2008-05-08(Thu)
中国脅威論者の憂鬱
胡錦濤が来日し、中国脅威論者はここぞとばかりに奮起しているかに見える。
が、どうも迫力に欠けるようにも思える。
2005年に、いわゆる反日運動が中国で起きたときの双方の感情的で異様な盛り上がりに比べると、みょうに「お行儀がいい」。
ウチの事務所のほど近くにある中国領事館分室の前も、2005年の時は機動隊が張り付いていたが、今は静かなもの。
本気でチベットを考え、本気で胡錦濤に怒りをぶつけている人たちも、中にはもちろんいる。
私とて、仮に亡命政府がCIAの援助で成り立っていたとしても、それはチベット人が差別と弾圧の対象になることとは別だと言うことは理解している。
チベット弾圧の功績で最高指導者に上り詰めた胡錦濤が、よりによってパンダで誤魔化そうという人をバカにした話には、全く腹も立つ。
なのに、なぜか今回は中国脅威論者の勢いがない。
まるで、予定調和の抗議活動に、一部の本気な人たちを押し込めているようにも見える。
また、今回の胡錦濤訪日の露払いをしたのが、なんと中曽根康弘であるということも、不思議な感がある。
いわゆる親中派ではなく、右翼の親玉と言うべき中曽根が、直前に訪中しているのである。
すこし以前を思い起こせば、極右の期待を一身に集めた安倍晋三が、真っ先に取り組んだのが訪中だった。
ところで、一時どん底まで落ち込んだ日本の株価は、一段落しているようだ。
1万円を割るのかと思っていたら、いつの間にか1万4千円台を回復している。
だれかが日本の株をどっさり買い込んだから、回復したわけだ。
だれが買ったのか。
投資主体別売買動向
一目瞭然で、外国人投資家が、4月に入って急に買い込んでいるのがわかる。
しかも、その額は、取引全体の50%ちかい。
取引規模の半分近くを外国人投資家が占める状況は、昨日今日に始まったことではないということも、この資料からわかる。
驚くなかれ、日本の株式の半分は、外国人投資家が売り買いしているのである。
さて、この外国人投資家とはだれか?
正確にはわからないが、従来のアメリカ資本は、サブプライムで火がついて、それどころではないだろう。
まず思いつくのは、中東のオイルマネーだが、もう一つ、中国投資有限責任公司という存在を忘れてはいけない。
中東、中国の政府系ファンド 低迷日本株の救世主
2008/2/28 J-CAST
昨年1年の外資系の買い越しが5兆円程度。昨年11月に設立された中国投資有限責任公司は、さしあたり3000億円以上を対日投資し、さらに今年2月には1兆円規模で日本株を買うと発表した。
中国投資有限責任公司、国際帝石など日本株投資を検討=英紙
2008年 02月 25日 ロイター
中国の政府系ファンドである中国投資有限責任公司は、100億ドル規模の日本株式を取得する計画で、国際石油開発帝石ホールディングス株式の大量取得を検討する可能性がある。英紙タイムズが23日、渡辺喜美金融担当相に近い匿名の関係筋の話として伝えた。
それによると、中国投資は「かなりの量の」国際帝石株式を含め、複数の東京証券取引所上場銘柄に投資する可能性があるという。
中国投資は、当面は東京市場の上場銘柄を中心に投資し、いずれは不動産などへの直接投資にも移行する方針。今月末までに、東京での投資を担当するファンドマネジャーについて発表する見通しだという。
これはもう、首根っこをつかまれていると言っても過言ではない。
アメリカがすでに中国なしでは生きていけないように、日本もまた中国の資金なしでは1日も生きられないようになってしまったのである。
少々うがった見方をするならば、本来なら「うるさい」連中は、中国投資有限責任公司の投資情報を流してもらって、黙らされたのかもしれない。
中国と聞いたら条件反射で噛みつくネットウヨのような連中は、ある日切り捨てられて、いままで中国脅威を煽っていた「エライ」奴らは手のひらを返したように「戦略的互恵関係」と言い始める のではないかという気がしてならない。
中国の「脅威」は、中国脅威論者が考えているほど生やさしいものではない。
が、どうも迫力に欠けるようにも思える。
2005年に、いわゆる反日運動が中国で起きたときの双方の感情的で異様な盛り上がりに比べると、みょうに「お行儀がいい」。
ウチの事務所のほど近くにある中国領事館分室の前も、2005年の時は機動隊が張り付いていたが、今は静かなもの。
本気でチベットを考え、本気で胡錦濤に怒りをぶつけている人たちも、中にはもちろんいる。
私とて、仮に亡命政府がCIAの援助で成り立っていたとしても、それはチベット人が差別と弾圧の対象になることとは別だと言うことは理解している。
チベット弾圧の功績で最高指導者に上り詰めた胡錦濤が、よりによってパンダで誤魔化そうという人をバカにした話には、全く腹も立つ。
なのに、なぜか今回は中国脅威論者の勢いがない。
まるで、予定調和の抗議活動に、一部の本気な人たちを押し込めているようにも見える。
また、今回の胡錦濤訪日の露払いをしたのが、なんと中曽根康弘であるということも、不思議な感がある。
いわゆる親中派ではなく、右翼の親玉と言うべき中曽根が、直前に訪中しているのである。
すこし以前を思い起こせば、極右の期待を一身に集めた安倍晋三が、真っ先に取り組んだのが訪中だった。
ところで、一時どん底まで落ち込んだ日本の株価は、一段落しているようだ。
1万円を割るのかと思っていたら、いつの間にか1万4千円台を回復している。
だれかが日本の株をどっさり買い込んだから、回復したわけだ。
だれが買ったのか。
投資主体別売買動向
一目瞭然で、外国人投資家が、4月に入って急に買い込んでいるのがわかる。
しかも、その額は、取引全体の50%ちかい。
取引規模の半分近くを外国人投資家が占める状況は、昨日今日に始まったことではないということも、この資料からわかる。
驚くなかれ、日本の株式の半分は、外国人投資家が売り買いしているのである。
さて、この外国人投資家とはだれか?
正確にはわからないが、従来のアメリカ資本は、サブプライムで火がついて、それどころではないだろう。
まず思いつくのは、中東のオイルマネーだが、もう一つ、中国投資有限責任公司という存在を忘れてはいけない。
中東、中国の政府系ファンド 低迷日本株の救世主
2008/2/28 J-CAST
昨年1年の外資系の買い越しが5兆円程度。昨年11月に設立された中国投資有限責任公司は、さしあたり3000億円以上を対日投資し、さらに今年2月には1兆円規模で日本株を買うと発表した。
中国投資有限責任公司、国際帝石など日本株投資を検討=英紙
2008年 02月 25日 ロイター
中国の政府系ファンドである中国投資有限責任公司は、100億ドル規模の日本株式を取得する計画で、国際石油開発帝石ホールディングス株式の大量取得を検討する可能性がある。英紙タイムズが23日、渡辺喜美金融担当相に近い匿名の関係筋の話として伝えた。
それによると、中国投資は「かなりの量の」国際帝石株式を含め、複数の東京証券取引所上場銘柄に投資する可能性があるという。
中国投資は、当面は東京市場の上場銘柄を中心に投資し、いずれは不動産などへの直接投資にも移行する方針。今月末までに、東京での投資を担当するファンドマネジャーについて発表する見通しだという。
これはもう、首根っこをつかまれていると言っても過言ではない。
アメリカがすでに中国なしでは生きていけないように、日本もまた中国の資金なしでは1日も生きられないようになってしまったのである。
少々うがった見方をするならば、本来なら「うるさい」連中は、中国投資有限責任公司の投資情報を流してもらって、黙らされたのかもしれない。
中国と聞いたら条件反射で噛みつくネットウヨのような連中は、ある日切り捨てられて、いままで中国脅威を煽っていた「エライ」奴らは手のひらを返したように「戦略的互恵関係」と言い始める のではないかという気がしてならない。
中国の「脅威」は、中国脅威論者が考えているほど生やさしいものではない。
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