2008-04-15(Tue)
ドル暴落とチベット
ドルの暴落は止まらない。
1ユーロ1.6ドルの大台にむけて、ずるずると下がり続けている。
人民元に対しても、1元6ドルの大台へと落ち込んだ。
ところが、それでもドルは暴落しない、という論もある。
【円ドル人民元】「それでもドルは暴落しない」
2008.4.7 産経ニュース
非常にわかりやすい。
アメリカ国債を、力ずくで売り込む、または売らせないようにすれば、本当のドル暴落は訪れない、という話だ。
右翼連中の期待に反して、アメリカがチベット問題に及び腰なのも、中国が世界最大の米国債保有国だからだということも、ちゃんと書いてある。
しかし、産経さん、それは楽観的に過ぎるでしょう。
アメリカが及び腰というよりも、アメリカを揺さぶるために中国政府はチベットの弾圧をことさら強硬にやって見せたということではないのか。
札びらで頬を叩くというが、この場合は、米国債でブッシュの頬をピシャピシャとやらかしたわけだ。
直接ブッシュのほっぺたをひっぱたいたのならば、勝手にやってろ、てなもんだが、直接頬を叩く代わりに、なんとチベットを叩いたのである。
案の定、アメリカとその方針を逸脱できないダライ・ラマは、不満を爆発させたチベットの人々とは一線を画す方向へ進んでいる。
ダライ・ラマが会見「暴力拡大なら辞任」
2008.4.14 日経
中国を叩くためのカードにするために、チベット亡命政府に中途半端なテコ入れをしてきたアメリカは、カードとしての存在を超えた不満の爆発に対しては、逆に中国と一緒になって抑える側にまわっている。
だいたい、生まれ変わりで代々引き継がれるダライ・ラマという立場に、「辞任」なんてあり得るのだろうか?
そこに、割って入ったのが欧州・ユーロ勢である。
ドルにとって代わるチャンス到来とばかりに、わざとオリンピックのボイコットを言い立てている。
中国にしてみれば、アメリカの足下を見て揺さぶったつもりが、思わぬ伏兵が現れたことになるが、そのねらいは、オリンピックを人質にして、アメリカの弱さを際だたせたい、ということだろう。
アメリカは、欧州に対抗してオリンピックをボイコットすれば米国債の暴落という悪夢が待っているし、ボイコットしなければチベットを見捨てて中国政府にひれ伏す姿を世界中に晒すことになる。
これまた、アメリカの威信の低下を招き、産経が言うような力ずくの国債押し売りができなくなり、結局行き着く先はドルの暴落ということになる。
こんな大国の都合で、アメリカに見捨てられ、中国に弾圧され、欧州に煽られ、翻弄されるチベットの人たちこそ被害者であることはあきらか。
ユーロ勢を応援するわけではもちろんないけれども、アメリカとダライ・ラマが抑えに回った今だからこそ、かえって中国政府の弾圧を厳しく指弾すべきだろう。
ところが、3月にはあれほど騒がしかった中国批判が、急に静かになっている。
中国批判よりは、チベットに注目することを中心にしたサイトは、今でも現地情報などを届けてくれているが、チベットのことなどどうでもいいくせに、とにかく条件反射で中国批判をやらかす連中は、アメリカの動向をみて一気にしぼんでしまったようだ。
匿名のくだらないコメントは当ブログにも今でも来るけれども、実体のはっきりしている(つまりCIAに正体のわかる)人々は、ネット上で見る限り最近すっかり沈黙傾向だ。
たとえば、原田義昭という自民党議員のブログを見ると
3/22 台湾の馬英九氏さえもオリンピック不参加があり得ることを明言したところで、我が国もその選択枝を排除してはならない
3/30 我が国はオリンピックにどう対応すべきか、ダライ・ラマ14世との折衝も含めて中国の今後の出方を見極めたうえで判断すべきであって、私の政治行動として不参加の選択肢もあり得る
と、3月の間は勢いがいい。ところが、
4/7 主催国となればそれなりに努力しなければならず、他を批判しておればいいというわけにはいきません
4/11 オリンピックはどうなるのか、中国はどうするのか、日本はどう対応するのか、そしてこれがアジアや世界にどう響いてくるのか、実は結構難しい問題になってきました
と、奥歯に何か挟まったような物言いに変化している。
今でも、派手にオリンピックのボイコットを呼びかけているのは、都議の土屋敬之や、新風の会の瀬戸弘幸など、一部のキワモノ的な勢力に限られている。
もう一つ、不思議なブログも発見。
北京オリンピックをボイコットしよう! 依存症の独り言
8月7日までトップに置くと宣言しながら、<トップページ>を表示されると、すでにこの記事は消えてなくなり、バナーだけが残っている。
本当にチベットを心配して中国を指弾するものと、中国を叩きたい一心でチベットを利用しているものと、アメリカの動向にシッポを振っているだけのものと、はっきりと識別できるようになってくるだろう。
1ユーロ1.6ドルの大台にむけて、ずるずると下がり続けている。
人民元に対しても、1元6ドルの大台へと落ち込んだ。
ところが、それでもドルは暴落しない、という論もある。
【円ドル人民元】「それでもドルは暴落しない」
2008.4.7 産経ニュース
非常にわかりやすい。
アメリカ国債を、力ずくで売り込む、または売らせないようにすれば、本当のドル暴落は訪れない、という話だ。
右翼連中の期待に反して、アメリカがチベット問題に及び腰なのも、中国が世界最大の米国債保有国だからだということも、ちゃんと書いてある。
しかし、産経さん、それは楽観的に過ぎるでしょう。
アメリカが及び腰というよりも、アメリカを揺さぶるために中国政府はチベットの弾圧をことさら強硬にやって見せたということではないのか。
札びらで頬を叩くというが、この場合は、米国債でブッシュの頬をピシャピシャとやらかしたわけだ。
直接ブッシュのほっぺたをひっぱたいたのならば、勝手にやってろ、てなもんだが、直接頬を叩く代わりに、なんとチベットを叩いたのである。
案の定、アメリカとその方針を逸脱できないダライ・ラマは、不満を爆発させたチベットの人々とは一線を画す方向へ進んでいる。
ダライ・ラマが会見「暴力拡大なら辞任」
2008.4.14 日経
中国を叩くためのカードにするために、チベット亡命政府に中途半端なテコ入れをしてきたアメリカは、カードとしての存在を超えた不満の爆発に対しては、逆に中国と一緒になって抑える側にまわっている。
だいたい、生まれ変わりで代々引き継がれるダライ・ラマという立場に、「辞任」なんてあり得るのだろうか?
そこに、割って入ったのが欧州・ユーロ勢である。
ドルにとって代わるチャンス到来とばかりに、わざとオリンピックのボイコットを言い立てている。
中国にしてみれば、アメリカの足下を見て揺さぶったつもりが、思わぬ伏兵が現れたことになるが、そのねらいは、オリンピックを人質にして、アメリカの弱さを際だたせたい、ということだろう。
アメリカは、欧州に対抗してオリンピックをボイコットすれば米国債の暴落という悪夢が待っているし、ボイコットしなければチベットを見捨てて中国政府にひれ伏す姿を世界中に晒すことになる。
これまた、アメリカの威信の低下を招き、産経が言うような力ずくの国債押し売りができなくなり、結局行き着く先はドルの暴落ということになる。
こんな大国の都合で、アメリカに見捨てられ、中国に弾圧され、欧州に煽られ、翻弄されるチベットの人たちこそ被害者であることはあきらか。
ユーロ勢を応援するわけではもちろんないけれども、アメリカとダライ・ラマが抑えに回った今だからこそ、かえって中国政府の弾圧を厳しく指弾すべきだろう。
ところが、3月にはあれほど騒がしかった中国批判が、急に静かになっている。
中国批判よりは、チベットに注目することを中心にしたサイトは、今でも現地情報などを届けてくれているが、チベットのことなどどうでもいいくせに、とにかく条件反射で中国批判をやらかす連中は、アメリカの動向をみて一気にしぼんでしまったようだ。
匿名のくだらないコメントは当ブログにも今でも来るけれども、実体のはっきりしている(つまりCIAに正体のわかる)人々は、ネット上で見る限り最近すっかり沈黙傾向だ。
たとえば、原田義昭という自民党議員のブログを見ると
3/22 台湾の馬英九氏さえもオリンピック不参加があり得ることを明言したところで、我が国もその選択枝を排除してはならない
3/30 我が国はオリンピックにどう対応すべきか、ダライ・ラマ14世との折衝も含めて中国の今後の出方を見極めたうえで判断すべきであって、私の政治行動として不参加の選択肢もあり得る
と、3月の間は勢いがいい。ところが、
4/7 主催国となればそれなりに努力しなければならず、他を批判しておればいいというわけにはいきません
4/11 オリンピックはどうなるのか、中国はどうするのか、日本はどう対応するのか、そしてこれがアジアや世界にどう響いてくるのか、実は結構難しい問題になってきました
と、奥歯に何か挟まったような物言いに変化している。
今でも、派手にオリンピックのボイコットを呼びかけているのは、都議の土屋敬之や、新風の会の瀬戸弘幸など、一部のキワモノ的な勢力に限られている。
もう一つ、不思議なブログも発見。
北京オリンピックをボイコットしよう! 依存症の独り言
8月7日までトップに置くと宣言しながら、<トップページ>を表示されると、すでにこの記事は消えてなくなり、バナーだけが残っている。
本当にチベットを心配して中国を指弾するものと、中国を叩きたい一心でチベットを利用しているものと、アメリカの動向にシッポを振っているだけのものと、はっきりと識別できるようになってくるだろう。
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