2005-09-26(Mon)

地震と韓流とファシズム

昨日は地震について、いい家塾というNPOで講義してきた。さすがに、みな関心が高く、集中した講義ができた。

その講義のために、いろいろ調べものをしていて、ふとオカシイなことに気が付いた。

明治以来、地震でなくなっている方(行方不明含む)は約20万人。半分は関東大震災の被災者。年に平均すると1500人くらい。確かに多い。

次に、この10年間の死亡者は約6500人。ほとんどは阪神淡路の被災者。年に平均で約650人。 これでも多いが、明治以来の40%程度になっていて、少しは対策が進んでいることはうかがえる。

ところが、何かしら家が原因で死ぬ人は他にもいる。風呂で溺死する人は、3000人/年。階段などで転んで死ぬ人が2000人/年。火災で死ぬ人が1200人/年。(1997年資料)

そう、地震よりも風呂のほうが2倍も危ない、ということだ。階段やちょっとした段差で地震よりもはるかに多くの人が死んでいるのだ。にもかかわらず、地震の危険性はセンセーショナルに取りあげられ、風呂の問題などはマニアックな教育放送などでしか取りあげられないのはなぜか???

ファシズムが成立してゆく道筋は、だいたいこんな風だ。社会不安の高まり、仮想敵の想定、非常事態に乗じたファシズムの暴発、「民主」的手続きを踏んだ権力奪取、民主主義的な手続きの廃止。

地震と聞いて、関東大震災の朝鮮人虐殺を思い出さない人は、日本人でいる資格がない、と私は思う。2711人とも6415人とも言われているが、いずれにしても実態が把握できないほどメチャクチャしたことを逆手にとって、「人数が正確でない」と鬼の首を取ったように言う輩がいる。まるで、それで虐殺の責任は無かったかのような言いぶりだ。

関東大震災が起きた1923年の2年後、治安維持法が成立し、特高警察の支配する世の中になった。そして、1928年張作霖爆殺、1929年世界恐慌、1931年柳条湖事件をもって本格的な中国侵略の開始。

他にも色んな要素は当然あるだろうが、大震災で朝鮮人虐殺を行った、少なくとも傍観したことが、その後の進路を決定づけてしまったのではないか。そんな気がする。

最近では、アメリカのカトリーナだ。あの対応の遅さは異常としか言いようがない。いくらゼネコンを儲けさせたいからといって、陸続きの、しかもブッシュの地元のすぐ近くで、あれだけ放置してということは、社会不安をあおる目的以外には考えられない。

イラク反戦の声が高まる中で、9.11事件以来の、ショック療法を国民に強いようとしたのだろうが、幸いアメリカ人はこれには乗らなかった。24日にはワシントンやロスで10万人規模の反戦集会が行われたそうだ。

ブッシュを再選したアメリカ人も大概だが、日本人は歴史的にもっと愚かな面をもっている。社会不安をあおればあおるほど、コイズミ総統のような独裁的なイメージにすり寄ろうとする。その現在の日本で、連日あおりまくられているのが、「地震が来るぞ!」である。

もちろん、冒頭書いたように、私自身建築家として地震の怖さは分かっているつもりだ。「地震が来るぞ!」もあながちウソではない。

ウソではないからこそ、より大きなリスクを無視してでも繰り広げられる地震キャンペーンがリアリティーを持つのだ。こうした、通奏低音とでも言うべき不安感の上に、増税などの弱者切り捨てが進行してゆくとき、軟弱な日本人が逃げ道を求めてファシズムに殺到する下地が醸成されていく。

ファシズムの暴発にもう一つ必要なのは、仮想敵である。これはすでに北朝鮮がやり玉に挙げられている。もちろん、北朝鮮の国としてのあり方が良いとは思わない。拉致問題も全てがウソというわけではない。だからこそ、反北朝鮮キャンペーンがリアリティを持ってしまう。

しかし、「何でもかんでも北朝鮮悪い」ということにはならないはずだが、もはやマスコミの「常識」すらそのあたりまで行ってしまっている。虐殺の責任も、戦争の責任も、正面から受け止めることのできない、情けない日本人は、逆ギレして北朝鮮をぶっ叩くことによって誤魔化そうとしている。

誤魔化すときほど、人間は汚くなる。残虐になる。これが、ファシズムに転がり落ちていくときの、大衆の心理なのではないかと思う。

ちなみに、北朝鮮を叩くときに、韓国まで叩いてしまうと、政治的に都合が悪い。そこで、颯爽と登場したのがヨンさまだったのではないか。

韓流ブームと拉致問題が時を同じくしてマスコミに騒がれたのは、単なる偶然とは思えない。冬ソナを流していたのはNHKだったこともある。チェ・ジウは私もファンであるし、彼らにそのような意図があったとは思わないが、そのように日本のマスコミに利用されていた疑いはある。

なんだか、まとまらない記述になったが、試論として書き留めておく。
地震とファシズムの問題は、これからもつっこんで書いてゆきたい。

なお、Arisan氏の「谷崎・震災・ファシズム」、サムライ氏の「9・11選挙の正体」など、参考にさせてもらいました。
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