2008-04-23(Wed)
日本の闇は益々暗く 安田弁護士への不当弾圧
安田弁護士に逆転有罪
2008.4.23 時事通信
旧住宅金融専門会社(住専)大口融資先だった不動産会社の資産隠し事件で、強制執行妨害罪に問われた弁護士安田好弘被告(60)に対する控訴審判決が23日、東京高裁であり、池田耕平裁判長は一審の無罪判決を破棄、罰金50万円を言い渡した。池田裁判長は一審判決について「証拠評価は相当でなく、事実を誤認したと言わざるを得ない」と述べた。
公判では、安田被告が資産隠しを指示したとする関係者供述の信用性が主な争点となった。
一審東京地裁は2003年12月、関係者供述について、「不自然さや重要な点で変遷がある」と指摘。検察官による誘導の疑いを挙げた上で、「犯罪の証明がない」とした。
安田弁護士に逆転有罪 強制執行妨害で罰金50万円
208.4.23 47NEWS
顧問先の不動産会社社長らに資産隠しを指南したとして強制執行妨害罪に問われた弁護士安田好弘被告(60)の控訴審判決で東京高裁(池田耕平裁判長)は23日、1審の無罪(求刑懲役2年)判決を破棄、罰金50万円の逆転有罪を言い渡した。
山口県光市の母子殺害事件など多くの刑事裁判を担当した人権派弁護士で、死刑廃止運動の中心的存在としても知られ、判決が注目されていた。
顧問先へのアドバイス内容が、弁護士の正当業務か犯罪だったのかが争われ、「被告が資産隠しの具体的方法を指示した」とする不動産会社の元社員の証言の信用性が最大の争点になった。
2003年12月の東京地裁判決は信用性を否定。「元社員は逮捕されたのに不起訴になり、一種の司法取引の形で迎合する供述をしたとみられる」と捜査を批判した。
検察側は「元社員は捜査段階から同様の内容を話し、社長の供述とも符合し高度の信用性がある」と主張。
安田弁護士に逆転有罪の判決 強制執行妨害
2008年04月23日朝日
山口県光市で起きた母子殺害事件で被告の主任弁護人を務めた弁護士の安田好弘被告(60)が、98年に強制執行妨害罪で起訴された事件の控訴審で、東京高裁(池田耕平裁判長)は23日、一審・東京地裁の無罪判決を破棄し、安田弁護士に罰金50万円(求刑懲役2年)を命じる判決を言い渡した。
安田弁護士は、光市の事件のほか、オウム真理教の松本智津夫(麻原彰晃)死刑囚の一審で主任弁護人を務め、死刑廃止運動でも中心メンバーとして活動してきた。
松本死刑囚の一審公判中に逮捕、起訴されたことで弁護団は「違法捜査によって作り上げられた事件で、弁護士業務への不当な介入だ」と捜査当局を批判。控訴審では約2100人の弁護士が弁護団に加わり、無罪を主張していた。
オウム事件や、光市事件など、世論も裁判所も法律を忘れて感情論だけでヒステリックに「吊せ」と避けぶ、現代の魔女裁判において、はっきりと被告の弁護をすることは、何よりも勇気の要ることだ。
もちろん、やったことをやっていない、と弁護するわけではない。
事実と法律に基づいて判断すべし、ということを、どこまでも貫くという、一見あたりまえのことが、命がけの勇気を必要とする、この日本の闇。
被害者にも当然だが、被告人や犯罪者にも人権はあるという、現代の法治国家の常識が、今日本では覆されてしまった。
麻原彰晃や元少年ばかりでなく、言うもおぞましい犯罪者であっても、やはり法律上は人権はある。
犯罪者や被告の人権が無い国で、拷問やリンチが常態化するのは間違いない。
そうやって、感情的にあおって、なんでもありで極悪犯が作られ、感情論で裁かれ、殺されていく。
感情論で裁判が決まる。
これが、どんなに恐ろしいことになるか、裁判員制度が始まるやいなや、明らかになるだろう。
権力者とマスコミによって作られた「常識」に逆らうことは、社会的な、場合によっては生物としての死を意味することになるからだ。
まさに、イジメられないようにイジメル側に回ろうとする、卑劣や(そして弱い)人間の大集合になる。
先を競って、模範的な「いじめっ子」を演じ、自らの立場を守るために、他人を「いじめられっ子」に蹴落とそうとする。
まわりの人間の一挙手一投足に至るまで、鵜の目鷹の目で粗探しをする。
もちろん、相手も同じことをしているのだから、ちょっと油断すれば、自分のふとした動作や言葉の端が反社会的と言揚げされ、一気に責められる。
すでに、そうした社会になっていると言えば言えるけれども、それが個人のレベルではなく、警察や裁判まで含んで繰り広げられていくのである。
今回の、光市事件と安田弁護士への連続不当判決は、こうした暗黒社会の始まりである。
今は、喜んでいる人たちも、明日は我が身だということを、肝に銘じてほしい。
追記 安田弁護士が逮捕時されたときの、宮崎学のコメントを見かけたので、リンク貼っておきます
ついに牙をむいた「中坊公平型」ファシズム 安田弁護士逮捕事件についての緊急声明
追記2 東京新聞の解説
司法の信頼 損ねる懸念
強制執行妨害罪に問われた弁護士安田好弘被告に対する東京高裁判決は、罰金刑とすることで新たな不利益を科さない代わりに弁護士に有罪の汚名を着せる形になった。
一方で、高裁は検察側が描いた事件の構図を崩し、共謀共同正犯ではなく、ほう助にとどまるとの結論を導いた。共謀を認めた上で量刑で差をつける判例が多く、判決の理論構成に「唐突な印象を受けた」(弁護団)との指摘もある。
来年から施行される裁判員制度では、捜査段階の調書よりも法廷でのやりとりが重視される。しがらみのない裁判員ならどんな結論に導くか、という視点をプロの裁判官は持つべきだろう。
被告は実行行為から五年半以上たって逮捕された。罰金五十万円で済む罪で三百日近い拘置を強いるのは“人質司法”と批判されても仕方がない。ある検察関係者は「厳罰化の流れを進める法務・検察にとって、死刑廃止を唱える安田弁護士を黙らせたいという本音はあるだろう」と推測する。
異例の捜査の背景にこうした思惑があるなら、国民参加を間近に控えた司法の信頼を検察は自ら損ねているとの非難は免れない。 (寺岡秀樹)
2008.4.23 時事通信
旧住宅金融専門会社(住専)大口融資先だった不動産会社の資産隠し事件で、強制執行妨害罪に問われた弁護士安田好弘被告(60)に対する控訴審判決が23日、東京高裁であり、池田耕平裁判長は一審の無罪判決を破棄、罰金50万円を言い渡した。池田裁判長は一審判決について「証拠評価は相当でなく、事実を誤認したと言わざるを得ない」と述べた。
公判では、安田被告が資産隠しを指示したとする関係者供述の信用性が主な争点となった。
一審東京地裁は2003年12月、関係者供述について、「不自然さや重要な点で変遷がある」と指摘。検察官による誘導の疑いを挙げた上で、「犯罪の証明がない」とした。
安田弁護士に逆転有罪 強制執行妨害で罰金50万円
208.4.23 47NEWS
顧問先の不動産会社社長らに資産隠しを指南したとして強制執行妨害罪に問われた弁護士安田好弘被告(60)の控訴審判決で東京高裁(池田耕平裁判長)は23日、1審の無罪(求刑懲役2年)判決を破棄、罰金50万円の逆転有罪を言い渡した。
山口県光市の母子殺害事件など多くの刑事裁判を担当した人権派弁護士で、死刑廃止運動の中心的存在としても知られ、判決が注目されていた。
顧問先へのアドバイス内容が、弁護士の正当業務か犯罪だったのかが争われ、「被告が資産隠しの具体的方法を指示した」とする不動産会社の元社員の証言の信用性が最大の争点になった。
2003年12月の東京地裁判決は信用性を否定。「元社員は逮捕されたのに不起訴になり、一種の司法取引の形で迎合する供述をしたとみられる」と捜査を批判した。
検察側は「元社員は捜査段階から同様の内容を話し、社長の供述とも符合し高度の信用性がある」と主張。
安田弁護士に逆転有罪の判決 強制執行妨害
2008年04月23日朝日
山口県光市で起きた母子殺害事件で被告の主任弁護人を務めた弁護士の安田好弘被告(60)が、98年に強制執行妨害罪で起訴された事件の控訴審で、東京高裁(池田耕平裁判長)は23日、一審・東京地裁の無罪判決を破棄し、安田弁護士に罰金50万円(求刑懲役2年)を命じる判決を言い渡した。
安田弁護士は、光市の事件のほか、オウム真理教の松本智津夫(麻原彰晃)死刑囚の一審で主任弁護人を務め、死刑廃止運動でも中心メンバーとして活動してきた。
松本死刑囚の一審公判中に逮捕、起訴されたことで弁護団は「違法捜査によって作り上げられた事件で、弁護士業務への不当な介入だ」と捜査当局を批判。控訴審では約2100人の弁護士が弁護団に加わり、無罪を主張していた。
オウム事件や、光市事件など、世論も裁判所も法律を忘れて感情論だけでヒステリックに「吊せ」と避けぶ、現代の魔女裁判において、はっきりと被告の弁護をすることは、何よりも勇気の要ることだ。
もちろん、やったことをやっていない、と弁護するわけではない。
事実と法律に基づいて判断すべし、ということを、どこまでも貫くという、一見あたりまえのことが、命がけの勇気を必要とする、この日本の闇。
被害者にも当然だが、被告人や犯罪者にも人権はあるという、現代の法治国家の常識が、今日本では覆されてしまった。
麻原彰晃や元少年ばかりでなく、言うもおぞましい犯罪者であっても、やはり法律上は人権はある。
犯罪者や被告の人権が無い国で、拷問やリンチが常態化するのは間違いない。
そうやって、感情的にあおって、なんでもありで極悪犯が作られ、感情論で裁かれ、殺されていく。
感情論で裁判が決まる。
これが、どんなに恐ろしいことになるか、裁判員制度が始まるやいなや、明らかになるだろう。
権力者とマスコミによって作られた「常識」に逆らうことは、社会的な、場合によっては生物としての死を意味することになるからだ。
まさに、イジメられないようにイジメル側に回ろうとする、卑劣や(そして弱い)人間の大集合になる。
先を競って、模範的な「いじめっ子」を演じ、自らの立場を守るために、他人を「いじめられっ子」に蹴落とそうとする。
まわりの人間の一挙手一投足に至るまで、鵜の目鷹の目で粗探しをする。
もちろん、相手も同じことをしているのだから、ちょっと油断すれば、自分のふとした動作や言葉の端が反社会的と言揚げされ、一気に責められる。
すでに、そうした社会になっていると言えば言えるけれども、それが個人のレベルではなく、警察や裁判まで含んで繰り広げられていくのである。
今回の、光市事件と安田弁護士への連続不当判決は、こうした暗黒社会の始まりである。
今は、喜んでいる人たちも、明日は我が身だということを、肝に銘じてほしい。
追記 安田弁護士が逮捕時されたときの、宮崎学のコメントを見かけたので、リンク貼っておきます
ついに牙をむいた「中坊公平型」ファシズム 安田弁護士逮捕事件についての緊急声明
追記2 東京新聞の解説
司法の信頼 損ねる懸念
強制執行妨害罪に問われた弁護士安田好弘被告に対する東京高裁判決は、罰金刑とすることで新たな不利益を科さない代わりに弁護士に有罪の汚名を着せる形になった。
一方で、高裁は検察側が描いた事件の構図を崩し、共謀共同正犯ではなく、ほう助にとどまるとの結論を導いた。共謀を認めた上で量刑で差をつける判例が多く、判決の理論構成に「唐突な印象を受けた」(弁護団)との指摘もある。
来年から施行される裁判員制度では、捜査段階の調書よりも法廷でのやりとりが重視される。しがらみのない裁判員ならどんな結論に導くか、という視点をプロの裁判官は持つべきだろう。
被告は実行行為から五年半以上たって逮捕された。罰金五十万円で済む罪で三百日近い拘置を強いるのは“人質司法”と批判されても仕方がない。ある検察関係者は「厳罰化の流れを進める法務・検察にとって、死刑廃止を唱える安田弁護士を黙らせたいという本音はあるだろう」と推測する。
異例の捜査の背景にこうした思惑があるなら、国民参加を間近に控えた司法の信頼を検察は自ら損ねているとの非難は免れない。 (寺岡秀樹)
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