に対してはことさらに、マウンティングしているところを露悪的に誇示します。
余ったトウモロコシの件も、自分で舞台裏を暴露しただけじゃ気が済まなくて、安倍首相の発言が終わってから 「トウモロコシのことも言いたいんじゃないの?」ともちかけ、安倍の口からも無理やり言わせるのです。
今回のトランプの言い分を一方的に飲んだ貿易交渉についても、トランプは5月の時点でこっそり約束したことをわざと暴露してしまいました。
Great progress being made in our Trade Negotiations with Japan. Agriculture and beef heavily in play. Much will wait until after their July elections where I anticipate big numbers!
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) May 26, 2019
これもgoogle翻訳すると
「日本との貿易交渉で大きな進展があります。農業と牛肉が大きく関わっています。 7月の選挙の後、私は大きな数字を予想しています。」
これは安倍晋三はじめ、関わった日本の官僚たちは こんな状態だったに違いありません。

そういえば、2年前のこの事件の時も、トランプは気が付かなかったと言うことになっていますが、この距離で気が付かないってことありますかねえ。安倍ちゃんだって、「うわあ」とか叫んだだろうし。

バンカーでひっくり返っているのがわれらが安倍首相で、左下のグレーのセーターがトランプです。
転ぶのは仕方ないですけど、トランプのガン無視はわざと放置したような気がするんですよね。
■
ことほど左様に、安倍首相に対する強烈なマウンティングを誇示するトランプの狙いは何なのでしょうか。
やはり、アメリカ国民の目線を想像する必要がありそうです。
一般のアメリカ国民にとっての日本は

こういうことなんじゃないでしょうか。
高校のロゴに原爆のキノコ雲。これ以上のマウンティングはありません。
アメリカ国民がみんな日本人が嫌いという意味じゃなくて、国対国の支配関係という意味で、意識する以前の前提になっているような気がします。
じゃなきゃ、大虐殺のキノコ雲をシンボルマークにしませんよね。
原爆2発も落とされて十数万人が虐殺されたのに、最高責任者だった天皇が「原爆は仕方なかった」と言っちゃうのが、日米関係の根本なんです。
その関係を、これでもかと見せつけて、アメリカ国民の溜飲を下げようというのが、トランプの狙いその1でしょう。
■
その2は、トランプが国内の権力をほぼ掌握したので、安倍晋三がジャマになってきた ということです。
トランプも、大統領になりたての頃は、すり寄ってくる安倍晋三は頼りになる存在だったでしょう。
世界のトップの中で、トランプ派は安倍首相だけだったのですから。
トランプが大統領に当選した瞬間に、まだ海のものとも山のものともわからない段階で、それまでのジャパンハンドラーズからトランプに乗り換えた安倍官邸の判断は、正直すごいと思いました。
本来は野党がやらなければならないことを、真っ先にやってしまったのですから、やられたなあ、と当時は思ったものです。
でも、徐々に軍産との力関係を塗り替え、最終的にロシアゲートを払拭することで、トランプはほぼ国内の権力を動かせるようになりました。
そうなったら、キャンキャン寄ってくる安倍晋三など、必要ありません。ATMとして吸い尽くす意外に使い道がない。
そこで、どんなに屈辱的で大損の取引でもNOと言えないように、徹底的に仕込んでいるわけです。
安倍晋三という人間に、徹底して主従関係をたたき込んで、わずかでも歯向かう気をおこさせないように、精神的に完全に制圧しているのです。
その成果は・・・・・でてしまってますねえ。
巻き添いを食うのは、牛肉の関税を9%に下げられちゃう畜産業者はもちろん、ただでさえ増税でエラいことになりそうなのに、国内の富をチューチュー吸い上げられてどんどん不況になっていく日本中の人たちです。
私だって、こんな乾いたブログを書いてますけど、ホンマに不安で仕方ありません。
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その3は、にもかかわらず安倍が勝手に始めてしまった、韓国との対立への怒りです。
安倍晋三は、韓国がGSOMIAを破棄したら、トランプが文在寅を叱ってくれると信じていたはずです。
ところが、国務省や国防省は一応批判をするものの、肝心のトランプは「何が起こるか見てみよう」と言うだけ。
私が思うに、トランプさんはお怒りですね。
でも商売人だから、取るモノを取るまでは、それをチラチラ見せながら、「言うこと聞かないとわかってるだろうな」と交渉する。
で、ガッチリ儲けたら、おもむろに怒りを解き放つでしょう。
GSOMIAの破棄については、たぶん文在寅とトランプは合意済みでしょう。
米政権の中の既存勢力(反トランプ)は文在寅を責めますが、トランプは朝鮮戦争を終結させて在韓米軍を撤収するのが最終目標ですから、GSOMIAなんて要らないわけです。
要らないのですが、よりによって日韓対立のまっただ中で破棄というのは、最悪のシチュエーションです。
金正恩に対する交渉ネタにして、恩着せがましく破棄したかったのに、なんでこんなもったいない!といのがトランプの本音だと思います。
そして、こんなことになってしまった張本人は、訳のわからない理由でホワイト国外しなどやらかした安倍晋三なわけです。
取るモノを取ってワシントンに帰ったトランプは、さてどうしてくれようかと思案中でしょう。
貿易条件を再度つり上げてくるか、別口の巨額投資を要求してくるか。
あるいは、北朝鮮との交渉が一気に進む場合には、安倍ちゃんは詰め腹切らされるという可能性もあるやもしれません。

いずれにしても、GSOMIA破棄は、なにか大きな動きにつながっていくような気がします。


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