2007-06-03(Sun)
学力低下というワナ
教育放談会議と自民党からさえも揶揄される、安倍晋三の諮問機関・教育再生会議が、報告を出した。
目立ったものだけ、時事通信の記事から抜粋する。
教育再生会議・第2次報告の要旨
2007年06月02日 時事通信
【学力向上(ゆとり教育見直し)】
授業時間10%増=夏休みの活用や2学期制導入、7時間目の設定
教員評価を踏まえためりはりある給与体系
学校の課題への機動的対処=教育委に「学校問題解決支援チーム」(仮称)を設ける。
【調和の取れた人間】
徳育=徳育を従来の教科とは異なる新たな教科と位置付け、充実
高校で奉仕活動を必修化。
親の学び=父親の子育て参加を支援し、親の学びの場を拡充
【大学・大学院再生】
大学教育の質の保証=国は卒業認定厳格化や大学の外部評価、ボランティア活動の大学教育導入などを支援
入学年齢の弾力化や国立大の入試日分散・複数合格、大学入試センター試験の資格試験化や年複数実施など、大学入試の多様化を検討。
【財政基盤の在り方】
教育予算=効率化を徹底しながら、めりはりを付けて教育再生に真に必要な教育予算について財源の確保が必要
大学・大学院=競争的資金の拡充
国立大運営費交付金は、各大学の努力と成果を踏まえるよう、新たな配分の在り方を具体的に検討。
【第3次報告での検討課題】
学校・教育委の第3者評価制度、「6・3・3・4」制、教育バウチャー制、大学入試の抜本的改革など。
要するに、
■授業時間を増やす 土曜も授業をする
■道徳やボランティアを強制し、親にまで説教を垂れる
■教師の給料や大学の予算を、成果主義にして、国の言うことを聞かないと締め上げる
■高校や大学は、飛び級を実施し、エリートは伸ばし、それ以外には予算も削る。
ということか。子どものことなど、ど~でもいい連中が、安倍に取り入るためだけにつくった報告だということが、よくわかる。
さて、これらの一連の「教育改革」なるものの、根拠のひとつは、ゆとり教育で学力が低下した、ということだ。でも、これは本当なのだろうか。
一つのデータとして、河合塾の模試データがある。 これも学力低下の根拠として取り上げられることが多いらしいのだが、実際に見てみると、数学が顕著に下がっていることと、たぶんそのせいで理科が下がっていることが目立つくらいで、他は極端な学力低下といえるようなものはない。
だったら、数学の教え方を、徹底的に研究したらいいことだ。くだらない教育放談会議などに、金と時間を使うのではなく、算数や数学の授業で成功している先生を集めて、テキストをつくったり勉強会をすればいいではないか。
しかし、ぜんぜんそう言う方向に行かないのは、安倍晋三も、教育なんたら会議も、実は子どもの学力のことなんてどうでも良いと思っているからだ。
先日、実際に、小学校の算数の授業を参観してみた。
たしかし、面白くはない。よほど「いい子ちゃん」でないと、気分的に乗っていけないなあ、と感じた。
一言でいうと、簡単な問題をハイスピードで進めていくのだ。
だから、できる子はつまらない。最初にささっと答えを書いてしまって、あとは空の雲を眺めている。
理解のやや遅い子は、問題にではなくて、先生がしゃべっているスピードについていけない。チョット考える時間があればできるのに、先生の言葉をアタマの中で反芻しているうちに、次の問題に行ってしまう。
もっとアタマを使う問題を、じっくりと時間をかけてやった方が、多くの子どもが楽しめるのになあ、というのが感想だった。
だから、教育の内容や方法論を改善していくことは、当然あって良いことだと思うが、いま言われている「教育改革」は、そんなものとは、全然かけ離れたものだ。
子どもたちも、現場の教師も、保護者までも強制し、がんじがらめにし、国に奉仕する人間をつくるための「教育」。
こんなものは、ゴミ箱に掃いて捨て去り、ダイオキシンにならないように1300℃で焼却してしまいたい。
「学力低下」という、キャンペーンにだまされてはいけない。
目立ったものだけ、時事通信の記事から抜粋する。
教育再生会議・第2次報告の要旨
2007年06月02日 時事通信
【学力向上(ゆとり教育見直し)】
授業時間10%増=夏休みの活用や2学期制導入、7時間目の設定
教員評価を踏まえためりはりある給与体系
学校の課題への機動的対処=教育委に「学校問題解決支援チーム」(仮称)を設ける。
【調和の取れた人間】
徳育=徳育を従来の教科とは異なる新たな教科と位置付け、充実
高校で奉仕活動を必修化。
親の学び=父親の子育て参加を支援し、親の学びの場を拡充
【大学・大学院再生】
大学教育の質の保証=国は卒業認定厳格化や大学の外部評価、ボランティア活動の大学教育導入などを支援
入学年齢の弾力化や国立大の入試日分散・複数合格、大学入試センター試験の資格試験化や年複数実施など、大学入試の多様化を検討。
【財政基盤の在り方】
教育予算=効率化を徹底しながら、めりはりを付けて教育再生に真に必要な教育予算について財源の確保が必要
大学・大学院=競争的資金の拡充
国立大運営費交付金は、各大学の努力と成果を踏まえるよう、新たな配分の在り方を具体的に検討。
【第3次報告での検討課題】
学校・教育委の第3者評価制度、「6・3・3・4」制、教育バウチャー制、大学入試の抜本的改革など。
要するに、
■授業時間を増やす 土曜も授業をする
■道徳やボランティアを強制し、親にまで説教を垂れる
■教師の給料や大学の予算を、成果主義にして、国の言うことを聞かないと締め上げる
■高校や大学は、飛び級を実施し、エリートは伸ばし、それ以外には予算も削る。
ということか。子どものことなど、ど~でもいい連中が、安倍に取り入るためだけにつくった報告だということが、よくわかる。
さて、これらの一連の「教育改革」なるものの、根拠のひとつは、ゆとり教育で学力が低下した、ということだ。でも、これは本当なのだろうか。
一つのデータとして、河合塾の模試データがある。 これも学力低下の根拠として取り上げられることが多いらしいのだが、実際に見てみると、数学が顕著に下がっていることと、たぶんそのせいで理科が下がっていることが目立つくらいで、他は極端な学力低下といえるようなものはない。
だったら、数学の教え方を、徹底的に研究したらいいことだ。くだらない教育放談会議などに、金と時間を使うのではなく、算数や数学の授業で成功している先生を集めて、テキストをつくったり勉強会をすればいいではないか。
しかし、ぜんぜんそう言う方向に行かないのは、安倍晋三も、教育なんたら会議も、実は子どもの学力のことなんてどうでも良いと思っているからだ。
先日、実際に、小学校の算数の授業を参観してみた。
たしかし、面白くはない。よほど「いい子ちゃん」でないと、気分的に乗っていけないなあ、と感じた。
一言でいうと、簡単な問題をハイスピードで進めていくのだ。
だから、できる子はつまらない。最初にささっと答えを書いてしまって、あとは空の雲を眺めている。
理解のやや遅い子は、問題にではなくて、先生がしゃべっているスピードについていけない。チョット考える時間があればできるのに、先生の言葉をアタマの中で反芻しているうちに、次の問題に行ってしまう。
もっとアタマを使う問題を、じっくりと時間をかけてやった方が、多くの子どもが楽しめるのになあ、というのが感想だった。
だから、教育の内容や方法論を改善していくことは、当然あって良いことだと思うが、いま言われている「教育改革」は、そんなものとは、全然かけ離れたものだ。
子どもたちも、現場の教師も、保護者までも強制し、がんじがらめにし、国に奉仕する人間をつくるための「教育」。
こんなものは、ゴミ箱に掃いて捨て去り、ダイオキシンにならないように1300℃で焼却してしまいたい。
「学力低下」という、キャンペーンにだまされてはいけない。
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