2008-09-06(Sat)

石破茂の線はあるか?

小池百合子などが推薦人の確保に汗水垂らしていたのに、石破茂はいきなり20人以上の推薦人を擁して出馬表明した。
唐突な感じを受けた人も多いのではないだろうか。
出馬表明自体は、電波ジャックの一環かもしれないが、推薦人が一瞬で集まるというのが不思議なところだ。

■■
石破茂は、自民党の中では毛色の変わった政治家のようだ。
自他共に認める軍事オタクであることはともかくとして、国防を叫ぶ一方で、日中戦争の非をを認め右翼からは総スカンを食っている。
憲法についても、改憲には否定的だ。

集団的自衛権にも否定的な意見を述べていて、ホームページには

それでは憲法解釈を変えて「日本はアメリカを守ることができる。したがって基地は貸せない」といえるのかといえば、いえないでしょう。
極東、あるいはアジア太平洋地域が平和で安全であるということによって、一番利益を受けているのは日本です。その極東、アジア太平洋の安全を守る能力をもっているのはアメリカだけです。そのために基地を提供するというのは、それはある意味で日本のためだけではなく、極東、アジア太平洋諸国のためにもなるのではないか。

アメリカの軍事戦略が理解できなければ、議論にならないでしょう。それを知らなければ抑止力の維持もできなければ、国民負担の軽減もできません。


と書いてある。
安倍晋三などのトンデモ君なんかに比べると、河野洋平なんかと同じような原則論者であるようだ。
が、観点を変えると、アメリカの戦略に沿った形で、中国とはコトを構えないように、自衛隊の実戦力を蓄えていく という路線だ。

こうしてみてくると、石破はアメリカ好みの防衛族議員であることが見えてくる。
中国に日本を切り売りしながら、徐々にアジアから退却していきたいアメリカには、ぴったりの人材だ。

■■
もう一つの特徴は、経済面がスッカラカンだということ。
これだけ世界経済が混乱している中で、何があろうと軍事のことしかしゃべらない政治家もめずらしい。
と言うことは、セットになった経済閣僚の言うなりになる ということが充分あり得る。

中途半端な持論を振りかざしてアメリカの戦略を邪魔するような危険が少ない。

経済面での日本に対するアメリカの絶対要求は、アメリカ国債を売らないことと、日本国内の金利を上げないこと。
つまり、ドルに奉仕せよ、ということだ。

それに加えて、アメリカの金融危機に膨大な資金投入を迫られている。
かつては、日本の不良銀行に日本の公金を熨斗紙に包んで持たせたうえで、アメリカ資本に献上した。
これからは、もっと直接に、アメリカのつぶれかけの銀行に日本の資金を「投資」させられる。
もちろん、返ってくるあてなどない。

その資金を確保するためには、民間が所有している貯金を、ごっそり政府が取り上げなくてはならない。
早い話が、増税だ。

増税と言えば 与謝野馨。 与謝野馨と言えば増税 というくらいで、経済閣僚は与謝野がおさえるだろう。
問題は、首相だ。

当初はアメリカが、日本国内を調整(ごまかす)する役割として期待した麻生太郎だったが、どうやら増税に反対しそうな流れだ。
これは、アメリカさんは絶対に容認できない。
なにせ、ファニーメイの命脈が尽きようかというときに、のんきに日本の経済回復など待っていられない。

そこで、急遽浮上したのが、石破茂の総裁選出馬だったのではないか。

■■
アメリカ大統領が民主党にもしなれば、アメリカ・中国・ロシア・ユーロの世界分割統治戦略は、一層進んでいくだろう。
その流れの中では、安倍のような極右的なものは、むしろ疎外されていく。
むしろ、一見平和的なようにすらみえる体裁をとりながら、日本はエサにされ、身ぐるみ剥がれていくだろう。

そして、そうなったときに、いよいよファシストの登場も現実味をもつ。
戦争に「希望」を見いだす人々の声が、大きなうねりになってしまう危険は、非常に大きい。

だから、戦争にあくまでも反対するには、急速に貧乏になっていく日本の、その原因をちゃんと知って、無意味で危険な排外主義に絡め取られないようにしなくては。
他国に向ける排外主義の刃は、そのまま自国民に跳ね返ってくることは、ちょっとふり返れば分かること。

敵は、エサのごとく扱うアメリカ、その代理人、それに反対するポーズのファシスト。

どいつもこいつも、ぜ~んぶ× ということを見間違えないようにしたい。

もし、石破がダークホースで総裁選に勝ったり、官房長官にでもなったら、この流れを思い出してほしい。






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衆議院選挙対策としての立候補

石破元防衛大臣は、米国に対して、防衛関連で米国にとって破格の条件を、率先垂範して簡単に飲んだと評される、まさに米国好みの大切な人物。イージス艦事故の時、意味不明なロス疑惑再燃による援護射撃を見ても、米国が彼を如何に大切に扱っているかが解ります。ですが、解散総選挙の自民党の顔としては到底無理でしょう。今回の彼の立候補は、新総裁目的というよりは、現実に相当危ぶない、衆議院選挙での落選に危機感を抱いて、テレビによるプレ衆議院選挙演説だと思います。テレビも、実にその意図を知って彼に協力しています。流石テレビは米国の意思に従順です。
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