2007-01-27(Sat)

施政方針まで偽装する安倍晋三

耐震偽装ホテルのアパグループも,耐震偽装マンションのヒューザーも,安倍晋三の私的後援会=安晋会の会員であることは,今や日本の常識であろう。

しかし,安倍晋三は,国会のにおいても,偽装工作をしているようだ。日本の新聞各紙は,安倍晋三の施政方針演説について,あれこれと回りくどい表現をしている。

なかでも改憲については,

首相は「戦後の日本の成功モデルに安住してはならない」とし、国の基本的な枠組みの多くが、時代の変化についていけなくなっているとの認識を示した。
首相の言う憲法改正は、新しい国家像を明示することだ。戦後体制から脱却するために最も必要なことだろう。
 (読売1/27

などという言い方がもっぱらであるが,これは施政方針の偽装と言ってもいいかもしれない。
むしろ韓国のメディアの方がスッキリとした表現をしている。

日本の安倍晋三首相は26日、就任後初の施政方針演説で、北朝鮮の脅威に備えるため、より強い戦争抑止力が必要だとして、改憲の意志を示した。 (朝鮮日報1/27

しかし,ことの本質は違う。北の脅威など,安倍晋三は実はさらさら感じていないはずだ。何しろ,裏では仲良しなのだから。

「週刊現代」がこの10月21日号から4度、安倍晋三首相の「疑惑の媚朝外交」について報じている。北朝鮮強硬派で知られる裏側で、03年夏ごろからポスト小泉を狙うには北朝鮮問題で実績を上げるしかないとして、密かに2元外交を展開。その内容は「8名の拉致被害者家族」さえ帰れば後の被害者のことは問わない、核開発もご自由、さらに約60億円を支払うというまさに媚びを売る交渉内容だったという。これに対し、安倍首相は「週刊現代」の取材を一貫して拒否。そして2度に渡り、同誌を出している講談社の野間佐和子代表宛に「通告書」を送りつけているが、その内容が実に意味不明なのだ。 (ストレイドッグ06/12/7

そう,安倍晋三らが恐れているのは,北朝鮮なんかじゃない。

これまで戦争責任を頬被りして経済的にも痛めつけてきたアジア諸国が,中国,韓国を筆頭に追いつき追い越せの勢いであること,また,それによってアメリカの姿勢が日本から離れていくこと,これが怖いのだ。

アメリカの後ろ盾がなくなり,国力が中国や韓国に追い越されたら,これまでやりたい放題をしてきた日本が立たされる立場は,とてつもなく厳しいものになる。

百年に渡る年月と,何億人という人々の怨嗟の声に包囲されることになるのだ。これが,安倍晋三らがもっとも恐れおののいていることにちがいない。

だから,北の脅威自体が偽装であり,それすらも隠して「時代の変化」がどうとか言うのは,完全に施政方針の偽装工作なのである。

直面する時代の変化とは,まさに日本が衰退過程に入っていると言うことに他ならないのだ。

もちろん,これは日本人である私自身にとっても他人事ではない。こういう時代にどのような価値観を持って生きるかは,確かに安倍晋三の言うように「戦後レジューム」のままではいられないのかもしれない。

ただしそれは,軍事力によって他国を抑えつけることで生き延びようとする価値観では,絶対にない。

※国民投票法に反対するバナーを,ついにサイドエリアに貼り付けることに成功。雑談日記さん,バナーいただきました。
関連記事

trackback


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

伊那谷で竜援塾の開講準備中

国政をはじめ地方議会でも憲法をないがしろにするような法律や条例が作られたり、議員や行政の言動が目立つが、それに関して追求するような報道がなされないばかりか批判をする世論も起きてこないのが実情となっている。人間らしい生活を送ることがこれほど難しい時代となっ

緊急声明

たすけあい(れんだいこ)党中央の緊急声明 Re:れんだいこのかんてら時評253 れんだいこ 2007/01/3

衆院代表質問で憲法改正の検討と主張は当然と安倍首相が答弁

衆院代表質問の2日目で、辻元清美衆院議員がかつてのキレのいい質問を行っていたが、その中で新聞報道ではほとんど触れられず、昨日19時のNHKニュースでちらっと扱っただけだったが、答弁の中で安倍首相が憲法第99条についてどう認識しているのかということが明らかになっ

太田光の藤田嗣治をみる眼

回顧展を機に藤田嗣治の戦争画が話題にのぼっているようだ。「アッツ島玉砕」で有名な藤田だが、戦争画の是非をここで論じようとしているのではない。以前に、太田光の憲法観を私はとりあげ、安倍晋三のそれと比較した。そこには鮮やかな差異があって、それを落差という言葉

「利潤なき経済社会」に生きる その3(前編)

「利潤なき経済社会」という予測を提示してしまったのだから、今さら躊躇う必要もないのだが、現状の経済問題を解消することが第一義だと考えている“微温主義者”としては、提示する政策が一人歩きすることを危惧しておりグランド・デザインを示すことに なお躊躇いがある

お笑いが日本を変えた!

自他ともに認めるB層の妻が言いました。「○○(私の呼称)が言うように毎日お正月

衝撃or当然(?)の検索フレーズ/政府と女性蔑視/国民投票法案バナー(by SOBAさん)

2007.1.28.15:00ころ アクセス解析を見ると面白いキーワードで検索し

「利潤なき経済社会」に生きる その1

■ 「利潤なき経済社会」とは現状の日本は誤った政策により既にそれに近い状況にあるが、それほど遠くない将来に、合理的な政策を採っても国民経済としては利潤がない状況が訪れる。そして、世界経済(国民経済の総和)レベルでも利潤がない状況が訪れる。利潤がないと言っ

安倍晋三氏、ノーベル幻想文学賞にノミネート・・・?

 スウェーデン・アカデミーによると、今年度の受賞候補に早くも安倍氏の名がささや

共謀罪(ゲートキーパー法)・・・密告社会のはじまり!!!

次から次へと、よくま~悪法ばかり考え付くものだと思う。ま~考え付くんじゃなくてアメリカ様のおっしゃるとおりにしているんだから、誰も頭は使ってないんだけど・・・。「頭」・・・というよりも 「心」 がないこ

「利潤なき経済社会」とは

>貴殿の言われる「利潤なき経済社会」と言うのは何となくイメージすることはできますが、誤解の余地なく明確に把握し議論するためには、例えば次のような点をクリアに伝えるべきかも知れません。 >1.利潤の定義(通常は総収入-総支出。貴殿は違う意味で使っておられる。

国民投票法の危険性を広めよう!

雑談日記のSOBAさんから「共謀罪と国民投票法に反対!」Tシャツを送っていただきました。あまり人前に晒すような顔ではないのですが昨日も共謀罪の集会でスピーチしたことですし、アップさせていただきます。SOBA

夫か妻が外国人の夫婦、30年で割合10倍/異文化激突!? 傑作コメディ『ダーマ&グレッグ』

2007.1.27:15:10ころ 夫か妻が外国人の夫婦、30年で割合10倍・厚

comment form

管理者にだけメッセージを送る

comment

最近のコメントの傾向として、言い方はアイマイでソフトにして、その実、安倍の改憲路線を後押しするようなモノが多い。あらかじめ断っておきますが、そのようなコメントは、無条件で削除することがあります。とくに、他人のブログで名乗りもせずに長広舌を展開する場合は。

同感です

日本の衰退過程にはいっている事を怖れる。その通りだと思います。
生活フォーラム関西
なんとしても政権交代を!
20140723-3.jpg
カレンダー
11 | 2023/12 | 01
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -
リンク1
貴重な情報をいただいています
(順不同)
リンク2
ブログ内検索
twitter
田中龍作ジャーナル
20140723-4.gif
ひとびとの経済政策研究会
松尾匡氏ら気鋭の経済学者による  政策提言と勉強会
ひとびとの
マガジン9条
パレスチナ・オリーブ
パレスチナで作られたオリーブオイルやオリーブ石けん。これはお勧め。
palestineolive.jpg
RSSフィード
blogranKing.net

カウンター
最近の記事
プロフィール

明月 こと 山岸飛鳥

Author:明月 こと 山岸飛鳥
木の家プロデュース 明月社 主宰
一級建築士
趣味 キコリ 畑
取り柄 貧乏
Email : info@mei-getsu.com

明月社のアルバム
明月社の作品や家づくりのアイディアなど ちょくちょく更新しています
アルバムLOGO
木の家プロデュース明月社
ホームページをリニューアルしました
meigetsusha.jpg
明月社へのご連絡

名前:
メール:
件名:
本文:

明月社 facebookページ
六甲菜園ブログ
郊外楽園プロジェクトの六甲菜園
rokkou-sides.jpg
おすすめの本
こんな時代だから、お薦めしたい本。アフィリエイトではありません。

自伝的戦後史(羽仁五郎) jidentekisengosi.jpg

おすすめの本 2
日本はなぜ「基地」と「原発」を止められないのか

nihonhanaze.jpg

おすすめの本 3
日本はなぜ「戦争ができる国」になったのか
nihonnhanaze2.jpg
おすすめの本 4
世界超恐慌の正体

sekaichoukyoukou.jpg

おすすめの本 5
そして、日本の富は略奪される

sositenihonnno.jpg

おすすめの本 6
コンクリートが危ない

conclete.jpg

おすすめの本 7
家を建てる。家づくりはたたかいだ

iewotateru.jpg