2008-06-02(Mon)
地震と温暖化
さすがに温暖化を叫ぶ連中も、地震まで温暖化のせいだとは言わないようだ。今のところ。
100年で2℃上がるかどうかも、実はよくわからない温暖化と比べて、地震のほうがはるかに、確実かつ甚大な被害をともなってやってくる。
日本の面積は、世界の0.25%だそうだ。では、世界中の地震の何%が日本でおきているか?
マグニチュード6以上の、被害の大きい地震に限っても、20%以上が日本で発生している。
1997年から2006年の10年間で、世界全部で905回に対し、日本で187回もある。
防災白書(19年)より
下の地図を見ても、四川省もたいがい危険地域だけれども、日本はそれ以上だということがわかる。

さて、こうした国に住む私たちの政府は、何をしてくれるのか。
温暖化対策という名目で、湯水のように税金を投入している。19年度は、実に1兆847億円。
そして、その4分の1は原子力関係である。
核・原発に、2600億円も我々の税金がつぎ込まれている。
その一方で、こんなニュースが
学校耐震 急げ! 四川大地震踏まえ政府2008年5月22日 朝刊 東京
政府は二十一日、国内の公立小中学校の校舎などの耐震化を加速させるため、地方自治体の補強・改築事業に対する国庫補助率引き上げや関連予算増額など、対策の検討に着手した。
文部科学省によると、二〇〇七年四月一日現在で、公立小中学校施設の約十三万棟の耐震化率は58・6%。耐震診断を受けていない施設が6・6%ある。
今後5年間で危険性大の施設は一掃へ/岡田 恒男氏
日経ケンプラッツ 2008/05/26 (登録必要)
今年度からスタートした文部科学省の「公立学校施設耐震化推進計画」は2012年度までの5年間で、倒壊または大破の恐れのある公立学校施設から優先的に耐震化事業を実施する方針を示したものだ。
耐震診断では構造性能指標(Is)値を算出する。この数値が小さいほど耐震性が低い。例えば建築基準法で定める最低基準とほぼ同じレベルが0.6 。この半分の数値である0.3~0.4未満の施設は、大地震で倒壊・崩壊の可能性が高い。
※0.6~0.4は大丈夫なのか? と突っ込みたくなるのは私だけではないだろう。
サンプルデータでは0.3未満の施設が全体の約2割。0.3以上~ 0.4未満は約2割あった。WGでは、まず0.3未満を最優先に改修を進めるとし、次に0.4未満のものを実施するという考え方を示した。
※上の東京新聞の記事でも耐震化されていなものが35%くらいだから、結局、0.4以上あれば耐震化されていると見なされているのだろう。なんといい加減な!
この流れでいけば今後5年間で、0.4未満の施設までは一掃できるのではないかと期待している。ただ、気になるのは財政事情が非常に厳しい自治体が一部にあることだ。国から2分の1の補助を受けても、残りの費用を工面できないという声を聞く。
※0.4の基準ですら 5年かかる。しかも、大阪府のように、なんでもかんでも予算カットしまくるしか能のない知事がふんぞり返っているような自治体では、どうなることか・・・
さて、この0.4以上といういい加減な基準ながら、とりあえず耐震改修工事をする予算は、いくら計上されているのか。
今年度は1150億円。
来年度から補助率を上げても、せいぜい2000億円というところだろう。
学校耐震化、9割を国負担 自・公・民が補助拡充で合意
2008年05月28日 朝日
もちろん、これは学校だけのはなし。
保育園や病院や、その他たくさんある公共施設は入っていないし、圧倒的に多数を占める、民間の建物はまったく考慮の外だ。
本当に命を守るために予算を使うとなれば、1兆円ではすまない額になろう。
こんな差し迫った大問題をなおざりにして、今すぐ危険があるわけでもない、ほとんどサギの温暖化対策に1兆円を超える税金。
これは、温暖化がサギ、スキャンダルであるということの、反対側からの証明と言えるかもしれない。
ところで、先ほど岡田東大名誉教授が、耐震化は0.4以上でいいと宣っていたけれども、こんな情報もある。
耐震診断と耐震補強を考える

①が、建物全体。 ③が中破以上の被害件数。
たしかに、ぐちゃぐちゃになって即死すると言う意味では、0.4以下が緊急を要するけれども、0.4~0.6は大丈夫という意味ではない。
新聞報道だけ見ていると、0.4以下だけ直せば解決したような気になってしまうので、要注意だ。
山口大学の金折裕司さん の研究によると、阪神淡路大震災は、次の大地震に連動する可能性がある。
京都の北から高槻を通って六甲、淡路と続く断層帯(いわゆる高槻有馬構造線)の一部が動いたのが、あの阪神淡路大震災。
一つの断層帯が動き始めると、一通り動き終わるまで、その断層帯は活動期であり、地震がおきやすい。
今回の四川省でも、断層帯のなかの二つの断層が連動して動いた。関東大震災もそうだったはず。
これは、直後に連動した例だけれども、数十年をはさんで連動することもあるという。
活断層系 近未来社
足下に活断層 朝日新聞社
なにせ大阪平野は、高槻有馬構造線と、生駒断層帯と、中央構造線とで切り取られた、三角の駒みたいな場所だ。
大きなプレートに押されて、どこがメキッといってもおかしくない。
少なくとも、温暖化よりは緊急の対策が必要なのは間違いない。
※文中で0.4とか0.6と言うのは、耐震指標:Is値であり、住宅の耐震診断をするときの評点とは違います。
評点は、1.0以上が最低の基準で、0.7以下だと相当アブナイ、ということになります。
100年で2℃上がるかどうかも、実はよくわからない温暖化と比べて、地震のほうがはるかに、確実かつ甚大な被害をともなってやってくる。
日本の面積は、世界の0.25%だそうだ。では、世界中の地震の何%が日本でおきているか?
マグニチュード6以上の、被害の大きい地震に限っても、20%以上が日本で発生している。
1997年から2006年の10年間で、世界全部で905回に対し、日本で187回もある。
防災白書(19年)より
下の地図を見ても、四川省もたいがい危険地域だけれども、日本はそれ以上だということがわかる。

さて、こうした国に住む私たちの政府は、何をしてくれるのか。
温暖化対策という名目で、湯水のように税金を投入している。19年度は、実に1兆847億円。
そして、その4分の1は原子力関係である。
核・原発に、2600億円も我々の税金がつぎ込まれている。
その一方で、こんなニュースが
学校耐震 急げ! 四川大地震踏まえ政府2008年5月22日 朝刊 東京
政府は二十一日、国内の公立小中学校の校舎などの耐震化を加速させるため、地方自治体の補強・改築事業に対する国庫補助率引き上げや関連予算増額など、対策の検討に着手した。
文部科学省によると、二〇〇七年四月一日現在で、公立小中学校施設の約十三万棟の耐震化率は58・6%。耐震診断を受けていない施設が6・6%ある。
今後5年間で危険性大の施設は一掃へ/岡田 恒男氏
日経ケンプラッツ 2008/05/26 (登録必要)
今年度からスタートした文部科学省の「公立学校施設耐震化推進計画」は2012年度までの5年間で、倒壊または大破の恐れのある公立学校施設から優先的に耐震化事業を実施する方針を示したものだ。
耐震診断では構造性能指標(Is)値を算出する。この数値が小さいほど耐震性が低い。例えば建築基準法で定める最低基準とほぼ同じレベルが0.6 。この半分の数値である0.3~0.4未満の施設は、大地震で倒壊・崩壊の可能性が高い。
※0.6~0.4は大丈夫なのか? と突っ込みたくなるのは私だけではないだろう。
サンプルデータでは0.3未満の施設が全体の約2割。0.3以上~ 0.4未満は約2割あった。WGでは、まず0.3未満を最優先に改修を進めるとし、次に0.4未満のものを実施するという考え方を示した。
※上の東京新聞の記事でも耐震化されていなものが35%くらいだから、結局、0.4以上あれば耐震化されていると見なされているのだろう。なんといい加減な!
この流れでいけば今後5年間で、0.4未満の施設までは一掃できるのではないかと期待している。ただ、気になるのは財政事情が非常に厳しい自治体が一部にあることだ。国から2分の1の補助を受けても、残りの費用を工面できないという声を聞く。
※0.4の基準ですら 5年かかる。しかも、大阪府のように、なんでもかんでも予算カットしまくるしか能のない知事がふんぞり返っているような自治体では、どうなることか・・・
さて、この0.4以上といういい加減な基準ながら、とりあえず耐震改修工事をする予算は、いくら計上されているのか。
今年度は1150億円。
来年度から補助率を上げても、せいぜい2000億円というところだろう。
学校耐震化、9割を国負担 自・公・民が補助拡充で合意
2008年05月28日 朝日
もちろん、これは学校だけのはなし。
保育園や病院や、その他たくさんある公共施設は入っていないし、圧倒的に多数を占める、民間の建物はまったく考慮の外だ。
本当に命を守るために予算を使うとなれば、1兆円ではすまない額になろう。
こんな差し迫った大問題をなおざりにして、今すぐ危険があるわけでもない、ほとんどサギの温暖化対策に1兆円を超える税金。
これは、温暖化がサギ、スキャンダルであるということの、反対側からの証明と言えるかもしれない。
ところで、先ほど岡田東大名誉教授が、耐震化は0.4以上でいいと宣っていたけれども、こんな情報もある。
耐震診断と耐震補強を考える

①が、建物全体。 ③が中破以上の被害件数。
たしかに、ぐちゃぐちゃになって即死すると言う意味では、0.4以下が緊急を要するけれども、0.4~0.6は大丈夫という意味ではない。
新聞報道だけ見ていると、0.4以下だけ直せば解決したような気になってしまうので、要注意だ。
山口大学の金折裕司さん の研究によると、阪神淡路大震災は、次の大地震に連動する可能性がある。
京都の北から高槻を通って六甲、淡路と続く断層帯(いわゆる高槻有馬構造線)の一部が動いたのが、あの阪神淡路大震災。
一つの断層帯が動き始めると、一通り動き終わるまで、その断層帯は活動期であり、地震がおきやすい。
今回の四川省でも、断層帯のなかの二つの断層が連動して動いた。関東大震災もそうだったはず。
これは、直後に連動した例だけれども、数十年をはさんで連動することもあるという。
活断層系 近未来社
足下に活断層 朝日新聞社
なにせ大阪平野は、高槻有馬構造線と、生駒断層帯と、中央構造線とで切り取られた、三角の駒みたいな場所だ。
大きなプレートに押されて、どこがメキッといってもおかしくない。
少なくとも、温暖化よりは緊急の対策が必要なのは間違いない。
※文中で0.4とか0.6と言うのは、耐震指標:Is値であり、住宅の耐震診断をするときの評点とは違います。
評点は、1.0以上が最低の基準で、0.7以下だと相当アブナイ、ということになります。
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