2007-09-20(Thu)
暴走族の人権
総理総裁が福田康夫に流れたのは、創価学会がもたないからだというのは、まず定説になりつつあるだろう。
コイズミの従米改革路線と、安倍が体現した極右改憲路線とは、結局同じ穴のムジナとはいえ、実際の政治運営上はすんなりとは行かない。
特に、改憲を目指す以上は、平沼赳夫などの極右勢力も糾合して、なおかつ公明党も離れないようにしておかなければ、目的は遂げられない。
まして、参議院でこういうことになったら、なおさらのこと。
麻生が政権を執れば、極右は大喜びするだろうが、創価学会は末端組織がもたない。
だからと言って、コイズミのような使い捨て方式では極右は分裂してゆく。
アメリカの言うことも聞きつつ、極右の喜びそうなこともして見せつつ、池田大先生の顔色もうかがいつつ、国政を担おうというのが、福田に与えられた使命というわけ。
もちろん、これだけあっちこっちのご機嫌伺いをしていると、国民のことなど気にかけているヒマがないのは言うまでもない。
そんなこんなで、世の中は総裁選の話題でもちきりだが、大事なことを忘れている。
■■
一つは、安倍晋三の3億円脱税問題だ。
週刊現代にだされたこの大スクープを、サプライズ辞任で帳消しにしているけれども、3億円もの脱税を、首相辞任したくらいで「なかったこと」にしていいのか??
しかも、その手口は杜撰きわまりない。
晋太郎が政治団体に6億円あまりを献金し、その死後に、政治団体ごと晋三が相続した。
たったこれだけのことだ。
なんで、こんなにいい加減なことが、時効になるまで明らかにならなかったのか。政治家を特別扱いする国税庁の罪も含めて、大問題である。
デキレースの総裁選などより、この問題のほうがはるかにオオゴトなのに、マスゴミは例によって沈黙。
■■
忘れている大事なことの二つ目は、モノを言えない状態は、総理が誰だろうとお構いなしに、時々刻々と進行しているということ。
暴走族の集会規制した広島市条例は「合憲」 最高裁
2007年09月18日朝日
暴走族の集会などを規制した広島市暴走族追放条例の規定が「表現の自由」などを保障する憲法に違反するかが争われた刑事裁判の上告審判決で、最高裁第三小法廷(堀籠幸男裁判長)は18日、「違憲とまではいえない」との判断を示した。
条例は、「何人も公共の場所で許可を得ずに、公衆に不安または恐怖を覚えさせる集会をしてはならない」と定め、市が中止・退去命令を出しても従わなかった場合に刑事罰を科すとした。
暴走族なんだから仕方ない。
その考えが、すべての不幸の始まりだ。
暴走族が、通行人を怪我させたのならば、暴行罪になるだろう。
暴走したのならば、道交法違反になるだろう。
しかし、集会の自由は、暴走族だろうがテロリストだろうが、絶対的に保障されている。
もちろん、極右であろうが、オウムであろうが、オタクであろうが、関係ない。
何人たりとも、集会の自由はある。
にもかかわらず、暴走族だから、集会の自由を奪っていい、という最高裁の判決は、法治国家であることを放棄した
判決だ。
こんなものは、法律ではなく、俗論である。
しかも、この条例は、原則として「何人も」と規定しており、容易に拡大解釈されることは裁判官の反対意見でも書かれている。
こうして、殺人犯やオウムや暴走族のように、俗に「社会悪」とされるものが当て馬にされて、モノ言えぬ社会は進行していく。
■■
意味合いは違うが、こんな事件もあった。
2病院の事務長ら逮捕 医療廃棄物、無許可業者に委託-大阪府警
2007/07/11
使用済みの注射針やガーゼなどの医療廃棄物を無許可業者に収集させたとして、大阪府警警備部などは11日、廃棄物処理法違反の疑いで、大阪府高槻市の「富田町病院」事務長林田吉智容疑者(47)=同市玉川=と「うえだ下田部病院」総務課長西川陽平容疑者(38)=同市登町=を逮捕した。
調べでは、林田、西川両容疑者は2003年11月以降、高槻市長の許可を得ていない廃棄物収集運搬会社「メスジャパン」(大阪市北区)などに、それぞれ医療廃棄物の収集を委託するなどした疑い。2人とも黙秘しているという。
詳しい経緯はこちらに出ている。
要するに、廃棄物処理法上の手続きミスを口実にして、処理業を営んでいた部落解放運動の活動家を逮捕し、さらに、その業者と契約していた病院の事務長まで逮捕した、という事件。
実はこの病院は、地域医療に取り組み、理事長などが高槻市議になり、もちろん組合もふくめて、病院ぐるみで反戦に取り組んでいる、「反戦な医療機関」なのである。
当然ながら二人とも不起訴釈放だったようだが、廃棄物処理法で逮捕されたのに、担当が公安だったというのだから、逮捕のねらいは明らかだ。
ひとの命の入れ物である家を作る人間が反戦を言うのは当然なように、ひとの命を救う医療機関が、反戦を訴えるのは、あったりまえのことだと思うのだが、それさえも弾圧しようというのである。
■■
こうやって、「戦争反対」などと言っただけで、眉をひそめるような社会が作られている。
すでに、相当進行している。なにせ、「反戦」と検索すると、このブログがウィキの次に出てくるくらい、世の中の反戦が減少している。
しかも、googleで2位に出てくるこのブログが、yahooでは52位であるという不思議。
これは、福田だろうが麻生だろうが、関係なく進行している事態。
戦争反対を言えない社会づくり、それは、俗論によって「悪人」の人権がないがしろにされることから始まる。
コイズミの従米改革路線と、安倍が体現した極右改憲路線とは、結局同じ穴のムジナとはいえ、実際の政治運営上はすんなりとは行かない。
特に、改憲を目指す以上は、平沼赳夫などの極右勢力も糾合して、なおかつ公明党も離れないようにしておかなければ、目的は遂げられない。
まして、参議院でこういうことになったら、なおさらのこと。
麻生が政権を執れば、極右は大喜びするだろうが、創価学会は末端組織がもたない。
だからと言って、コイズミのような使い捨て方式では極右は分裂してゆく。
アメリカの言うことも聞きつつ、極右の喜びそうなこともして見せつつ、池田大先生の顔色もうかがいつつ、国政を担おうというのが、福田に与えられた使命というわけ。
もちろん、これだけあっちこっちのご機嫌伺いをしていると、国民のことなど気にかけているヒマがないのは言うまでもない。
そんなこんなで、世の中は総裁選の話題でもちきりだが、大事なことを忘れている。
■■
一つは、安倍晋三の3億円脱税問題だ。
週刊現代にだされたこの大スクープを、サプライズ辞任で帳消しにしているけれども、3億円もの脱税を、首相辞任したくらいで「なかったこと」にしていいのか??
しかも、その手口は杜撰きわまりない。
晋太郎が政治団体に6億円あまりを献金し、その死後に、政治団体ごと晋三が相続した。
たったこれだけのことだ。
なんで、こんなにいい加減なことが、時効になるまで明らかにならなかったのか。政治家を特別扱いする国税庁の罪も含めて、大問題である。
デキレースの総裁選などより、この問題のほうがはるかにオオゴトなのに、マスゴミは例によって沈黙。
■■
忘れている大事なことの二つ目は、モノを言えない状態は、総理が誰だろうとお構いなしに、時々刻々と進行しているということ。
暴走族の集会規制した広島市条例は「合憲」 最高裁
2007年09月18日朝日
暴走族の集会などを規制した広島市暴走族追放条例の規定が「表現の自由」などを保障する憲法に違反するかが争われた刑事裁判の上告審判決で、最高裁第三小法廷(堀籠幸男裁判長)は18日、「違憲とまではいえない」との判断を示した。
条例は、「何人も公共の場所で許可を得ずに、公衆に不安または恐怖を覚えさせる集会をしてはならない」と定め、市が中止・退去命令を出しても従わなかった場合に刑事罰を科すとした。
暴走族なんだから仕方ない。
その考えが、すべての不幸の始まりだ。
暴走族が、通行人を怪我させたのならば、暴行罪になるだろう。
暴走したのならば、道交法違反になるだろう。
しかし、集会の自由は、暴走族だろうがテロリストだろうが、絶対的に保障されている。
もちろん、極右であろうが、オウムであろうが、オタクであろうが、関係ない。
何人たりとも、集会の自由はある。
にもかかわらず、暴走族だから、集会の自由を奪っていい、という最高裁の判決は、法治国家であることを放棄した
判決だ。
こんなものは、法律ではなく、俗論である。
しかも、この条例は、原則として「何人も」と規定しており、容易に拡大解釈されることは裁判官の反対意見でも書かれている。
こうして、殺人犯やオウムや暴走族のように、俗に「社会悪」とされるものが当て馬にされて、モノ言えぬ社会は進行していく。
■■
意味合いは違うが、こんな事件もあった。
2病院の事務長ら逮捕 医療廃棄物、無許可業者に委託-大阪府警
2007/07/11
使用済みの注射針やガーゼなどの医療廃棄物を無許可業者に収集させたとして、大阪府警警備部などは11日、廃棄物処理法違反の疑いで、大阪府高槻市の「富田町病院」事務長林田吉智容疑者(47)=同市玉川=と「うえだ下田部病院」総務課長西川陽平容疑者(38)=同市登町=を逮捕した。
調べでは、林田、西川両容疑者は2003年11月以降、高槻市長の許可を得ていない廃棄物収集運搬会社「メスジャパン」(大阪市北区)などに、それぞれ医療廃棄物の収集を委託するなどした疑い。2人とも黙秘しているという。
詳しい経緯はこちらに出ている。
要するに、廃棄物処理法上の手続きミスを口実にして、処理業を営んでいた部落解放運動の活動家を逮捕し、さらに、その業者と契約していた病院の事務長まで逮捕した、という事件。
実はこの病院は、地域医療に取り組み、理事長などが高槻市議になり、もちろん組合もふくめて、病院ぐるみで反戦に取り組んでいる、「反戦な医療機関」なのである。
当然ながら二人とも不起訴釈放だったようだが、廃棄物処理法で逮捕されたのに、担当が公安だったというのだから、逮捕のねらいは明らかだ。
ひとの命の入れ物である家を作る人間が反戦を言うのは当然なように、ひとの命を救う医療機関が、反戦を訴えるのは、あったりまえのことだと思うのだが、それさえも弾圧しようというのである。
■■
こうやって、「戦争反対」などと言っただけで、眉をひそめるような社会が作られている。
すでに、相当進行している。なにせ、「反戦」と検索すると、このブログがウィキの次に出てくるくらい、世の中の反戦が減少している。
しかも、googleで2位に出てくるこのブログが、yahooでは52位であるという不思議。
これは、福田だろうが麻生だろうが、関係なく進行している事態。
戦争反対を言えない社会づくり、それは、俗論によって「悪人」の人権がないがしろにされることから始まる。
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