2006-10-13(Fri)
核実験と人民元問題の補足
先日の,「核実験問題の本質は,人民元の切り上げではないか」について,なかなかわかりにくいので,補足する。
※ちなみに,当初「切り下げ」と書いたのは大間違い。「切り上げ」です。
まず,アメリカが双子の赤字でどうしようもないところまで追い込まれているのは,周知のこととして詳細は省く。
世界をドル圏として維持するために,大量の輸入をし,支払った金をアメリカ国債という形で再度かき集め,またそれで大量の輸入をし,またその支払いを国債という形で・・・・
そういう地獄の連鎖を続けているわけだ。
純経済的には,ドルを安くして,輸入よりも輸出が強くなるようにすれば良いわけだが,そうすると,世界経済の覇権を失う。
イラクが攻め込まれたのは,ユーロ建てで石油を売ろうとしたからだという話もあるくらいだ。
もちろん,すでに発行したアメリカ国債を所有させられている国は,大損をすることになる。当然,アメリカへの資金提供はストップする。
アメリカ経済の崩壊である。
かと言って,今のままの地獄のスパイラルを続けていれば,借金は膨らむばかりで,誰の目にも返済不能が明らかとなる。
このジレンマに,アメリカはもがき苦しんでいる。
ではどうするか。
ドルを徐々に安くしつつ,損をする国に損を承知で資金提供を続けさせ,なおかつ他国の通貨を基軸通貨にすることはさせない。
こんな,経済的にめちゃくちゃな御都合主義を貫こうと思えば,軍事で解決するしかない。
国債保有国には損をしても売るなと脅しつけ,相対的に強くなるユーロや人民元には,軍事とのバーターで覇権を持たせない。
ユーロの場合の典型例が,先ほどもあげたイラク戦争。
そして,人民元の場合の典型例が,今論じている北朝鮮だ。
単純に人民元を切り上げた場合,アメリカ経済は資金が細って打撃を受けるばかりか,中国は人民元を国際通貨として押し出してくるだろう。
だから,切り上げ要求をするアメリカは,軍事的に縛りをかけてから大幅な切り上げをさせると,私は考えているわけだ。
そして,もう一つ大事なことは,この場合の「軍事」を直接担うのは,日本だ,ということ。アメリカには,北朝鮮まで戦線を拡大する余裕は無いはず。安倍晋三がブッシュの名代となって乗り込むことになるのは,まず間違いない。
そういうわけで,「核実験問題の本質は,人民元の切り上げではないか」という問題的をしたのである。
私のような経済音痴が,なぜこんなことを思いついたのか。参考にしたわかりやすい記事を紹介する。
離れたくても離れられない中国とドルの関係
「人民元の上昇が続くことは、中国政府が保有する巨額のドル資産が、人民元建てでみて目減りすることを意味します。中国は外貨準備の構成を公表していませんが、銀行関係者などは、中国の外貨準備高の3分の2以上が、米国債を中心とするドル建て資産に投資されていると推定しています。仮にこの推察が正しいとし、人民元がドルに対して今と同じ2%程度のペースで上昇すると、中国政府が保有する外貨準備(約1兆ドル)の3分の2の2%にあたる60億ドル(約7,200億円)程度を中国政府は失うことになります。」
中国人民元がドルを抜く日(2004年10月12日 田中宇)
「米経済の現実はかなり厳しい。財政赤字もこれ以上増やせない状態に近づいており、次期大統領候補はブッシュもケリーも「財政赤字を半減させる」と約束している。不動産バブルが崩壊するのではないかといった懸念も増しており、バブル崩壊が起きれば米国民の消費は一気に縮小する。」
「中国は、日本とは逆に、まさに覇権の拡大を国家目標としている。人民元が強くなったら、それを国際政治上の強さとして生かそうとするに違いない。中国との貿易においては、人民元での決済が要求されるようになるだろう。イギリスの通貨専門家であるアビナッシュ・パーサウド教授(Avinash Persaud)は「今後20年で、中国の経済規模はアメリカを抜き、ドルに代わって人民元が国際的な備蓄通貨(基軸通貨)になるだろう」と予測している。」
※ちなみに,当初「切り下げ」と書いたのは大間違い。「切り上げ」です。
まず,アメリカが双子の赤字でどうしようもないところまで追い込まれているのは,周知のこととして詳細は省く。
世界をドル圏として維持するために,大量の輸入をし,支払った金をアメリカ国債という形で再度かき集め,またそれで大量の輸入をし,またその支払いを国債という形で・・・・
そういう地獄の連鎖を続けているわけだ。
純経済的には,ドルを安くして,輸入よりも輸出が強くなるようにすれば良いわけだが,そうすると,世界経済の覇権を失う。
イラクが攻め込まれたのは,ユーロ建てで石油を売ろうとしたからだという話もあるくらいだ。
もちろん,すでに発行したアメリカ国債を所有させられている国は,大損をすることになる。当然,アメリカへの資金提供はストップする。
アメリカ経済の崩壊である。
かと言って,今のままの地獄のスパイラルを続けていれば,借金は膨らむばかりで,誰の目にも返済不能が明らかとなる。
このジレンマに,アメリカはもがき苦しんでいる。
ではどうするか。
ドルを徐々に安くしつつ,損をする国に損を承知で資金提供を続けさせ,なおかつ他国の通貨を基軸通貨にすることはさせない。
こんな,経済的にめちゃくちゃな御都合主義を貫こうと思えば,軍事で解決するしかない。
国債保有国には損をしても売るなと脅しつけ,相対的に強くなるユーロや人民元には,軍事とのバーターで覇権を持たせない。
ユーロの場合の典型例が,先ほどもあげたイラク戦争。
そして,人民元の場合の典型例が,今論じている北朝鮮だ。
単純に人民元を切り上げた場合,アメリカ経済は資金が細って打撃を受けるばかりか,中国は人民元を国際通貨として押し出してくるだろう。
だから,切り上げ要求をするアメリカは,軍事的に縛りをかけてから大幅な切り上げをさせると,私は考えているわけだ。
そして,もう一つ大事なことは,この場合の「軍事」を直接担うのは,日本だ,ということ。アメリカには,北朝鮮まで戦線を拡大する余裕は無いはず。安倍晋三がブッシュの名代となって乗り込むことになるのは,まず間違いない。
そういうわけで,「核実験問題の本質は,人民元の切り上げではないか」という問題的をしたのである。
私のような経済音痴が,なぜこんなことを思いついたのか。参考にしたわかりやすい記事を紹介する。
離れたくても離れられない中国とドルの関係
「人民元の上昇が続くことは、中国政府が保有する巨額のドル資産が、人民元建てでみて目減りすることを意味します。中国は外貨準備の構成を公表していませんが、銀行関係者などは、中国の外貨準備高の3分の2以上が、米国債を中心とするドル建て資産に投資されていると推定しています。仮にこの推察が正しいとし、人民元がドルに対して今と同じ2%程度のペースで上昇すると、中国政府が保有する外貨準備(約1兆ドル)の3分の2の2%にあたる60億ドル(約7,200億円)程度を中国政府は失うことになります。」
中国人民元がドルを抜く日(2004年10月12日 田中宇)
「米経済の現実はかなり厳しい。財政赤字もこれ以上増やせない状態に近づいており、次期大統領候補はブッシュもケリーも「財政赤字を半減させる」と約束している。不動産バブルが崩壊するのではないかといった懸念も増しており、バブル崩壊が起きれば米国民の消費は一気に縮小する。」
「中国は、日本とは逆に、まさに覇権の拡大を国家目標としている。人民元が強くなったら、それを国際政治上の強さとして生かそうとするに違いない。中国との貿易においては、人民元での決済が要求されるようになるだろう。イギリスの通貨専門家であるアビナッシュ・パーサウド教授(Avinash Persaud)は「今後20年で、中国の経済規模はアメリカを抜き、ドルに代わって人民元が国際的な備蓄通貨(基軸通貨)になるだろう」と予測している。」
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