2007-06-18(Mon)

年金問題で浮かれていていいのだろうか??

数日前に各社から発表された安倍内閣の支持率は、軒並み20%台に突入した。
これ自体は、大変喜ばしいことなのだが、事態をできるだけ分析してみたい。

直接の原因は、間違いなく「年金」だろう。
5000万件の年金が「消えた」という衝撃は、安倍にとっても自民党にとっても大きすぎた。

安倍らの当初の狙いは、役所の裏金問題のように、叩けばホコリの出る社保庁をやり玉に挙げ、解体するつもりだったのだ。

そして、年金の運用を民営化し、外資、すなわちアメリカ資本のエサにするのが、当初の目的だったはずだ。

ところが、出てきたホコリが、あまりにも巨大だった。

間違ってはいけないのは、消えた年金問題が出てきたから社保庁を廃止するのではない
そういう誤解をしている人も多いのではないだろうか。

社保庁を廃止する方針を政府が決め、国会へ上程されたから、消えた年金問題が出てきたのだ。

年金改革 自公民「新合意」検討 2004年11月30日 読売新聞
 
未だ郵政民営化も決定していなかった、2004年に、すでに年金と健康保険を「民営化」することが目論まれていた。

社保庁2009年度にも廃止 2006年12月15日 読売新聞 

2010年1月にも社保庁廃止へ 2007年3月13日 読売新聞 http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/mnews/20070313mh13.htm

ここで注目すべきは、
改革の中核部分を民間有識者による第三者機関の判断に委ねている
(第三者機関は)業務委託の範囲を決めたり、人事権を持つ前例のない組織

と、されていること。
国民になんの責任ももたない民間人が、人事権まで持って年金の「民営化」を差配する ということだ。

「消えた年金記録」資料で長妻事務局長が会見 2007/05/11 民主党 

これが、いわゆる「消えた年金」騒動の発端であろう。
厚生労働大臣が「統合したくても統合できないデータもある」ことを認めたことを明らかにした というあたりに、政府が「たいした問題じゃない」と高をくくっていたことが読みとれる。

不明年金「丁寧に対応」=支給漏れには救済策検討も-安倍首相  

この段階でも、安倍には全然危機感も緊張感もない。
この調子で、社保庁の解体・民営化に進むことができれば、チョットくらい民主党に叩かれても、痛くもかゆくもないよ~んという感じだ。

ところが、この直後から、支持率が急落し、安倍の目論見は少々ズレを生じ始める。

と、まあこういう経過をたどって、20%台の支持率は実現したわけだが、さて、本当に手放しで喜んでいて良いのだろうか。

忘れてはいけないのは、いくら年金問題で野党が追及しても、マスゴミが面白おかしく騒いでも、たとえ参議院で自民が大敗しても、それでもやはり、私たちが払い続けてきた「年金」、これから受け取らなくてはならない「年金」が「民営化」されることは、止まらないということだ。

「拒否できない日本」を書いた関岡英之氏が、続編の「奪われる日本」 という本をだしている。 昨年出版されたのだが、その中に、「アメリカが簡易保険の次に狙っているのは、健康保険だ」と書いてある。
それが、アメリカの保険業界の要求であり、アメリカ側は、そのことを隠そうともしていない、のだと言う。

そう、社会保険庁が管轄しているのは年金だけじゃない。 中小企業の健康保険、政府管掌健康保険も、来年には「民営化」されるのである。
政府管掌保険には、社員と家族、3800万人の命がかかっている。
この健康保険が、早くも来年には「民営」化されるなんてことは、実は私もさっきまで知らなかった。

関岡氏の書いたとおりに、すなわち、アメリカの要望通りにストーリーは着々と進展しているのである。

来年からは、中小企業の健康保険は「民営」化
3年後からは、虎の子の年金も「民営」化
アメリカの保険業界の要望通りに


このことが、何の議論もなく進行している。
安倍・自民党は、選挙で苦戦するかもしれないが、アメリカさんにしてみれば、自民党の反米右翼よりは、民主党の「改革」=ネオコン派のほうがありがたい、というところだろう。

年金を争点にするのはいい。 それで自民が議席を減らすのもいい。
しかし、投票する議員の「中身」を良く吟味しないと、こんなはずではなかった、ということになるだろう。

だからこそ、9条をどうするか、を含めて判断しなければならない。
共産党嫌いの人は多いけれども、私も決して好きになれないけれども、それでも、場合によっては投票するかも知れない。

9条ネットになんとか 100万票集められないか。 これが一番の問題。 木枯らし紋次郎ですら90万票で落選した。 この壁を突破しなくては、比例区での1議席はない。

そんなことも考えつつ、消えた年金だけに踊らされることなく、参議院選に臨みたい。



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もう一つの視点

はじめまして。いつもブログを拝見させていただいております。

今回の年金問題の異常沸騰の背景に,社保庁解体後の保険及び年金の民営化を望むアメリカの思惑が強く働いていることは疑いようがないところですが,保険・年金民営化の狙いは,健康保険分野への進出の他に,確定拠出年金市場の拡大という点もあるように思います。

拠出限度額の引き上げを筆頭に,確定拠出年金に関する規制緩和要求は「日米投資イニシアティブ」や「規制改革及び競争政策イニシアティブ」(年次改革要望書)においても毎年取り上げられているトピックであり,確定拠出年金分野は,アメリカの生命保険業界及びアメリカ政府が市場拡大を強く望んでいる分野であるようです。

確定拠出年金法については,制定後5年を経過した平成18年10月から見直し作業が進められており,ここではアメリカの意を汲んだ議論が行われているはずです。

今後,「確定拠出年金 魅力溢れる商品に!」というような権力に迎合的な報道が出てきた場合には,また一つ日本の富が奪われることになったのだと認識することが必要なのだと思います。

同感です

こんにちは。この度のアンケートご苦労さまでした。『アメリカさんにしてみれば、自民党の反米右翼よりは、民主党の「改革」=ネオコン派のほうがありがたい』まったく同感です。アンケートの意図も民主党内の護憲派を見定めるためであったと理解しています。対立軸は「自民VS民主」でも「与党V野党」でもなく、あくまで「新自由主義・改憲勢力VS反新自由主義・護憲勢力」だと認識しています。どうゆう投票行動が、新自由主義・改憲勢力に対し、最も有効な打撃となり得るかを考え、投票権を行使したいと思います。
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