2007-05-01(Tue)

密告社会

                          (しばらく下記のエントリーをリンクします)
                          第166回「戦争国会」

北斗の拳に出てくるような、賞金稼ぎが出没するかどうかは分からないが、ついに日本で公的な賞金首の制度ができた。

最高300万円 警察が初の懸賞金
スポニチ5月1日

 新制度を導入することに警察内部にも慎重論があったが、一般市民の事件への関心を高め、新たな情報を掘り起こすことが狙い。今後も年に数回、公的懸賞金を出す事件を決め、順次追加したいとしている。

 刑法犯の検挙率は5年連続で上昇しているにもかかわらず、警察庁が“苦肉の策”の導入に踏み切った背景には、捜査環境の変化がある。希薄になっている人間関係や、大量生産により“ヒト”や“モノ”から容疑者を割り出す従来の捜査手法では、限界があるからだという。


というのだが、希薄になっている人間関係や、大量生産は今に始まったことではないし、いったいなぜ今、賞金なのだろう。

下記のグラフを見てみると、

kyouakuhan.jpg

(犯罪白書より)

どう見ても、凶悪犯罪は減っている。検挙件数はそれほど減っていないから、記事の通り、検挙率はUPしているのだ。

マスゴミが、いかにも凶悪犯罪が多発しているかのように騒ぎ立てるから、密告したら賞金を出すのも仕方がないか、と思いがちだが、本当の狙いはそんなところにはない。


日本にはかつて、隣組という制度があった
この隣組について、早稲田大学の水島朝穂氏が、このように総括している。

隣組は、地域の隅々まで、無数の細胞のように伝播し、上から命令を下さなくても、「自発的」に互いを牽制・監視しあう仕組みを完成させていった。(中略)
家族の悩みから「今日の夕飯」まですべてを知り合う関係とは「おせっかいの制度化」にとどまらない。「向こう三軒両隣」という最も近接した関係が、相互の親密な「助け合い」を生み出すのと裏腹に、「異質なもの」を素早くキャッチする感知器の役割を果たしたわけである。 
「隣組システム」こそ、日本の軍事的脆弱性を補完し、国民を戦争に動員していくまさに日本的装置だったのである。


人間関係の希薄化、とは、実はこうした相互監視体制の希薄化、のことだったのだ。異質なものをアブリ出す「隣組」という密告制度が機能しなくなってきたので、今度は金で買収しようというわけだ。


もっとも、隣組の復活に向けても、準備は進められている。

国民保護法という、何を守ってくれるんだかよく分からない法律が、3年前にできている。

このチラシを見ると、どういう法律かよく分かる。(クリックで拡大)
hogo11.jpg

hogo12.jpg

国民保護法ウォッチャーズより)

こうして、隣組型の密告と動員の組織作りも、いままさに戦争準備段階の日本においては、当然のように進められている。

これと、セットで、今回の「密告奨励金」制度はある。

近い将来、魔女狩りのように、社会(すなわち戦争体制)にそぐわないものをアブリ出し、血祭りに上げていく、相互監視体制に発展していくことは、間違いない。

今は、対象犯罪は5件で、金額も300万と言うことだが、今後は、1件あたりの金額は少額化し、どんな密告にも、警察の現場決済で賞金を支給できる、そんな方向にドンドン進んでいくだろう。


そして、密告といえば、共謀罪である。

連休明けにも強行審議の噂もある。密告したものは罪に問わない、というタレコミ奨励条項のがあるという共謀罪。わざとネタ振りしておいて密告すれば、どんな人間でも陥れることができる共謀罪。

こんなモノどもと、一連のモノとして、「密告奨励金」のニュースは見ておかねばならない。

一度密告に手を染めた人間は、それを警察に握られているから、二度と民衆の側に戻ってくることはできない。カムイ伝のシブタレのようなものだ。(彼は壮絶な最後を遂げたけれども)

一方で、巨悪を告発しても、1円にもならないどころか、かえって○○○の返り討ちにあって、放火されたり、暗殺されたりする。

これが、安倍晋三のめざす「うつくしい国」の姿だ。
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私が子供の頃から思い描いていた日本はもうないですね
腰抜けのマスゴミは全然共謀罪について取り上げませんし・・・

誰がために戦うのか?

誰がために戦うのか?http://www.glennbeck.com/news/05172002.shtml

「密告義務法」がすでに成立

マスコミではほとんど報道されていませんが、「共謀罪」の“弟分”ともいえる「密告義務法」が3月29日に成立しています。
民主党と国民新党も賛成し、反対したのは社民党と共産党だけでした。

「共謀罪」や「密告義務法」に反対してきた市民団体もなぜか沈黙しています。
憂慮すべき状況です。

関連情報
ゲートキーパー法案の成立に当たって(談話)
http://www5.sdp.or.jp/central/timebeing07/danwa0329.html
密告義務法衆院通過、憂慮すべき「無風国会」
http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/75c2b5007721a9debde73e71a022d82d
民主党は本気で密告義務法に賛成なのか
http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/313e0e964e2ac30062cddde509083359
「密告義務」22万社に/ゲートキーパー法案 吉井議員が指摘
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2007-03-23/2007032304_04_0.html
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