2005-11-30(Wed)
耐震偽造の真相を考察する
今日は、本業ブログからそのままコピーしてしまおう。
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姉歯という珍しい名前ということもあり、日本中知らない人はいないくらい有名になったこの人、何でまた今頃になってぶちまけてしまったのか???
良心の呵責に耐えられなくなったとか色々あるのだろうけど、私は少々違う理由を勝手に想像している。
まず、1.マスコミの騒ぎ方が尋常ではない。同様の他の問題はそれほど問題にされなかった。2.どっかの幹事長が「景気に影響するからあまり騒ぐな」ととんでも発言をした。3.民対民のこの問題に税金で救済が計られている。
などの理由から、私はたぶん裏があるのだろうと想像している。
1.今年の6月に、ツーイフォー住宅に使われるビスの強度が偽造された事件を覚えている人は、たぶんあまりいないだろう。じつに、1万軒の住宅が耐震性能不足の疑いがあったにもかかわらず、報道はわずかなものだった。
2.いくら何も考えていないどっかの国の政権党の幹事長とは言え、不安に怯える住民を目の当たりにしながら、「あまり騒ぐな」というセリフは言えるモンではない、普通。何かの背景があったと考えても、おかしくはない。
3.欠陥住宅の住民に、税金で救済が計られた前例は、たぶん無い。また、理屈で考えても、姉歯氏が構造計算した建物の住民だけ救済されるのはおかしい。
こうしたことと、姉歯氏の当初のあの一見平然とした話し方とをみると、どうも一種の司法取引ではなかったのかという気がしてならない。
大手を脅かす急成長のデベロッパーとゼネコンを叩くために、姉歯氏は洗いざらい話すかわりに罪を軽くしてもらうという取引をしたのではないか。
もちろん、姉歯氏もデベロッパーもゼネコンもとんでもない連中だ。ここまで無茶苦茶する奴らは、足りない鉄筋の代わりにコンクリートに埋めてしまいたいくらいだが、それと、このキャンペーンの真相とはまた別問題だ。
ことの真相は、たぶん、デベロッパー、ゼネコン、検査機関の大手が、急成長しているヒューザーグループに危機感を感じて、ぶっ叩いた、ということのような気がする。
自分たちがしていることは、全て棚に上げて、だ。だから、騒ぎが大きくなりすぎて大手のマンション売上まで影響が出そうになると、政権党の幹事長が慌てるのだ。
そして、(景気浮揚策として)分譲マンションの耐震診断を国費でするという。これ自体はいいことだが、大型マンションの耐震補強工事など、中小の工務店には手に負えない工事だ。耐震補強工事受注の恩恵は、すべて大手ゼネコンに注がれる。
それと、もうひとつ、大きな問題がある。建築士の地位の低下を狙っている。
以前から、建築士の資格を細分化するべきだという議論はある。建築士というのは、ある意味、個人で巨大ゼネコンに対等に話のできる立場にある。大手ゼネコンに、全くのフリーランスで対等に渡り合える立場というのは、たぶん他にない。
しかし、職能的に細分化された建築士は、あくまでゼネラルなコントラクターの下請けのような立場におかれるであろう。
なんでも「改革」の一環で、建築改革の奇貨として、今回の事件は使われるにちがいないと、私は踏んでいる。
「改革」の名の下に、長いものに巻かれないと生きて生けない世の中に、ドンドンなっていく・・・。あ~ やだやだ。
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姉歯という珍しい名前ということもあり、日本中知らない人はいないくらい有名になったこの人、何でまた今頃になってぶちまけてしまったのか???
良心の呵責に耐えられなくなったとか色々あるのだろうけど、私は少々違う理由を勝手に想像している。
まず、1.マスコミの騒ぎ方が尋常ではない。同様の他の問題はそれほど問題にされなかった。2.どっかの幹事長が「景気に影響するからあまり騒ぐな」ととんでも発言をした。3.民対民のこの問題に税金で救済が計られている。
などの理由から、私はたぶん裏があるのだろうと想像している。
1.今年の6月に、ツーイフォー住宅に使われるビスの強度が偽造された事件を覚えている人は、たぶんあまりいないだろう。じつに、1万軒の住宅が耐震性能不足の疑いがあったにもかかわらず、報道はわずかなものだった。
2.いくら何も考えていないどっかの国の政権党の幹事長とは言え、不安に怯える住民を目の当たりにしながら、「あまり騒ぐな」というセリフは言えるモンではない、普通。何かの背景があったと考えても、おかしくはない。
3.欠陥住宅の住民に、税金で救済が計られた前例は、たぶん無い。また、理屈で考えても、姉歯氏が構造計算した建物の住民だけ救済されるのはおかしい。
こうしたことと、姉歯氏の当初のあの一見平然とした話し方とをみると、どうも一種の司法取引ではなかったのかという気がしてならない。
大手を脅かす急成長のデベロッパーとゼネコンを叩くために、姉歯氏は洗いざらい話すかわりに罪を軽くしてもらうという取引をしたのではないか。
もちろん、姉歯氏もデベロッパーもゼネコンもとんでもない連中だ。ここまで無茶苦茶する奴らは、足りない鉄筋の代わりにコンクリートに埋めてしまいたいくらいだが、それと、このキャンペーンの真相とはまた別問題だ。
ことの真相は、たぶん、デベロッパー、ゼネコン、検査機関の大手が、急成長しているヒューザーグループに危機感を感じて、ぶっ叩いた、ということのような気がする。
自分たちがしていることは、全て棚に上げて、だ。だから、騒ぎが大きくなりすぎて大手のマンション売上まで影響が出そうになると、政権党の幹事長が慌てるのだ。
そして、(景気浮揚策として)分譲マンションの耐震診断を国費でするという。これ自体はいいことだが、大型マンションの耐震補強工事など、中小の工務店には手に負えない工事だ。耐震補強工事受注の恩恵は、すべて大手ゼネコンに注がれる。
それと、もうひとつ、大きな問題がある。建築士の地位の低下を狙っている。
以前から、建築士の資格を細分化するべきだという議論はある。建築士というのは、ある意味、個人で巨大ゼネコンに対等に話のできる立場にある。大手ゼネコンに、全くのフリーランスで対等に渡り合える立場というのは、たぶん他にない。
しかし、職能的に細分化された建築士は、あくまでゼネラルなコントラクターの下請けのような立場におかれるであろう。
なんでも「改革」の一環で、建築改革の奇貨として、今回の事件は使われるにちがいないと、私は踏んでいる。
「改革」の名の下に、長いものに巻かれないと生きて生けない世の中に、ドンドンなっていく・・・。あ~ やだやだ。
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