2007-03-18(Sun)

安倍が焦っているのはアメリカに捨てられたからだ

米朝がどうしたとか,聞く人が聞いたら落語かいなと思うような話題が,このところ多い。テレビではデタントとも言っていた。

この一連のニュースを見て,日本の拉致問題は・・・などと言い続けている安倍一族であるが,本質的な問題は,日本はアメリカに捨てられた,ということだ。

いや,今の時点では完全な手切れでないのは言うまでもない。そういう下らない揚げ足取りはしないでほしい。

アメリカから見て,アジアで一番重要な国は日本ではなくなった,ということだ。そのことを端的に示しているのが,米朝のデタントという状況だ。

以下,長いけれども産経から引用する。

「ウォール街」握った中国

 米証券市場での海外勢の主役は日本から中国に移った。米財務省の統計によると、2006年1年間の対米純証券投資総額は中国1018億ドル、日本341億ドル。このうち米国債は中国377億ドルに対し、日本はわずかに20億ドルに終わった。

 「共産党が支配する中国政府の機関が米国債を大量に保有しているのを、不安に思いませんか」。このほど来日したポールソン米財務長官に直接聞いた。

 「心配ない。米国債市場の取引規模は巨大で、中国のだれが売ろうとも中国の保有額は1日の取引額程度でしかない」

(中略)長官も「米国でもいろんなところからよく同じことを聞かれる」と懸念が広がっていることは認める。

 何しろ、中国の外貨準備は1兆ドルを超え、日本をしのいで世界一。そのうち3分の2以上を米国債などドル建て資産で運用している。1997年6月には橋本龍太郎首相(当時)がニューヨークで、「私は何回か日本政府が持っている財務省証券を大幅に売りたい、という誘惑に駆られたことがある」と公言し、ニューヨーク市場を騒然とさせ、当時のルービン財務長官などワシントンを慌てさせた。

 中国は毎月200億ドルのペースで外準を増やしているのに、相変わらず米国証券中心の運用で、ドル安になればなるほど評価損が発生する。温家宝首相は外準資産について「積極的に運用チャンネルと方法を探求し、拡大せよ」と指示。これを受けて、金人慶財政相は東京のあと北京にきたポールソン長官と会談、その2日後、莫大な外貨資産を運用するための政府直属の専門投資会社「国家外貨投資公司(仮称)」の設立準備に入ったと発表した。

 中国の要人は橋本発言のような「勇み足」はしないし、「ドル離れ」のそぶりすらみせない。(中略)

 だが、見方によっては、ニューヨーク市場の安定のカギを中国に預けたのも同然である。年間で1兆ドル以上の外資流入がないと回らない米国市場、その最大のスポンサーになった中国では政治、軍事の総元締めの共産党がドル資産を取り仕切る。何らかの思惑からドル資産を「政治的武器」に使ったらどうなるか。

 もうひとつ、難点がある。上海株式バブルが再び膨張し、本格的に崩壊すると、日本で90年代に起きたようなバブル崩壊不況になる恐れがある。国有企業は債務超過、銀行は不良債権の山に埋もれる。

 緊急策として、北京は外貨準備の取り崩しに走るだろう。米国債を売却した資金で株式市場に介入したり、国有商業銀行に資本注入して不良債権を処理する。(中略)これから株式の新規上場をめざす中国農業銀行だけでも1400億ドルの投入が必要とみられている。

 国際金融をめぐる米中間のバランスは維持しなければならないが、いかにも危うい。(産経新聞編集委員 田村秀男 2007/03/18)


アジアどころか,アメリカの最大のスポンサーは,いまや中国なのだ。米国債などは,日本は中国の5%程度しか購入していないというのだ。

そこに来て,中国は衛星の撃ち落としに成功した。これは,アメリカの軍事力にとって,とてつもないダメージであるようだ。

もうこうなっては,アメリカは中国の顔色を窺うしかない。

2月に6カ国協議で北朝鮮支援が決まったときには,安倍一族は,まだこの構造的な変化に気が付いていなかったのではないだろうか。
しばらくは,拉致問題を相変わらず語っていた。

ところが,しばらくして,拉致が急に静かになったかと思うと,一気に改憲にむかって走りはじめた。
もう金だけではアメリカが振り向いてくれないということに,やっと気が付いたのだ。「戦争をできる軍隊」を持つしか,中国に心変わりしたアメリカとよりを戻す方法はない。そう思ったのだ。

だから,マスゴミが言うような,参院選にむけてとか,国会の日程がシビアとか,そんな理由で安倍は焦っているのではない。

いまここで,「戦争のできる軍隊」を作らなければ,安倍一族の生きる道は無い,という強烈な危機感から,国民投票法をごり押ししているのだ。

いま私たちに向けられている問題は,アメリカとともに戦争の道を歩むのか,アメリカに冷たくされながらも反戦・非戦の道を進むのか,という分かれ道だ。

後者の道がバラ色だとは思わない。厳しさにおいて,戦争の道と変わらないくらい大変かもしれない。けれども,同じ大変な道ならば,人間をすてて戦争に走るよりは,人として反戦・非戦の道を進む方がいいではないか。

そのほうが,ずっと気持ちがいい。

そういう覚悟を,いま私たちは求められている。

※参考 6カ国協議に見る安倍晋三の惨状
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この国はほんと私物化されていると思う

前任者子泉の総括も必要では?子泉礼賛マスコミの罪も含めて
http://benjaminfulford.com/NewKoizumiYakuza.html

私も人間らしく生きて人間らしく死にたいです。

>いまここで,「戦争のできる軍隊」を作らなければ,安倍一族の生きる道は無い,という強烈な危機感から,国民投票法をごり押ししているのだ。
これは、本当にそうかも、と思いますね。
だからこそ、こちらも必死にならないとヤバイ、ということでもありますよね。

>人間をすてて戦争に走るよりは,人として反戦・非戦の道を進む方がいいではないか。
そうですよね、イバラの道なのかもしれないけど、世界はこの方向を向いてきているんじゃないかと思います。
私もそちらに行きたいです。
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