2023-05-30(Tue)

6月解散、7月総選挙はあるか

■ 岸田文雄の行動原理

岸田文雄という人を観察していると、アホなふりをしてかなりデキルヤツだという気がする。
デキルというのは、もちろん良い意味ではなく、手強いということ。

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かつて、安倍晋三の「禅譲」を信じて服従したあげくに裏切られたことへの、恨みと反省が彼の行動の原動力になっている、と私は見ている。
国民の生活とか安全は度外視で、とにかく安倍派を抑えて権力基盤を固めることしか頭にない。
そのためなら、ハト派とかタカ派とかどうでもよくて、武器になる物はなんでも手にしようとしている。

何か一つの方向に一辺倒になることはなく、交渉のエサを手にしたら、どっちにでも転べるように周到に準備している。
安倍派は外務省や財務省を蔑ろにして、経産省や警察庁を頼りにした。自民党の旧来の支持基盤も大事にせず、統一教会、日本会議、創価学会などの宗教票に寄りかかった。

ところが、岸田は八方美人だ。
原発使い放題で経産省にすり寄り、防衛費倍増で防衛省にすり寄り、増税で財務省にすり寄り、権力機構にはあまねくエサをまいて飼い慣らそうとしている。
ちなみに警察庁は安倍と岸田の襲撃事件で、エサを与えずとも官邸にはまったく頭が上がらないはずだ。
(私は安倍暗殺の黒幕は岸田ではないかと、ニュースを聞いた瞬間に思ったが、今でも疑っている)

対外政策でもそうだ。
明確な対米従属にみえながら、この間お土産はまだ画餅の段階の防衛費倍増くらいのもので、保有している米国債も岸田政権になってからジリジリと減らしている。
直接の原因は円安対策だろうけど、中国がどんどん米国債の保有を減らして言っている近年、日本が買い支えないとドルは本当に崩壊してしまう。

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対ロシアも、岸田は完全に二枚舌である。
表向きはゼレンスキーをG7に招待して、NATOの東京事務所など作らせ、ロシアと対決しているかに見せつつ、実際はロシア経済分野協力担当大臣は頑として廃止せず、サハリン2などの投資も続けている。


直近ではこんなニュースも


こうしてみてくると、ある人物に似ているなあ、と感じる。
ドナルド・トランプである。

イデオロギーではなく、ディールで動く。
すべてはそのために準備される。
ただ、トランプの場合は「アメリカファースト」のためのディールだったが、岸田の場合はもっと小さくて、「自分の権力基盤」のためというのが、あまりにも情けない。

岸田文雄の行動原理をこのように見てみると、今起きていることがだいたい腑に落ちるのである。

■ 解散はあるか

では、そんな岸田は解散総選挙で、一気に権力基盤を固めようとしているのだろうか。
私の見立てでは、まだやらない、と思う。

<理由1>
これだけ準備した武器を、使う前に勝負に出るわけがない。
対外的には目立つ成果を上げ、対内的には安倍派の首根っこを確実に押さえる。
この二つをやりきる前に、解散総選挙という水物の勝負に出たのでは、何のためにこれまで準備したのか分からない

<理由2>
東京での公明党との角逐である。
報道では「大阪で維新に議席を奪われる公明が、東京28区での擁立をゴリ押しした」ことがことの発端とか言われているが、実際は萩生田のゴリ押しが原因のようだ。


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官邸が本気で調整する気ならば、できないことはなかっただろう。なにせ、学会票を失うかどうかの瀬戸際なのだから。
しかし、あえて萩生田の暴走を放置し、責任を全部押しつけて大騒ぎにしてしまったのは、(宏池会の)茂木幹事長である。
当然、岸田の意を受けてのことだろう。

これで東京で自公が分裂すると、東京だけでも自民の現職が7人ほど落選するかもと言われている。


岸田はこうやって安倍派のリーダー候補である萩生田の権力を削り取っている。
ただし、本当に学会票無しで、大負けしては自分自身の責任も問われるので、こんな状態で解散総選挙することはまずない。
党内で萩生田への批判が行き渡ってから、公明とは何らかの落とし所を見付けるだろう。

公明も、実は本気で自民とは喧嘩できない事情がある。


後藤組は、本山の墓石、墓苑の土地問題におけるいざこざを収めるボディーガードの役割を果たしていたのです。しかし、後藤組と本山、そして創価学会の間が近すぎたために問題が起こります。それを収めるために、公明党の都議会議員を異例に長く務めた藤井富雄と、後藤組組長の後藤忠政が密会した現場を映したビデオテープがあるというのです。これを嗅ぎつけたのは、自民党の亀井静香だといわれています。そして、亀井、野中の間で密会ビデオの存在が明らかになってから、公明党は一も二もなく自民党の軍門に下ったというわけです。
(引用以上)

いくら30年前のことでも、武闘派後藤組との密会映像は、ただでさえ退潮傾向の公明党・創価学会には大打撃となる。
持ちつ持たれつとは言いながら、根っこの部分は公明党が屈服しているのだ。
である以上、こんな便利な道具を、ディーラー岸田が手放すことはないだろう。

解散はないと考える<理由3>
息子をしばらく更迭しなかった。
安倍派との闘いにおいて、岸田の味方は限られているはずだ。官邸の中にも、安倍派の耳目は密に埋め込まれている。
その中で、身内の存在は貴重だったからこそ、少々アホでも側に置いていたのだろうが、もし、直近に解散を考えているのであれば、あのようなマイナス要素は速攻でぶった切ったはずだ。

時間的に余裕があるから、しばらく待てば沈静化すると高をくくっていたのだろう。
(まあ、他のことに比べたら、たしかに大した話ではないし)
土日を挟んで、急に更迭となったのは、たぶん翔太郎のほうが耐えられなくなって「パパ辞めさせて」と泣きついたのではないだろうか。

と思っていたら、やっぱりそうみたいだ。

「公邸で忘年会」の岸田翔太郎秘書官、心が折れて自ら「もう辞める!」母も“悪ノリ撮影”かばい切れず
2023年5月29日 FLASH

そんなわけで、私は6月会期末解散→7月総選挙は、たぶんない と見ている。
(外れたらゴメン)

とは言え、ここ大阪では維新が公明を切って、これまで自民も公明も候補を出さずに公明だけが立候補し当選してきた4つの選挙区にも、候補者を立てると言っている。
どこまで本気なのかまだ分からないが、私が今これを書いている東淀川区(大阪5区)もその一つであり、関心を持たないわけに行かないので、次回は大阪の状況を観察してみたい。


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