2008-08-09(Sat)

家づくりの現場で反戦を思う

この半年あまりの間に3軒の住まいを完成させることができた。
精魂込めてやったつもりだし、自分で言うのもなんだけれども、結構良いできなんじゃないかと思っている。

しかし、にもかかわらず、何とも言えない欠乏感、喪失感が全身に重くのしかかる。
いまちょうど完成したばかりの現場に、昨日今日と続けて通ってみて、いよいよその思いが募る。

図面のときから気に入った間取りやデザインだったし、工事も良い職人さんが多く、そつなくできあがっている。
材料だって、妥協して体に悪いような変な物を使ったりしていないし、志のある町工場や零細業者が扱っている良い商品を探して、木と紙と漆喰の家ができあがっている。

でも、それでもなお、何かが足りない。
それは、家の問題ではなく、私自身の在り方なのだろうとは、想像がついている。

つまりは、反戦な家づくり ということだ。
仕事に追われて、休みらしい休みもなく、極端な寝不足でふらふらしながら、かろうじてこのブログを書くだけが、反戦の心のより所になってしまっている日々。
なぜか色んなものの裏側が見えてしまう場所を歩いてきたせいで、ちょっとしたニュースが見逃せなくなるくせに、リアルに運動している人たちを冷めた目で見てしまう悪い癖。

だからと言って、たとえば九条の会にでも駆け込んで、バリバリ活動すれば充実しているのかと言えば、やはりそれは違うと思っている。
今生きている現実で、反戦と向き合わなくては、いくらリアルで活動しても、それはブログを書いていることとあまり変わらない。

派遣や偽装請負に苦しめられる人は、その現実と。
命を削る過重労働に晒されているひとは、その現実と。
手抜き工事やサギ同様の会社犯罪を「仕事」としてやらされている人は、その現実と。
いまだに根の深い部落差別や民族差別を受けている人は、その現実と
収入無く病に倒れても「自己責任」で生活保護も拒絶されている人は、その現実と
親の道具のように勉強(もどき)をさせられる若き人は、その現実と

私が体験したり、目の前で見たことのある現実だけでも、まだまだたくさんある。

こんなつらい現実は、みな忘れてしまいたいから、あらためて文字にすると、なんだかすごいことのようだ。
けど、きっと、ほとんどの人が、思い出してみれば同様の経験をしている。
無意識のうちに、自分の記憶から追い出しているだけ。

この現実と、向き合う、向き合わざるをえない、という大転換が訪れたとき、何かが変わる。
この社会では、まわりと違うこと、上にたてつくことは「悪」だと、思いこまされている。
声を上げる人も、おずおずと、恐る恐る震える声を必死で押さえながら訴え始める。

声を上げることで、トンでもないバッシングが降りかかってくることもめずらしくない。
橋下徹に抗議した大阪府職員のように。
イケニエ、ハリツケ、徹底的にさらし者にされる。

もちろん、クビや嫌がらせや村八分は日常茶飯事だろう。
仕事も辛いのに、その辛い仕事よりも辛い嫌がらせで文句を言わさない、という現実は、心底辛い。

しかし、それでもなお、辛がっているうちは何も変わらない。
その場所で、今いる場所で大転換するしか、生き延びていく方法はない。
今の世の中で、クビを覚悟は命にかかわることは、十分承知している。
だから、安易に大転換せよ!なんてアジテーションはしない。できない。
けど、そうしなくては、生きていけないギリギリのラインが、この国のこの社会には迫っている。

泣き寝入りしてはいけない。もし、自殺したくなるほど追いつめられたら、これはもうキレたほうが良い。
生きているその場所で、文句を言おう。

想像してみよう。
セクハラされた女の子が、いきなり「なにすんねん!」とオッサンをドツキ回す。
無茶な命令をする上司に、「そんなんできるわけないやろ!」と、見下した目つきでせせら笑ってやる。
犯罪同様の仕事をさせられたら、ブログでばっちり暴露する。(実名で出せば、大人気ブログ間違いなし)
役人が生活保護を拒否したら、そいつの写真をばしゃっと撮って、全国生活保護拒否役人リストをネット上で作成する。
職場のパソコンの壁紙をさりげなく「反戦」にしておく。


もちろん、反撃した方も無傷ではすまない。
しかし、こんなことが、あちらこちらで頻発すれば、何万という規模でどんどんおきてくれば、たぶん自殺は減るし、世の中も変わり始める。
1970年代から長きにわたってじわじわと権利を奪われて、いつのまにか、当たり前のことがタブーのようになってしまったこの現実を、パコーンとひっくり返すこうした反乱が、実は「反戦」なんじゃないかと思う。

「平和」はだれでも言う。
なにせ、自衛隊の募集ポスターが「平和を仕事にする」だ。
しかし、「反戦」はそうはいかない。
だから、「反戦」というあたりまえの言葉が、何となく過激な言葉のように扱われる。
そんな仕組まれた空気をひっくり返すこと。
それが、「反戦」ということなのではないかな と思ったりする。


などなど、つらつら考えたときに、私の仕事はどうあるべきなのか。
反戦な家づくりと銘打った私の家づくりはどうあるべきなのか。

時事問題とは別に、この問題も原点に戻って考えていきたい。





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すべての星々が
あの世には持っていけなかった
守銭奴どもの贋金であるように

すべての森々が
傷ついた生命を隠すためにあり
すべての島々が
死した生命の埋葬のためにあるように

すべての生き物が
かつての偉大なものたちの
哀しみの産物であり
すべての人々が
誰もが同じ
涙の結晶を抱いて生きているように

「もちろん、反撃した方も無傷ではすまない。
しかし、こんなことが、あちらこちらで頻発すれば、何万という規模でどんどんおきてくれば、たぶん自殺は減るし、世の中も変わり始める。
1970年代から長きにわたってじわじわと権利を奪われて、いつのまにか、当たり前のことがタブーのようになってしまったこの現実を、パコーンとひっくり返すこうした反乱が、実は「反戦」なんじゃないかと思う。」

上記のお言葉に大変勇気づけられました。心の底でたぶん同じことを感じていたのだと思います。それをきちんと形にしていただいたという気がしています。とくに「じわじわと権利を奪われて」という部分です。ありがとうございました。

それぞれの人が声を上げてさえいれば

昔読んだソルジェニーツィンの小説に、
逮捕の時官憲は静かにドアを叩き、逮捕される者もみんな静かに大人しく逮捕されていた。
「皆がそんなのは無法だ」と、大声で反抗していたら、
そんな事件があちらでもこちらでも起きていたら、あんなにも簡単に逮捕し続ける事はできなかったのではないかというような意味のことを書いて有った事を思い出します。

一人ひとりの声は小さくとも、それぞれが無法な圧迫に対しては、黙って従ったりせず、声を上げていたならば、世の中は又違うものになるのではないかと思います。

仰るように自殺するくらいなら、不当な扱いを受けている人皆が、渾身の声で訴えたならば、その数の力で世の中は改善せざるを得なくなるのではないでしょうか?

生きてる場所での反戦に大賛成です

たかだか人生数十年です。財産も、愛も憎しみもあの世には持って行けない。ましてや取るに足らないこの世界での地位や肩書きや思い出や・・

ぼくにもここのプロバイダーでのブログがあるのですが・・禁止用語でここへ書き込めない事が多かったのとは違って、かなり過激な内容なのに?です。

どこまで書いていったら禁止用語なのかが現在興味深々です。どのプロバイダーに、どこまでの過激な詩や書き込みが許されているのか?
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