2007-08-29(Wed)
改造内閣は麻生への引継内閣ではないか
各紙の改造内閣支持率は、以下の通り。
読売新聞
支持率:44・2% 不支持率:36・1%
新内閣は「期待できる」:55% 「期待できない」:28%
日経
支持率:41% 不支持率:40%
首相続投「反対だ」:49% 「賛成だ」:40%
共同
支持率:40・5% 不支持率:45・5%
首相「辞めるべきだ」:51・3%
テロ対策特別措置法「延長すべきではない」:48・2% 「延長すべきだ」:38・6%
産経 FNN
支持率:38.0% 不支持:42.9%
新内閣「評価する」:41.5% 「評価しない」:37.7%
朝日
支持:33% 不支持:53%
テロ対策特別措置法「反対」:53% 「賛成」:35%
首相「続けてよい」:41% 「そうは思わない」:47%
毎日
支持率:33% 不支持率:52%
新内閣「評価する」:43% 「評価しない」:47%
■■
注目したいのは、産経の結果だ。
読売や日経が、必死で支持率をかき集めているのに、産経はあまりその努力の跡が見られない。
そして、こんな長文の特集記事を書いている。
【内閣改造 土俵際の再出発】(上)意中の候補、次々断念
【内閣改造 土俵際の再出発】(下)本気だった「倒閣」
読めばわかるが、麻生の提灯記事である。
麻生太郎が、よれよれの安倍内閣にあって、ただ一人さっそうたる白馬の騎士かのように書かれている。
そして、センセーショナルに書かれている「倒閣」というのは、選挙の2日後に「メディア界のドン」が新YKK(山崎、加藤、古賀)と島津を呼んで倒閣を仕掛けたというのである。
しかし、その「メディア界のドン」らしき人物が集計した内閣支持率は、ダントツのトップである。
これは、なんらかの「話がついた」と見るしかない。
その話とは、
「なんでも良いから、形だけ挙党一致体制を作って、その上で麻生に禅譲せよ」
ということではないのか。
このへんは、むしろ外からの目の方が当たっているように思える。
安倍改造内閣:ポスト安倍に麻生幹事長
朝鮮日報 2007.8.28
安倍首相の支持率が下がり続け、結局退陣に追い込まれた場合、自らと考えの近い麻生幹事長に首相の座を引き継いで選挙を乗り切りたいという計算だ。麻生幹事長は参議院選挙での大敗にもかかわらず、安倍首相の留任を強く主張していた。これは自らが党内での少数派閥(16人)に属するという限界を克服し、首相の座を射止めるには安倍首相の協力が絶対的に必要との点を計算に入れたものだ。
しゃべることが仕事のような官房長官に、喉頭ガンの手術をして声のかすれる与謝野馨をもってきたのも、幹事長のマスコミ露出を多くするための小細工なのではないか。
おそらく、これから数ヶ月、麻生がテレビに出まくる。
どっからみても陰気な安倍よりは、麻生のほうがマスコミ受けは良い。
そうしておいてから、安倍が責任をアイマイにしたまま総裁を辞め、麻生が新総裁、すなわち自動的に総理大臣になるというのが、この1ヶ月、自民党とアメリカとの間で練り上げられたストーリーなのではないか。
安倍は、今辞めれば詰め腹切った形だが、一応挙党態勢にして、「みんなの責任」にして辞めれば、2010年の改憲までには表舞台に戻ってこられる。
そんな読みで、このストーリーに乗った、というのが、私の推理だ。
■■
しかし、そう簡単には行かないかもしれない。
兆候は二つある。
一つは、世論調査にもあるとおり、テロ特措法にたいし、世論は圧倒的に反対だと言うこと。
民主党は、寝返りたくても寝返ることができなくなった。
安倍惨敗の理由は、マスゴミは経済問題ばかり言うが、実は、反戦意識も大きかったのだと言うことがわかる。
好戦派、タカ派として、安倍と全くおんなじ麻生が、思惑通り人気を博すかどうか。
ブロガーもこの点に注力したいし、民主党にもこの際とことん突っ張ってもらわねばならない。
もう一つは、これだ。
株が大幅続落、円と債券は続伸
NIKKEI.NET 2007.8.29
じわりじわりと進む、ドル安の底が割れ、暴落に転じたとき、世の中の基準がゴロッと変わる。
安倍、麻生のご都合主義ストーリーは、案外親分(アメリカ)からひっくり返されるかもしれない。
親分のために、汚れ仕事をもう一踏ん張りやらなくてはならないとなると、現在の捨て駒内閣が、まさに捨て駒としてしばらく続く可能性もある。
いずれにしても、安倍の動向ばかり見ていると、足下をすくわれるかもしれない。
読売新聞
支持率:44・2% 不支持率:36・1%
新内閣は「期待できる」:55% 「期待できない」:28%
日経
支持率:41% 不支持率:40%
首相続投「反対だ」:49% 「賛成だ」:40%
共同
支持率:40・5% 不支持率:45・5%
首相「辞めるべきだ」:51・3%
テロ対策特別措置法「延長すべきではない」:48・2% 「延長すべきだ」:38・6%
産経 FNN
支持率:38.0% 不支持:42.9%
新内閣「評価する」:41.5% 「評価しない」:37.7%
朝日
支持:33% 不支持:53%
テロ対策特別措置法「反対」:53% 「賛成」:35%
首相「続けてよい」:41% 「そうは思わない」:47%
毎日
支持率:33% 不支持率:52%
新内閣「評価する」:43% 「評価しない」:47%
■■
注目したいのは、産経の結果だ。
読売や日経が、必死で支持率をかき集めているのに、産経はあまりその努力の跡が見られない。
そして、こんな長文の特集記事を書いている。
【内閣改造 土俵際の再出発】(上)意中の候補、次々断念
【内閣改造 土俵際の再出発】(下)本気だった「倒閣」
読めばわかるが、麻生の提灯記事である。
麻生太郎が、よれよれの安倍内閣にあって、ただ一人さっそうたる白馬の騎士かのように書かれている。
そして、センセーショナルに書かれている「倒閣」というのは、選挙の2日後に「メディア界のドン」が新YKK(山崎、加藤、古賀)と島津を呼んで倒閣を仕掛けたというのである。
しかし、その「メディア界のドン」らしき人物が集計した内閣支持率は、ダントツのトップである。
これは、なんらかの「話がついた」と見るしかない。
その話とは、
「なんでも良いから、形だけ挙党一致体制を作って、その上で麻生に禅譲せよ」
ということではないのか。
このへんは、むしろ外からの目の方が当たっているように思える。
安倍改造内閣:ポスト安倍に麻生幹事長
朝鮮日報 2007.8.28
安倍首相の支持率が下がり続け、結局退陣に追い込まれた場合、自らと考えの近い麻生幹事長に首相の座を引き継いで選挙を乗り切りたいという計算だ。麻生幹事長は参議院選挙での大敗にもかかわらず、安倍首相の留任を強く主張していた。これは自らが党内での少数派閥(16人)に属するという限界を克服し、首相の座を射止めるには安倍首相の協力が絶対的に必要との点を計算に入れたものだ。
しゃべることが仕事のような官房長官に、喉頭ガンの手術をして声のかすれる与謝野馨をもってきたのも、幹事長のマスコミ露出を多くするための小細工なのではないか。
おそらく、これから数ヶ月、麻生がテレビに出まくる。
どっからみても陰気な安倍よりは、麻生のほうがマスコミ受けは良い。
そうしておいてから、安倍が責任をアイマイにしたまま総裁を辞め、麻生が新総裁、すなわち自動的に総理大臣になるというのが、この1ヶ月、自民党とアメリカとの間で練り上げられたストーリーなのではないか。
安倍は、今辞めれば詰め腹切った形だが、一応挙党態勢にして、「みんなの責任」にして辞めれば、2010年の改憲までには表舞台に戻ってこられる。
そんな読みで、このストーリーに乗った、というのが、私の推理だ。
■■
しかし、そう簡単には行かないかもしれない。
兆候は二つある。
一つは、世論調査にもあるとおり、テロ特措法にたいし、世論は圧倒的に反対だと言うこと。
民主党は、寝返りたくても寝返ることができなくなった。
安倍惨敗の理由は、マスゴミは経済問題ばかり言うが、実は、反戦意識も大きかったのだと言うことがわかる。
好戦派、タカ派として、安倍と全くおんなじ麻生が、思惑通り人気を博すかどうか。
ブロガーもこの点に注力したいし、民主党にもこの際とことん突っ張ってもらわねばならない。
もう一つは、これだ。
株が大幅続落、円と債券は続伸
NIKKEI.NET 2007.8.29
じわりじわりと進む、ドル安の底が割れ、暴落に転じたとき、世の中の基準がゴロッと変わる。
安倍、麻生のご都合主義ストーリーは、案外親分(アメリカ)からひっくり返されるかもしれない。
親分のために、汚れ仕事をもう一踏ん張りやらなくてはならないとなると、現在の捨て駒内閣が、まさに捨て駒としてしばらく続く可能性もある。
いずれにしても、安倍の動向ばかり見ていると、足下をすくわれるかもしれない。
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