2022-09-01(Thu)

秘書のおつとめは一段落

今年1月から務めてきた、国会議員秘書の仕事は7月いっぱいで一段落、公設秘書からは外れることになった。
クビ になったわけではなくて、そろそろ建築設計にもどらなくては、仕事のやり方を忘れてしまいそうなので、お願いして辞めさせてもらった。

公設第1秘書は、普通は国会議員会館に詰めて議員活動の補佐をするものだけれども、私の場合はずっと大阪に貼り付きで、秘書と言うより事務局長という立場で議員の留守を守ってきた。
留守とは言っても、この7ヶ月間はシュトルム・ウント・ドラング、怒濤の日々だった。

候補者が議員になったので、駅近の少し大きな事務所に引っ越しをすることから始まって、混乱を極める事務処理を整理する間もなく、3月からカジノ住民投票署名が始まった。
始めは半信半疑で片足を突っ込んでいた署名の準備会だったが、突っ走る市民の熱気にあてられて本腰をいれることに。
しかも、山本太郎が「やろうぜ」と言って週末毎に大阪にやってくることになったので、大阪勢も否応なく総力戦に。
私個人としては、カジノを止めたい思いもさることながら、これが成立すれば維新に対する強烈なボディブローになるという確信があり、フラフラになりながらも走り続けた。
ロジの部分だけしっかり押さえて、実行部隊はボランティアにがんばってもらおうと思っていたが、そうばかりも言っておられず、平日はロジ、週末は署名現場という2ヶ月間、そろそろ老境にさしかかる私の脆弱な体力は限界に迫ってきた。

やっていて実感したのは、まぎれもなく市民が引っ張った運動だったと言うこと。
初めから政党として組織決定で運動にとりくんだのはれいわ新選組だけで、社民や無所属市民派の議員など、個人単位での取り組みがあるだけだった。それが中盤以降、乗り遅れてはなるまじと共産、立憲、自民も議員や地区組織単位でぞくぞくと取り組み初め、終盤の追い上げにつながった。
これは、市民が決意を固めて、しっかりと準備を整え、確認を持って突っ走れば、あやふやな政党は後から着いてくる、ということの実証だった。

私もたいがい疲労困憊だったが、私より1~2歳上の住民投票所名を求める会の事務局長は、それこそ不眠不休に近い奮闘をしていた。よく生きてるなと感心したほど。
各地での街頭署名などの予定が求める会のHPに毎日更新されるのを、私はれいわボランティア向けの掲示板に転記していたのだが、その量が日増しに増えて、しまいにコピペするだけでも一苦労に。

政治や市民運動に関わるのはれいわ新選組が初めてという人たちにとっては、今回の署名運動は「外海(そとうみ)」に出る機会になったかもしれない。
れいわボランティアだけの内輪ではなく、さまざまな運動経験をしてこられた方とコラボすることで、これまでの「山本太郎 ↔ ボランティア」という一極の関係から、それぞれ自立して動き出すきっかけになったのではないかと思う。

(署名運動の成果やその後の経過、そして参院選についてもつらつら書いたのだが、なんと消えてしまった! 書き直す気力と時間がないので、幻の原稿にしてそろそろ締めくくろう)

一点だけ、現在観光庁の「特定複合観光施設区域整備計画審査委員会」なるところで、大阪府の計画案を審議している。その委員は以下の通りだが、審査内容も、いつ委員会を開いたのかも公表されていない。
委員長 竹内 健蔵 東京女子大学現代教養学部教授
委員長代理 山内 弘隆 武蔵野大学経営学部特任教授(一橋大学名誉教授)
委員 朝岡 大輔 明治大学商学部准教授(京都大学経営管理大学院客員准教授)
委員 大橋 弘 東京大学大学院経済学研究科教授
委員 河島 伸子 同志社大学経済学部教授
委員 樋口 進 国立病院機構久里浜医療センター院長
委員 古谷 誠章 早稲田大学理工学術院教授
委員 矢ヶ崎 紀子 東京女子大学現代教養学部教授

新自由主義的な学者や、元電通や元観光庁や、なかなか焦臭い顔ぶれだ。
せめて、全国民にさらして、衆人環視なのだという自覚は持ってもらおう。

カジノ住民投票署名が5月25日まで、それとラップして参院選の準備と本番。あれやこれやでヨレヨレになって7月が終わり、あれこれの引き継ぎもようやく片がつき、とりあえずのお役御免となった。
議員事務所には名目上は顧問という形で足の指一本残すけれども、本業は建築家へ復帰する。
短い公務員生活が終わったので、また月末の焦燥との闘いでもある。
それでもやはり、建築設計は楽しい。自分の判断でものを決める感覚は、その判断がちっぽけなものであったとしても、代えがたいものがある。
17年間、何度も廃業の危機に瀕しながらもこの仕事を続けている所以である。

建築も政治も、楽しさをかみしめながら、もう一度味わっていこう。




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