2008-05-06(Tue)
硫化水素より怖いのは
4月の硫化水素自殺は50件以上にのぼるとか。5月に入っても、連日のように報道が続いている。
自殺の場合、報道が新たな自殺を誘導することもあるそうで、ネットでの情報のみならず、やたらとニュースになったことも、急増した原因かもしれない。
しかし、かりに1ヶ月で50人、1年で600人が硫化水素で亡くなったとしても、自殺してしまう人の2%に過ぎない。
本当に怖いのは、硫化水素自殺のさらに50倍もの人が自ら死んでしまう、この現実だ。
自殺者数は、平成15年の3万4千人あまりをピークに16年以降は微減しているように見えるが、人口当たりの率では横ばい。
また、平成19年の9月までの統計では8%ほど前年比で増えている。
平成18年中における自殺の概要資料
月別自殺者数の推移【平成19年9月】
自ら死ぬ人もいれば、やけっぱちで人を殺してしまう人もいる。
明るい少年が“女性の天敵”に変わるまで
2008.5.6 産経
金を奪うための犯行とされているが、ほとんど捕まえてくれと言わんばかりの杜撰なやり口である。
こんなことを書くと、「最近は物騒になって・・・」という決まり文句のようになってしまうが、これはちょっとちがう。
つとに指摘されることだが、刑法犯は減り続けている。
平成19年上半期の犯罪情勢
(125ページから統計)
もっとも、犯罪の統計というのは、非常に恣意的で、多く見せたいときは微罪でも統計数にカウントし、そのために検挙率が下がってしまったら、微罪はカウントしないというような操作が行われているらしい。
それを頭の片隅に入れつつ、統計を見ると、平成14年(2002年)をピークに、総数も凶悪犯も減少している。
平成14年 総数 2,853,739 うち凶悪犯 12,567 うち殺人 1,396
平成18年 総数 2,050,850 うち凶悪犯 10,124 うち殺人 1,309
平成19年は上半期しか発表されていないが、前年の上半期よりもやはり減っている。
凶悪犯の類は、カウントの誤魔化しもできないだろうから、明らかに減少している。
殺人以外も、強盗、放火、強姦ともに減少。
窃盗も詐欺も恐喝も減っているが、唯一増加傾向にあるのが、暴行犯だ。
金を取るとか、なにか必要に迫られる犯罪というよりは、頭に来て殴るというような犯罪だけが、どんどん増えている。
殴られる方もたまらないが、殴る方もたいがい何の得もないだろうに、こうした暴行犯だけが増えるということは、まさに、ヤケッパチの犯罪と言えるだろう。
報道では、なんだか凶悪犯がどんどん増えているように見えるけれども、実際に増えているのは、ヤケッパチの暴行犯と自殺。
1日に8時間少々働いて、週に1日か2日は休んで子どもの顔を見て、家族を養い、死ぬまで生きる。
こんなささやかな望みが、ものすごい贅沢に思えてしまうこの世の中。
こんな世の中に、思いっきり不満をぶつけられないから、暴行や自殺が増える。
是非はともかく「反抗の季節」と言われた1960年代は、比較的自殺は少なかった。
自殺死亡の年次推移
「生きにくいのは社会のせいだ」と、今、胸をはって言おう。
言ってどうなるものではないけど、少なくとも、自分が生きていていいんだという確認にはなる。
自殺の場合、報道が新たな自殺を誘導することもあるそうで、ネットでの情報のみならず、やたらとニュースになったことも、急増した原因かもしれない。
しかし、かりに1ヶ月で50人、1年で600人が硫化水素で亡くなったとしても、自殺してしまう人の2%に過ぎない。
本当に怖いのは、硫化水素自殺のさらに50倍もの人が自ら死んでしまう、この現実だ。
自殺者数は、平成15年の3万4千人あまりをピークに16年以降は微減しているように見えるが、人口当たりの率では横ばい。
また、平成19年の9月までの統計では8%ほど前年比で増えている。
平成18年中における自殺の概要資料
月別自殺者数の推移【平成19年9月】
自ら死ぬ人もいれば、やけっぱちで人を殺してしまう人もいる。
明るい少年が“女性の天敵”に変わるまで
2008.5.6 産経
金を奪うための犯行とされているが、ほとんど捕まえてくれと言わんばかりの杜撰なやり口である。
こんなことを書くと、「最近は物騒になって・・・」という決まり文句のようになってしまうが、これはちょっとちがう。
つとに指摘されることだが、刑法犯は減り続けている。
平成19年上半期の犯罪情勢
(125ページから統計)
もっとも、犯罪の統計というのは、非常に恣意的で、多く見せたいときは微罪でも統計数にカウントし、そのために検挙率が下がってしまったら、微罪はカウントしないというような操作が行われているらしい。
それを頭の片隅に入れつつ、統計を見ると、平成14年(2002年)をピークに、総数も凶悪犯も減少している。
平成14年 総数 2,853,739 うち凶悪犯 12,567 うち殺人 1,396
平成18年 総数 2,050,850 うち凶悪犯 10,124 うち殺人 1,309
平成19年は上半期しか発表されていないが、前年の上半期よりもやはり減っている。
凶悪犯の類は、カウントの誤魔化しもできないだろうから、明らかに減少している。
殺人以外も、強盗、放火、強姦ともに減少。
窃盗も詐欺も恐喝も減っているが、唯一増加傾向にあるのが、暴行犯だ。
金を取るとか、なにか必要に迫られる犯罪というよりは、頭に来て殴るというような犯罪だけが、どんどん増えている。
殴られる方もたまらないが、殴る方もたいがい何の得もないだろうに、こうした暴行犯だけが増えるということは、まさに、ヤケッパチの犯罪と言えるだろう。
報道では、なんだか凶悪犯がどんどん増えているように見えるけれども、実際に増えているのは、ヤケッパチの暴行犯と自殺。
1日に8時間少々働いて、週に1日か2日は休んで子どもの顔を見て、家族を養い、死ぬまで生きる。
こんなささやかな望みが、ものすごい贅沢に思えてしまうこの世の中。
こんな世の中に、思いっきり不満をぶつけられないから、暴行や自殺が増える。
是非はともかく「反抗の季節」と言われた1960年代は、比較的自殺は少なかった。
自殺死亡の年次推移
「生きにくいのは社会のせいだ」と、今、胸をはって言おう。
言ってどうなるものではないけど、少なくとも、自分が生きていていいんだという確認にはなる。
- 関連記事
-
- 学童保育って知ってますか (2008/05/28)
- こんな地震の後だから (2008/05/25)
- 四川地震と核兵器 (2008/05/24)
- 四川大震災と三峡ダムのことなど (2008/05/19)
- サクラ色のちょっと変わった聴き方 (2008/05/15)
- 「光州5.18」 (2008/05/15)
- 中国脅威論者の憂鬱 (2008/05/08)
- 硫化水素より怖いのは (2008/05/06)
- 地震速報の本当のねらい (2008/04/28)
- 祝 山本繁太郎氏 落選 (2008/04/27)
- フクダの言う「いかん」は実は「如何」であるという話 (2008/04/25)
- ウチの子育てに高市早苗が口を出すな! (2008/04/24)
- 日本の闇は益々暗く 安田弁護士への不当弾圧 (2008/04/23)
- 光市事件の不当判決について (2008/04/22)
- 青山邦夫裁判長について (2008/04/18)