2006-10-14(Sat)

現場から見た「死刑」

昨年05年の死刑確定は11人,うち無罪を主張しているのが5人(部分的な無罪を含む)
今年06年は,10ヶ月半で13人。うち無罪を主張する人が6人。こちらも部分的な無罪を含む。

死刑執行自体は,前法相が署名拒否したので約1年間行われていない。05年9月に大阪拘置所で執行されたのが最後だそうである。
http://www.geocities.jp/hyouhakudanna/cplist.htmlより)

なんでこんなことを調べ始めたかというと,衝撃的な本を読んでしまったからだ。実を言うと,ショックが大きすぎて,まだ最後まで読み切っていない。

「死刑執行人の苦悩」大塚公子 角川文庫

死刑というものが執行されるときは,誰かが死刑囚を殺すのである。そのことが,濃密にレポートされている。直接手を下した,もと刑務官の証言を通して,そのリアリティーが伝わってくる。

死刑判決を下した裁判官も,求刑した検事も,ましてや外野から死刑だ死刑だと騒ぎ立てるマスコミや評論屋どもも,(世に倦む何とかも)執行に立ち会えばいい。それができないのならば,軽々しく,死刑だ執行だと口にするべきではない。切にそう思った。

もちろん,光市事件を持ち出すまでもなく,被害者家族はそのリアリティを受け入れるかもしれない。しかし,それに対して,明確な意見を述べている人がいる。なんと亀井静香だ

被害者の報復感情を満足させるという考えは大昔からあります。人間ですから。しかし、報復感情を個人としてもっているということと、国家としてそれを認めるということは別の問題です。私たちは、国家が否応なしに、被害者に代わって報復するということと決別すべきです。

確かに昔から日本には、「忠臣蔵」や「曾我兄弟」などを讃えるメンタリティがあります。しかし、彼らは時の国家権力を使って仇討ちをしたわけではなく、自分たちでやったのです。もちろんそれは、仇討ちがいいという意味ではありません。仇討ちと、国家権力がだれかを殺すというのはメンタルな面で別だということです。(中略)

私は基本的に、人間のいのちや自然環境というものを大事にする社会でないと、それは健全な社会ではないと思うのです。国家権力が死刑囚を抵抗できない状態にして――言葉は悪いですが――絞め殺すなんてことは、あってはならないと思います。

kamei.jpg

亀井静香が「死刑廃止を推進する議員連盟会長」だったとは,恥ずかしながらついさっきまで知らなかった。警察の実体を誰よりも知る亀井ならではの説得力がある。

なかでも,えん罪が生まれてくる現場の話に続く,次の言葉は良い。長いけれども引用する。

人によっては、そんなことはほんの何万分の一の確率だから、社会防衛上しかたがないなどと言いますが、無実で処刑される人にとっては、何万分の一じゃなく100パーセントの話なのです。そういうことを同じ人間がやっていいなんて、ゆるされるべきことではありません。

そんな「何万分の一だから、社会防衛のためだから、いいじゃないか」というような感覚は、今、世の中を覆っている「自分さえよければいい」ということと共通する面があると思います。自分が安全であるために一つのリスクはやむをえないというような感覚です。

昨今は「痛みを分かち合う」などと簡単に言います。自分の会社だけ生き残って同業者がつぶれれば受注数が増えるなど、それを構造改革だなどと言っていますが、そういう今の風潮と共通するところがあります。

しかし、それは違うと思います。他の犠牲で自分が幸せになるとか、安全だなどという考えが世の中を覆っていったら、この世の地獄が来ることは明らかです。


公安警察の中枢を歩き,よからぬ話も多く聞く亀井静香ではあるが,これはなかなかと,少々見直してしまった。

安倍晋三内閣の長勢法相は,死刑執行署名を言明している。これは,NSCやCIAの創設や,共謀罪などの動きとともに,暗黒社会への動きを加速してゆく。
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