2007-01-20(Sat)

平和教育をすら非難するものたち その2

数日前にの記事で紹介した,保育園の父母会の話,後日談。

「父母会の要望書」に「園児に戦争を理解させるのは無理で,恐怖感を与えるばかりだから再考せよ」というような内容があった件である。

その後,ネット上でこのような主張があるか探してみると,まず出てくるのが,極東ブログで2003年8月14日の読売新聞の社説が紹介されている。

要するに,今の日本の平和問題は拉致問題と北朝鮮の核だ という論理にもならない屁理屈で,戦争を語り継ぐことに難癖を付けようという,いかにも読売らしい社説だ。全文は阿修羅に残っている

さすがに,平和教育をするなという主張は,他にはあまり見あたらない。極東ブログですら,コメント欄に「平和教育を受けて良かった」という意見が多数寄せられている。

ただ,幼児の平和教育を実践している人たちのページでも,たしかにあまり小さいうちに強烈な映像などを見ると,かえって戦争の話に生理的に拒否反応を起こすようになることがある,という記述は多い。

だから,どういう教材を使って戦争のことを伝えるのか,ということはよく考えなくてはならないだろう。

しかし,子どもが怖がったから戦争の話をするな,では日本人の記憶から戦争は消え去ってしまい,そのときがまさに新しい戦争の幕開けかもしれないのだ。

戦争が怖いのは当たり前なのだから,子どもといえども少しぐらい怖がって当然だろう。逆に,ゲーム感覚で恐がりもせずに戦争のことを話す方が,よほど問題がある。

何人かの父母や保育士と話をしてみたが,やはり私の言うことも,そう的はずれではないという感触を得た。

平和教育を再考せよ,などというのは,統一教会なのかどうかは確証がないが,やはりごく少数の意見であるようだ。
関連記事

trackback


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

反軍兵士・反戦兵士

イラク戦争 従軍拒む日系現役将校 (東京新聞2月8日)米憲法を侵害  戦死者が三

ブログ子供ニュース「非武装」

「非武装」という言葉がある。辞書によれば戦闘のための装備をつけること一般社会で言われる”非武装”とは軍隊を持たないことに近いことが多い。警察が拳銃を持つことは武装ではないのだろうか。素朴な疑問はさておいて、

ケッ、蛸壺1 『経済気象台』H氏の貧困

鶏インフルエンザが日本でもかなり発症しているそうです。で、対策をセナあかん。 治療薬の備蓄? 隔離?≒鶏の放し飼いの禁止? 今朝の朝日新聞の経済面で、『経済気象台』H氏は言う。 インドネシアでは、鶏の放し飼いの禁止をした、と。 日本は空気洗浄技術が得意(

ワクチンの学割、家族割!?

年末になるまで暖冬ぎみだったせいか、私の住む県ではいまだインフルエンザは流行と

日本核武装によるアジア核戦争の恐怖-1

【1.北朝鮮の核実験と日本の大騒ぎ】 北朝鮮は、10月9日、地下核実験をした。これにより日本では、連日、日本が核攻撃されると大騒ぎした。この議論は見当違いもはなはだしい。 まず、この「核兵器」は日本を対象にしたものではない。北朝鮮の目的は「核兵器」という残酷

抹殺の現代2『ガリバー旅行記』の果て(本章)

副題 「車と路地」から見えてくること・・など。『ある喪失の経験』(藤田省三) 「いわいわブレーク」でもリンクしています「影への隠遁Blog 尾崎翠」に花田清輝氏を扱った文章が幾つかあります。 「2005.03.10 Thursday ガリヴァのトラウマをめぐるてんやわんや-笑う

抹殺の現代1 「ケミカル・ゥワー」の果て(序章)

2年目の扉は開かれたので、徹底的に(しかも「不射の射」で)マスコミを批判していきます。 もちろん悪質な(と僕が勝手に思う)ブログも含めて、そのうち・・。

自己のルーツである文化などを学び、享有する権利/『「ワーキング・プア」の現実』(週刊金曜日)/ひき逃げの日系人起訴/ブラジル検察、代理処罰へ

2007.1.21.01:50ころ こっそり謹慎部屋から抜け出して……。 ★ 玉

世界の飼育牛すべてがプリオンを持たないクローン牛に?

キリンビールの米国子会社・Hematech社や米国農務省農業研究局動物疾病研究所の研究者チームが、遺伝子組み換え技術とクローン技術を使って作り出したプリオン蛋白質を持たない牛が生後19ヵ月まで健康で、いかなる外見上の発達異常も認められなかったと発表した。 James

comment form

管理者にだけメッセージを送る

comment

平和主義者とはいえない立場から言うと、平和教育というもののスタンスは様々な視座があると思います。
例えば、国連中心とした世界平和主義もありますし、スイスのような重武装中立主義もあります。戦争について論じるつもりもありませんが、平和を希求する思いは同質だと思いますが、平和教育というにも齟齬が発生することが多いと思います。
例えば、非武装中立論などでしばしば例示される「コスタリカ」です。ブログ内でコメントを何度かしていますが、程度論にしてもコスタリカが非武装でもないし、中立でもないのに、非武装中立論として間違った模範例として提示されています。(詳しいことはTBで)平和教育のスタンスは様々です。平和を構築するために有事に備える、平和を確保するために防衛概念を育成することも、平和教育だと思います。
まったく暴力手段を持たないで平和が維持できるとも言い切れません。理想論としては暴力手法を否定したいのですが現実を直視してしまうと平和教育として個々のスタンスがあるとは思うのですが、そのスタンスの差異で自分が正しい平和教育だという人もいます。そういう多様性を認めない平和教育が存在していることも「平和教育」の理解の障害になっていることを理解してほしいと思います。
ちなみに、事後承諾で大変申し訳ないですが、リンクさせてもらいます

お久しぶりです。

どの記事も興味深いものばかりで、全部読む時間が無いのが残念です。大体、題名で想像はできますけど。例えば、
安倍晋三が招きよせるインフレの恐怖 (01/19)
強制連行を開き直る安倍政権と西松建設 01/17)
エライヤツほど無責任なのは皇軍の伝統 (12/22)
ブログの動向 (01/15)
こう4本のログを並べてみますと。御目出度い日本人も『もう黙ってられへん』という動きが着々と、伸びているのが分かりますね。
米民主党[一部共和党]も、中国共産党も『対話路線』を鮮明にしつつアリアンス。東西から挟撃されて、あべくんらも焦り気味? 硬軟両用に、ごまかし・脅かし・すかそうとしているってところでしょうか・・。
以下、spiraldragonさんのところに書いたコメントにて代用します。
http://blogs.dion.ne.jp/spiraldragon/archives/4925373.html#comments
ではまた~。
生活フォーラム関西
なんとしても政権交代を!
20140723-3.jpg
カレンダー
11 | 2023/12 | 01
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -
リンク1
貴重な情報をいただいています
(順不同)
リンク2
ブログ内検索
twitter
田中龍作ジャーナル
20140723-4.gif
ひとびとの経済政策研究会
松尾匡氏ら気鋭の経済学者による  政策提言と勉強会
ひとびとの
マガジン9条
パレスチナ・オリーブ
パレスチナで作られたオリーブオイルやオリーブ石けん。これはお勧め。
palestineolive.jpg
RSSフィード
blogranKing.net

カウンター
最近の記事
プロフィール

明月 こと 山岸飛鳥

Author:明月 こと 山岸飛鳥
木の家プロデュース 明月社 主宰
一級建築士
趣味 キコリ 畑
取り柄 貧乏
Email : info@mei-getsu.com

明月社のアルバム
明月社の作品や家づくりのアイディアなど ちょくちょく更新しています
アルバムLOGO
木の家プロデュース明月社
ホームページをリニューアルしました
meigetsusha.jpg
明月社へのご連絡

名前:
メール:
件名:
本文:

明月社 facebookページ
六甲菜園ブログ
郊外楽園プロジェクトの六甲菜園
rokkou-sides.jpg
おすすめの本
こんな時代だから、お薦めしたい本。アフィリエイトではありません。

自伝的戦後史(羽仁五郎) jidentekisengosi.jpg

おすすめの本 2
日本はなぜ「基地」と「原発」を止められないのか

nihonhanaze.jpg

おすすめの本 3
日本はなぜ「戦争ができる国」になったのか
nihonnhanaze2.jpg
おすすめの本 4
世界超恐慌の正体

sekaichoukyoukou.jpg

おすすめの本 5
そして、日本の富は略奪される

sositenihonnno.jpg

おすすめの本 6
コンクリートが危ない

conclete.jpg

おすすめの本 7
家を建てる。家づくりはたたかいだ

iewotateru.jpg