2008-06-13(Fri)
イラクの石油はどこへ?
ついつい陥りがちなワナに、私もはまっていたようだ。
「イラクの泥沼で、アメリカが国力を低下させている」という論調だ。
本当は 「アメリカが国力を低下させているから、イラクの泥沼が必要」 なのではないか。
■■
経済というのは、ちょっと考えたらわかるけれども、最後はガマグチから出ていくお金しかない。
つまり、最終の消費者がものを買わない限り、中間の設備投資も流通もなにもかにもが、ただの粗大ゴミになってしまう。
オッチャンオバチャン、兄ちゃん姉ちゃんが、ものを買って消費することが、時計針で言えば0時であり12時なのである。
これがなければ、途中に何があろうが、時計(経済)は止まってしまう。
この制約を破ろうとしたのが、輸出という手段だ。自国のオッチャンが買えなくても、余所の国で売れればいい。
ところが、これも余所の国のオッチャンたちが買って消費しなくてはならないことは 結局一緒。
範囲を広げたところで、やはり行き詰まってしまった。
■■
ただ一つ、オッチャンオバチャンと無関係に、大量消費して企業がもうかり続ける方法がある。
そう、それが戦争だ。
なにせ、何億もの商品が、一瞬で吹き飛ぶ。
ちょっとイラクでもたもたすれば、何兆円もの売り上げが自動的に保証される。
もちろん、これも長くは続かないからくりだ。
なにせ、何兆円もの売り上げは、もとをただせば税金だから、やはりオッチャンたちの財布から出ている。
ただ、普通の消費と違うのは、強制的に巻き上げるということ。
オッチャンに選択権はない。
それにしても、結局はタコが自分の脚を食っているようなもので、いずれは破綻する。
ではどうするか。
こうなったら、戦利品を略奪するしかない。
■■
もちろん、最大の戦利品は石油。石油利権。
イラクでは、内戦は続くものの、最近では他のOPEC諸国と変わらない1月200万バレル以上のオイルが生産されている。
産業ニュース 2008.05.12
このうち、50万バレルは自国内で消費されるらしいが、のこりはどうなっているのか?
フセイン時代は、国営化されていたが、現在は?
イラク石油法をめぐって
これによると、「外資が払うロイヤリティーを12.5%と規定」らしく、
外資の取り分が大きいうえに根幹的に外資による資源収奪と見て 云々
と書いている。また、油田の配分については
現在のイラク国営石油(INOC)は、イラク国内の油田(78~80カ所程度)のうち、生産中と開始間際の油田(17~27カ所程度)を占有的に管轄する一方、残りの(51~63カ所程度)の未開発油田を外資に開放する。
のだそうだ。
実際には、この石油法はまだ成立しておらず、暫定政府と外資との覚え書き程度のもので取引が続いているようだが、他のOPEC諸国と同等の生産をして、しかも、このトンでもない原油高騰にもかかわらず、イラクがウハウハに儲かっているという話を聞かない。
ということは、石油を持ち出した外資がガッポリ儲けているということだ。
その、濡れ手に粟が、さっき言った「戦利品」というわけ でしょたぶん。
このへんに、私たちのガソリンタンクを直撃している、あり得ない原油高のからくりが隠されているようだ。
というわけで、アメリカは、イラクでフラフラになっているのではなくて、フラフラだからイラクにどっぷりなのである。
■■
ところで、アメリカでもしもオバマが当選したら、イラクは撤退すると言っている。
いくらウハウハの連中がいるからと言って、現場の兵士は、もう疲弊しきっている。
だから、オバマの撤退方針はウケている。
ウケているけれども、アメリカの若者は油断してはいけない。
戦争はイラクだけではない。
「イランの脅威排除する」 オバマ氏“弱腰”否定
2008.6.5 産経ニュース
イラン外務省、オバマ氏を批判 「核開発は平和目的」
208.6.6 日経ネット
もし、オバマが本当に戦争をやめてしまったら、冗談抜きで暗殺されてしまうかもしれない。
それを、誰よりもわかっているのは本人だろう。
だからイスラエルに忠誠を誓う。イスラエルに忠誠を誓う以上、戦争を避けては通れない。
たぶん、今度は国連の枠組みを使って、自国の負担を減らしながらイランへ突っ込んでいくだろう。
そう、アフガニスタンのISAFと同じ枠組みで だ。
ほらほら、このへんで、福田が急に何かを思いだしたようにアフガン、アフガンと言いだしたワケが見えてきたような・・・
う~ん この辺は、書き出したら幾らでも続いてしまうので、ここまで。
一言だけ書いておくと、アメリカとEUと中国の、三つどもえの暗闘が、イランで火を噴く可能性が高い。
そして、米奴日本は、ISAFで「殉職者」の前例を作らされてから、本格的にイランに引きずり込まれる。
そんな気がする。
「イラクの泥沼で、アメリカが国力を低下させている」という論調だ。
本当は 「アメリカが国力を低下させているから、イラクの泥沼が必要」 なのではないか。
■■
経済というのは、ちょっと考えたらわかるけれども、最後はガマグチから出ていくお金しかない。
つまり、最終の消費者がものを買わない限り、中間の設備投資も流通もなにもかにもが、ただの粗大ゴミになってしまう。
オッチャンオバチャン、兄ちゃん姉ちゃんが、ものを買って消費することが、時計針で言えば0時であり12時なのである。
これがなければ、途中に何があろうが、時計(経済)は止まってしまう。
この制約を破ろうとしたのが、輸出という手段だ。自国のオッチャンが買えなくても、余所の国で売れればいい。
ところが、これも余所の国のオッチャンたちが買って消費しなくてはならないことは 結局一緒。
範囲を広げたところで、やはり行き詰まってしまった。
■■
ただ一つ、オッチャンオバチャンと無関係に、大量消費して企業がもうかり続ける方法がある。
そう、それが戦争だ。
なにせ、何億もの商品が、一瞬で吹き飛ぶ。
ちょっとイラクでもたもたすれば、何兆円もの売り上げが自動的に保証される。
もちろん、これも長くは続かないからくりだ。
なにせ、何兆円もの売り上げは、もとをただせば税金だから、やはりオッチャンたちの財布から出ている。
ただ、普通の消費と違うのは、強制的に巻き上げるということ。
オッチャンに選択権はない。
それにしても、結局はタコが自分の脚を食っているようなもので、いずれは破綻する。
ではどうするか。
こうなったら、戦利品を略奪するしかない。
■■
もちろん、最大の戦利品は石油。石油利権。
イラクでは、内戦は続くものの、最近では他のOPEC諸国と変わらない1月200万バレル以上のオイルが生産されている。
産業ニュース 2008.05.12
このうち、50万バレルは自国内で消費されるらしいが、のこりはどうなっているのか?
フセイン時代は、国営化されていたが、現在は?
イラク石油法をめぐって
これによると、「外資が払うロイヤリティーを12.5%と規定」らしく、
外資の取り分が大きいうえに根幹的に外資による資源収奪と見て 云々
と書いている。また、油田の配分については
現在のイラク国営石油(INOC)は、イラク国内の油田(78~80カ所程度)のうち、生産中と開始間際の油田(17~27カ所程度)を占有的に管轄する一方、残りの(51~63カ所程度)の未開発油田を外資に開放する。
のだそうだ。
実際には、この石油法はまだ成立しておらず、暫定政府と外資との覚え書き程度のもので取引が続いているようだが、他のOPEC諸国と同等の生産をして、しかも、このトンでもない原油高騰にもかかわらず、イラクがウハウハに儲かっているという話を聞かない。
ということは、石油を持ち出した外資がガッポリ儲けているということだ。
その、濡れ手に粟が、さっき言った「戦利品」というわけ でしょたぶん。
このへんに、私たちのガソリンタンクを直撃している、あり得ない原油高のからくりが隠されているようだ。
というわけで、アメリカは、イラクでフラフラになっているのではなくて、フラフラだからイラクにどっぷりなのである。
■■
ところで、アメリカでもしもオバマが当選したら、イラクは撤退すると言っている。
いくらウハウハの連中がいるからと言って、現場の兵士は、もう疲弊しきっている。
だから、オバマの撤退方針はウケている。
ウケているけれども、アメリカの若者は油断してはいけない。
戦争はイラクだけではない。
「イランの脅威排除する」 オバマ氏“弱腰”否定
2008.6.5 産経ニュース
イラン外務省、オバマ氏を批判 「核開発は平和目的」
208.6.6 日経ネット
もし、オバマが本当に戦争をやめてしまったら、冗談抜きで暗殺されてしまうかもしれない。
それを、誰よりもわかっているのは本人だろう。
だからイスラエルに忠誠を誓う。イスラエルに忠誠を誓う以上、戦争を避けては通れない。
たぶん、今度は国連の枠組みを使って、自国の負担を減らしながらイランへ突っ込んでいくだろう。
そう、アフガニスタンのISAFと同じ枠組みで だ。
ほらほら、このへんで、福田が急に何かを思いだしたようにアフガン、アフガンと言いだしたワケが見えてきたような・・・
う~ん この辺は、書き出したら幾らでも続いてしまうので、ここまで。
一言だけ書いておくと、アメリカとEUと中国の、三つどもえの暗闘が、イランで火を噴く可能性が高い。
そして、米奴日本は、ISAFで「殉職者」の前例を作らされてから、本格的にイランに引きずり込まれる。
そんな気がする。
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