2007-12-15(Sat)
二つの決議
今朝、パソコンを開くとグーグルニュースのトップは、二つの決議の記事だった。
一つは、
慰安婦決議の要旨 12月14日 中国新聞
欧州連合(EU)欧州議会が採択した従軍慰安婦決議の要旨は次の通り。
▽事実認定など
一、第2次大戦終戦まで日本政府は軍に対する性的労働のため、慰安婦徴用に関与。
一、20世紀最大の人身売買の1つ。
一、数十件の訴訟が日本の法廷で棄却。
一、1993年の河野洋平官房長官、94年の村山富市首相の談話を歓迎。
一、日本の一部政治家が談話を希薄化、無効化する意見を表明。
一、日本の一部学校教科書が慰安婦問題を矮小(わいしょう)化。
▽対日要求
一、公式な被害認定、謝罪を行い、明確な形で歴史的、法的な責任を負うことを日本政府に要求。すべての元慰安婦、遺族らへの賠償を要求。
一、慰安婦問題が存在しないとする主張に対する公式な否定を要求。
一、日本の国会に賠償請求の障害を除去する立法措置を要求。
一、日本国民と政府に、自国の歴史を十分に認識することを奨励し、将来にわたる教育を要求。
まったくその通り。全面的に賛同したい。
これに対し、読売は下記のような社説を出した。「こういうことを言う輩がいるから、EUの決議が上がるんだ」ということを、わざわざ証明しているようなものだ。
慰安婦決議 欧州での連鎖反応が心配だ
日本の信用を貶(おとし)めるような決議がこれ以上広がらないよう、政府は各国政府に強く働きかけるべきである。
欧州議会の決議は、少数会派の緑の党が推進し、採決の際に出席した議員は全体の1割にも満たなかった。
中国・韓国系の反日団体も背後で動いている。
遺憾な事件であったが、軍が組織的に慰安婦を強制連行したのではないことを示す「反証」でもある。
第2次大戦中、ドイツ軍も東ヨーロッパなどの占領地に、500か所以上の“慰安所”を持っていた。
緑の党には、ドイツ選出の議員も多い。自らの国の問題には口をつぐむつもりなのだろうか。
日本が繰り返し批判される背景には、1993年の河野官房長官談話がある。
そうした事実を裏づける資料はなく、「強制連行」を認めるよう迫る韓国側の圧力をかわすためだったことを、石原信雄元官房副長官らが証言している。
国際社会の誤解の根元である河野談話を見直していくことも必要だろう。
(12月15日 読売社説より抜粋)
戦争犯罪の「恩恵」で戦後にオイシイ思いをしてきた連中の主張が、凝縮されている。
意図的な事実誤認や詭弁の類は、ここでは議論しない。
ただ、このようにムキになって否定しても、あまりにも残虐な行為に手を染めたものは、末代まで呪われるということは間違いない。
この記事は、それを、恐れおののいているということ、つまり、否定すればするほど罪を認めているということの「反証」でもある。
そのうえでしかし、なぜ今EUでこの決議なのか、という疑問もないでもない。
EUが正義に基づいて行動するような組織では、全くないことは論をまたない。
決議の内容には全面的に賛同するが、なぜEUが決議したのかという目的は気にはなる。
そこで、今朝のトップ記事の二つ目
給油新法成立期し国会再延長が決定、解散念頭に政局一気に緊迫化へ
2007年 12月 14日 ロイター
福田首相は14日、内閣記者会とのインタビューで国会会期延長に関連して「懸案の新テロ対策特別措置法案の審議に全力をあげる」と述べ、法案成立に向けた強い決意を口にした。
11月16日にブッシュ米大統領と会談した際に法案の成立に全力で取り組む旨を表明しており、対外的にも審議未了・廃案にはできない。
こうやって記事を眺めていると、囚人部隊を思い出してしまう。
罪をなかったことにしてもらうために、戦争に動員される囚人たち。これは、日本もふくめて古代にはあたりまえのことであったし、第2次大戦でもそういうことはあったらしい。
今の日本の姿は、まさに、この囚人部隊ではないのか。
過去の犯罪を開き直り、なかったことにしてもらうために、あらたな戦争犯罪に与していく。
「戦争をしたいから、戦争を反省しない」という武器商人の発想もたしかにあるはずだ。
それと同時に、「戦争の反省をしたくないから、戦争をする」という囚人部隊の発想もたしかにあるような気がする。
読売社説に代表される、このような惨めな生き様を強制されるのは、まっぴら御免こうむりたい。
安倍や福田や、自民党、公明党のような、卑屈な生き方は、自分も自分の子どもたちも、したくない。
朝っぱらから、そんなことを考えさせられた。
※古代の囚人部隊について、下記のような意見をいただいた。なるほど。
<日本をふくめて古代にはあたりまえのことであったし>←これ、違うと思うヨ。”蒙古襲来”の時に最前線に送られたのは、みちのく出身の兵士だった。みちのく出身とはいうものの、かつては「蝦夷」であり、大和朝廷に降服し捕虜として連行されゲットーに囲い込まれた(別所などという)「俘囚」のことだった。だから、「罪」ではなく「植民支配された異民族」ゆえの動員部隊です。「囚人」というには大分いまの概念とは違うと思います。殺人や盗っ人の類ではないのですから。参考:http://maoda.hp.infoseek.co.jp/fusyuu1.html
一つは、
慰安婦決議の要旨 12月14日 中国新聞
欧州連合(EU)欧州議会が採択した従軍慰安婦決議の要旨は次の通り。
▽事実認定など
一、第2次大戦終戦まで日本政府は軍に対する性的労働のため、慰安婦徴用に関与。
一、20世紀最大の人身売買の1つ。
一、数十件の訴訟が日本の法廷で棄却。
一、1993年の河野洋平官房長官、94年の村山富市首相の談話を歓迎。
一、日本の一部政治家が談話を希薄化、無効化する意見を表明。
一、日本の一部学校教科書が慰安婦問題を矮小(わいしょう)化。
▽対日要求
一、公式な被害認定、謝罪を行い、明確な形で歴史的、法的な責任を負うことを日本政府に要求。すべての元慰安婦、遺族らへの賠償を要求。
一、慰安婦問題が存在しないとする主張に対する公式な否定を要求。
一、日本の国会に賠償請求の障害を除去する立法措置を要求。
一、日本国民と政府に、自国の歴史を十分に認識することを奨励し、将来にわたる教育を要求。
まったくその通り。全面的に賛同したい。
これに対し、読売は下記のような社説を出した。「こういうことを言う輩がいるから、EUの決議が上がるんだ」ということを、わざわざ証明しているようなものだ。
慰安婦決議 欧州での連鎖反応が心配だ
日本の信用を貶(おとし)めるような決議がこれ以上広がらないよう、政府は各国政府に強く働きかけるべきである。
欧州議会の決議は、少数会派の緑の党が推進し、採決の際に出席した議員は全体の1割にも満たなかった。
中国・韓国系の反日団体も背後で動いている。
遺憾な事件であったが、軍が組織的に慰安婦を強制連行したのではないことを示す「反証」でもある。
第2次大戦中、ドイツ軍も東ヨーロッパなどの占領地に、500か所以上の“慰安所”を持っていた。
緑の党には、ドイツ選出の議員も多い。自らの国の問題には口をつぐむつもりなのだろうか。
日本が繰り返し批判される背景には、1993年の河野官房長官談話がある。
そうした事実を裏づける資料はなく、「強制連行」を認めるよう迫る韓国側の圧力をかわすためだったことを、石原信雄元官房副長官らが証言している。
国際社会の誤解の根元である河野談話を見直していくことも必要だろう。
(12月15日 読売社説より抜粋)
戦争犯罪の「恩恵」で戦後にオイシイ思いをしてきた連中の主張が、凝縮されている。
意図的な事実誤認や詭弁の類は、ここでは議論しない。
ただ、このようにムキになって否定しても、あまりにも残虐な行為に手を染めたものは、末代まで呪われるということは間違いない。
この記事は、それを、恐れおののいているということ、つまり、否定すればするほど罪を認めているということの「反証」でもある。
そのうえでしかし、なぜ今EUでこの決議なのか、という疑問もないでもない。
EUが正義に基づいて行動するような組織では、全くないことは論をまたない。
決議の内容には全面的に賛同するが、なぜEUが決議したのかという目的は気にはなる。
そこで、今朝のトップ記事の二つ目
給油新法成立期し国会再延長が決定、解散念頭に政局一気に緊迫化へ
2007年 12月 14日 ロイター
福田首相は14日、内閣記者会とのインタビューで国会会期延長に関連して「懸案の新テロ対策特別措置法案の審議に全力をあげる」と述べ、法案成立に向けた強い決意を口にした。
11月16日にブッシュ米大統領と会談した際に法案の成立に全力で取り組む旨を表明しており、対外的にも審議未了・廃案にはできない。
こうやって記事を眺めていると、囚人部隊を思い出してしまう。
罪をなかったことにしてもらうために、戦争に動員される囚人たち。これは、日本もふくめて古代にはあたりまえのことであったし、第2次大戦でもそういうことはあったらしい。
今の日本の姿は、まさに、この囚人部隊ではないのか。
過去の犯罪を開き直り、なかったことにしてもらうために、あらたな戦争犯罪に与していく。
「戦争をしたいから、戦争を反省しない」という武器商人の発想もたしかにあるはずだ。
それと同時に、「戦争の反省をしたくないから、戦争をする」という囚人部隊の発想もたしかにあるような気がする。
読売社説に代表される、このような惨めな生き様を強制されるのは、まっぴら御免こうむりたい。
安倍や福田や、自民党、公明党のような、卑屈な生き方は、自分も自分の子どもたちも、したくない。
朝っぱらから、そんなことを考えさせられた。
※古代の囚人部隊について、下記のような意見をいただいた。なるほど。
<日本をふくめて古代にはあたりまえのことであったし>←これ、違うと思うヨ。”蒙古襲来”の時に最前線に送られたのは、みちのく出身の兵士だった。みちのく出身とはいうものの、かつては「蝦夷」であり、大和朝廷に降服し捕虜として連行されゲットーに囲い込まれた(別所などという)「俘囚」のことだった。だから、「罪」ではなく「植民支配された異民族」ゆえの動員部隊です。「囚人」というには大分いまの概念とは違うと思います。殺人や盗っ人の類ではないのですから。参考:http://maoda.hp.infoseek.co.jp/fusyuu1.html
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