2008-06-04(Wed)

きっこさんの気持ちもわかるけど

数日前のきっこのブログを見て、同感だと思うと同時に、力が抜けていくような気もした。
なんて言うか、それを言っちゃあお終いよ て感じだろうか。

日々の生活からミクロで見ていると、日本も捨てたもんじゃないな と思うことは多々ある。
けれども、マクロで眺めていると、本当にきっこさんの言うように、「文句を言わないニポン人」に見える。

この落差は何なのだろうと考えると、やはり1960年代の傷跡は、未だに影を落としているのだなあと思わざるを得ない。
戦後の動乱から、50年代、60年代は、日本もある意味普通の国だった。
国民は、ものを言ったし怒りを爆発させることもしばしばあった。

しかし、たぶん1973年頃を境として、日本人は文句を言わなくなった。
浅間山荘事件のあった、あの年だ。

この辺は、以前のエントリー「真理は少数にあり」も参照してもらいたいけれども、書き足りなかった部分もある。

浅間山荘以降の、いわゆる「左翼」の陰惨なイメージに、本当に衝撃をうけて来たのは、団塊の世代よりも後の、私たちくらいの年代だろう。
団塊ジュニアになると、すでにその記憶すらない。

しかし、問題は、ある意味当事者である団塊世代の皆さんが、浅間山荘に象徴される反テロリズムキャンペーンに何を感じ、どう対処したのかということだ。
どうも、広げてもらった傘に飛び込んだような、そんな気がしてならない。

60年代の学生運動や政治運動が徹底的に弾圧され、方向を決めかねていた人々に、「暴力反対」という大きな傘がさしかけられた。
あからさまに権力にシッポを振るのは潔しとしない人々も、この大きな傘には自ら飛び込んでいった。
この傘は、「負け」を認めることもなく、しかし「反権力」の矛はこっそり収めて、安住の場所を提供してくれた。


これは、別の見方をすると、市民運動の歴史の無さということかもしれない。
そう簡単に勝てるわけないのだから、一度は引っ込めて、また機会をみてたたかおうという、したたかさが全くない。

何百年も市民がお上とたたかう歴史をもつ国とのちがいとも言えるが、日本だって、百姓一揆のころはそういう強さをもっていた。
だからこそ、明治政府は村落共同体を徹底的に破壊し、農村文化を強制的に打ち壊し、官製の「日本文化」を押しつけた。
そんなこんなで、かつて一揆を担った農村社会は、一大保守基盤に変わっていた。

そして、歴史の浅い都市部では、ぽきっと折れてしまうと、もう立ち上がる気力の出ないような市民の底力しか、未だに育っていないということなのだろうか。


あえて言えば、「文句を言わない」ということよりも、負けたときに「ケジメをつけない」ということのほうが問題なのだと思う。
戦争に負けたとき、政治運動に負けたとき、2回にわたってケジメをつけずに、うやむやにして生きてきた日本人。

70代後半より上は、敗戦時の当事者
団塊の世代から70くらいまでは、政治運動の敗北の当事者
その下の世代は、負けたあとの荒涼たる景色をみて育った。
その下は、屈折した団塊世代を親として、その背中を見て育った。
その下の20代以下は、何の継承もなく育った。

この積み重ねが、今である。

高杉晋作は、戦いに敗れると琴平温泉に隠遁し、機を見て奇兵隊を再編し、ふたたび戦いに臨んだという。
こうした したたかさが、本来の日本流なのだと思う。
ともすれば、無力感に襲われかねない日々だけれども、諦めず、暴発せず、生き続けるしかない。

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 神州の泉HIRO同志の「雑談日記のSOBAさんへ伝言!!」の呼びかけに応え、賛同エントリーの素敵な仲間達(把握順)への「今植草一秀が熱い、心ある諸君は「blog植草一秀の『知られざる真実』」のリンクをはろう。売国小泉一派鉄槌への一歩を踏出そう!」のトラックバック...

「下」と「左」は幼なじみなのだ

たかが言葉づかいの一つ二つ、目くじら立てることもないだろう。 その通りである。たとえば、当ブログイベントの3代目チャンピオンだから 名を挙げるが、『ちろのはねっかえりブログ』。はねっかえりにしちゃあ 肩で風切る威勢良さはないなあ、なんてことで指弾したり

今植草一秀が熱い、心ある諸君は「blog植草一秀の『知られざる真実』」のリンクをはろう。売国小泉一派鉄槌への一歩を踏出そう!

 現在最新のエントリー「「敵を欺くにはまず味方を欺く」手法に警戒すべし」をぜひ読んで欲しい。  以下、注目した箇所を抜粋し転載。(ぜひ全文を上記リンク先で読んでください。)「敵を欺くにはまず味方を欺く」手法に警戒すべし(略)すべては、総選挙での政権交代

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禁止ワードでアップ不可能なので参考ブログをリンクすることに

どの言葉が禁止ワードなのかは僕のブログを見てご推理を・・(左リンク集の下から10番目)

この総括は間違いと思う

浅間は関係ないと思う。そんな影響力はない。

総括の仕方が間違っていると思います。百姓一揆を絶対視すべきでもないし、歴史の記述があちこち間違っている。

きっこですか?

そもそも、きっこ信者の皆様は個人を特定されてるんでしょうか?
わけもわからない一個人(一グループ)がただネットに書いてる
事を鵜呑みにしても、真理なんか見えてこない。

特定されない訳のわからない一個人(一グループ)が、権力への
反対運動への参加をけしかける
純粋な(騙されやすい)人は、その場に集結。

そしてそこで、公安の網にかかって
要注意人物として、データベース登録!

かしこい国民は、わかちゃってるんでしょう。

もっと

ひょっとしたら、現在の食料問題が日本を救うことになるかもしれない。
もっとお米を食べるべき
もっと小麦を高価に
もっと自国で食べ物を
もっと都会が不便に

先日アレイダ・ゲバラ氏(小児科医)の来日講演に出かけた。やはり、革命闘争に散った父-チェ・ゲバラのエピソードが中心であった。しかし、意外にも?反米カラーはさほどなかったと思う。せいぜいチェが広島訪問(1959)で発したコメント紹介「かつて家の名誉のために切腹をし、国のためにカミカゼまでやった国の人々がアメリカの圧力になす術がないかのように見えるのは悲しいことだ。そして、日本やアジアを『前線基地』にしようとするアメリカの意図が見て取れる...」くらいだった。主催者が釘を刺したのか、自制されたのか...
ただ、TV出演など殆んどなかったのは偶然ではあるまい。片やアフリカ開発会議で来日した某ロック・スターの発言はたっぷりオン・エアーされたのである。「困っている人たちを今すぐ助けよう!」という感じの無害なメッセージであった。
また、そういえばかつてNHKニュースがN・チョムスキーの意見を僅かばかり紹介したところ、すぐさま藤澤秀敏という解説者が「氏の考えは現実的ではないと思います」と強く断言したことに驚いたことがある。
ことは「左翼思想だからだ」で片付けてしまっては本当のことを見逃すと思う。要するに、支配層に逆らう人間はなんとしても「絶滅品種」にしておきたいというのがズボシに違いない。間違っても増えるようなことがあってはならないのだ。それは自分の会社生活でも痛感してきたことだ。手法は恐怖政治のそれと大差ない気がする。
おまけに、この国では多感な時期に勇気ある人間、自立した人間になるよう仕向けられることは殆んどない。
そんな状況に「冗談じゃない!」という者たちが日本のどこかに大挙集結して「超リベラルな街」を作って...くらいのことでもしないと、もうどうしようもないんじゃないかと思ったりしている。

きっこにマジレスですか
いまどき珍しいですね
自由党 近畿ブロック
国民の生活が第一!
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山本太郎となかまたち
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