2006-11-23(Thu)

日本版NSC(国家安全保障会議)の恐ろしさ

小池百合子が主導して進めている日本版NSC(国家安全保障会議)が,いよいよ具体化しつつある。

日本版NSC、有識者会議が初会合(日経)

本家,アメリカのNSCがどんなところかと言うのがよく分かる本がある。

「戦争バカ」アメリカの狂気 マイケル コジマ ぶんか社

NSCの情報機関であるCIAの工作員であった,コジマ氏のレポート。イラン・コントラ事件などに関わっている。NSCというのが,完全に非合法組織であることがよくわかる。

と同時に,こんなNSCを作ろうという安倍晋三の正体がわかる。

日本版NSCについては,東京新聞が,これ以上ないくらい良い記事を書いている。必読。


日本版NSC 究極の狙いは
 教育基本法改正に続く安倍政権の改革の目玉ともいえるのが米国のホワイトハウスを見習った日本版国家安全保障会議(NSC)の創設。その枠組みを論議する「国家安全保障に関する官邸機能強化会議」(議長・安倍首相)が二十二日、あわただしく発足した。近い将来にNSCが誕生すれば、安倍首相はかねての宣言通りに「集団的自衛権行使」の研究を本格的に始めるとの見方が強い。また、この国の大きな曲がり角がやってくる。
 「将来のわが国のあるべき姿を見据え、ふさわしい外交と安全保障について集中的に議論していただきたい」-。「日本版NSC」の行方を左右する有識者会議初会合で行われた議長あいさつは、小池百合子首相補佐官による代読だった。

 議長の安倍首相も塩崎恭久官房長官も参院の教育基本法改正案審議の真っ最中で、会場の首相官邸に向かうこともできなかった。急に日程が決まったこともあって岡崎久彦、小川和久、森本敏、柳井俊二の四氏も欠席する船出となった。

 会合は非公開で約一時間半開催。終了後、記者団に囲まれた小池補佐官はメモを見ながら「総じて外交、安保について総合的に検討する場が必要で、情報の収集、分析機能を強化すべきというお話を伺った」と説明。そのうえで、自ら集団的自衛権の話題を切り出し、「扱いをどうするかは(協議の)内容になる。この会議は、まず(協議の)仕組みや機能を中心に結論を出すところ」と予防線を張った。「当面議論しないということか」とたたみかけられたが、「新しくできる会議で、もっと機敏に、包括的に決める」と硬い表情で答えた。

 他の議員は「小池さんと石原さんに聞いて」と言って足早に立ち去ったが、北岡伸一氏は「結構面白かったですよ。議論は何でもした方がいい」。座長を務めた石原信雄氏も「大変安全保障に詳しいメンバーがそろってるので、時間内に収めるのに苦労した」と話しており、かなり突っ込んだ意見も出たようだ。

 安倍首相は小池補佐官に託したあいさつの中で、議論の期限を「二月末」と設定。議員には「大変な作業」という声もあったという。小池補佐官は「スピード感を持って、総合的に機能する案にしたい。議員のみなさんは各国の例などは既にご存じ。そういったことに時間を割くより、議論を重ねて方向性を定めたい」と話した。今後の会合は二週間に一回のペースで予定されており、議論は駆け足で進んでいきそうだ。

 安倍首相がモデルとする米国版NSCは、米政府の安全保障政策を決める最高レベルの会議。大統領、副大統領、国務長官、国防長官らで構成。さらに二百人を超える専従職員を抱え集中的に情報を収集・分析するが、権限は時の政権によって変わる。二〇〇一年の中枢同時テロ後、ブッシュ政権はテロ対策機能を強化した。

■日米安保体制を双務的な方向へ

 安倍首相は総裁選を控えた今年八月、米NSCに近い組織をつくる意向を表明。九月の所信表明でも「官邸の司令塔機能を再編、強化し、情報収集機能を向上」「総理官邸とホワイトハウスが常に意思疎通できる枠組みをつくる」と打ち出した。背景には、米国が日本を守る日米安保体制を、両国の双務的な関係に変えたいという願望があるといわれる。

 ただ、大統領の意向を反映する政策を立案する米NSCは、議院内閣制で、少数のスタッフしかいない日本の安全保障会議と異なる点も多い。これまで政策立案を担ってきた中央省庁がすんなり権限を明け渡すかという疑問もある。首相周辺では、同じ議院内閣制をとる英国の合同情報委員会(JIC)を目指すべきだという意見も出ている。

 日本版NSCの狙いについて、「集団的自衛権の行使を官邸主導で二年以内に解禁することだ」と言い切るのは、軍事評論家の神浦元彰氏だ。

 「ブッシュ米大統領は任期が残り二年。安倍首相は次期大統領と良好な関係を築くことで長期政権を担い、任期中に憲法改正をしようと考えている。次期大統領へのプレゼントが集団的自衛権行使の解禁なんです。小泉前首相がインド洋やイラクに自衛隊を派遣してブッシュ大統領と蜜月関係を築いたのと同じだ」

 「安倍晋三の人脈」(グラフ社)の著書があるジャーナリスト水島愛一朗氏も「集団的自衛権の行使容認を国民から求めるような流れをつくるための、最初の一歩だ」と首相の意図を解説する。

 「安倍政権は世論の支持でできた政権だ。いきなり集団的自衛権の行使というテーマを会議の前面に出しては国民世論がついてこない。この会議は、まず国民に国家安全保障に関心を持ってもらう狙いがある。北朝鮮の核開発問題が緊迫し、国民に安全保障について考える環境も整っている。その意味では首相のバランス感覚があらわれている」

 集団的自衛権とは、日本と密接な関係にある国が第三国に攻撃された場合、日本が直接攻撃されていないのに反撃する権利のことだ。これは国連憲章にも加盟国に認められた権利として規定されている。

■「権利有するが行使せぬ」解釈

 ただ、日本政府はこれまで、日本が直接攻撃された場合に反撃する個別的自衛権の行使しか認められず、集団的自衛権は権利としては有しているが、行使はできないという憲法解釈をとってきた。

 首相は九月二十九日の所信表明演説で「日米同盟がより効果的に機能し、平和が維持されるようにするため、いかなる場合が憲法で禁止されている集団的自衛権の行使に該当するのか、よく研究していく」と個別具体的な例を詳しく検討していく考えを示している。

 首相が想定しているのは(1)朝鮮半島有事の場合、日本海に展開している米艦船が第三国から攻撃された場合、自衛隊は米艦船を助けることはできないのか(2)第三国から米国に向けて発射された弾道ミサイルを日本のミサイル防衛(MD)で撃ち落とすことはできるか-といった論点だ。いずれもこれまでの政府の憲法解釈では、集団的自衛権の行使に当たる可能性があるとされてきた。

 首相がこうした考えを実現するために、なぜ官邸主導が必要なのか。神浦氏は「防衛庁主導で集団的自衛権行使の解禁を議論すれば、自衛隊の権限強化にアレルギーのある外務省、警察庁は猛烈に抵抗する。そもそも防衛庁・自衛隊には、集団的自衛権の行使には抑制的な考えが意外に強く、積極的に議論に参加しない。だから、官邸が音頭をとっている」と説明する。

 では、日本版NSCは集団的自衛権の行使に道を開くことはできるのか。神浦氏は「国民の間には、集団的自衛権の行使を認めれば、アジアや中東で米国と一緒に戦争をすることになるのではないかという不安があり、憲法改正論議の焦点にもなっている。それを改憲の前にやってしまおうという話で、野党も攻めやすい。非常に難しいだろう」と予測する。

 前出の水島氏はこうみる。「首相の政治家としての基軸は日米安保にある。それは祖父、岸信介元首相の遺産でもある。首相が北朝鮮に圧力を強めている以上、米朝の武力衝突という最悪の事態も想定している。その場合には日米同盟を重視して、集団的自衛権の行使を決断するだろう。その決断ができるかどうかは、この議論を国民の支持を得ながら進められるかどうかにかかっている」

◇有識者会議メンバー

 国家安全保障に関する官邸機能強化会議のメンバーは次の通り。

 安倍晋三首相(議長)▽塩崎恭久官房長官▽小池百合子首相補佐官▽相原宏徳元三菱商事副社長▽石原信雄元官房副長官▽岡崎久彦元駐タイ大使▽小川和久軍事アナリスト▽北岡伸一東大教授▽佐々淳行元内閣安全保障室長▽佐藤謙元防衛事務次官▽塩川正十郎元官房長官▽先崎一前統合幕僚長▽森本敏拓殖大教授▽柳井俊二前駐米大使

<デスクメモ> 七〇年安保反対闘争のころ、記者は中学生だった。当時、はやっていたフォークソングを思い出す。「死んで神様と言われるよりも、生きてバカだと言われましょうよね」「あおくなって 尻込みなさい 逃げなさい 隠れなさい」。反戦歌もすっかり聞かないと思ったら、えらく遠いところまで流されていた。(充)

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 この流れを止めるためには?その勢力になりえるのは?アメリカでも同じような事がまた起きています。止めなければと思うのはみな同じはずなのに止まらない「囚人のジレンマ」に陥ってるように思えるのですが。
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