2008-09-24(Wed)

財務大臣と金融担当大臣が兼務するという暴挙

いまの日本の制度では、直接オカネに関する大臣が3人いる

財務大臣、金融担当大臣、それに舌を噛みそうな経済財政政策担当大臣(以下、経財担当大臣とする)

さて、それぞれ何の仕事をしている人かわかりますか??

あらためて調べてみないと、われわれ素人にはチンプンカンプンだ。

財務大臣 (財務省)  税金と通貨、外国為替

金融担当大臣 (内閣府金融庁) 銀行、証券、保険などの金融

経財担当大臣 (内閣府) 予算編成を含む経済政策づくり

おおざっぱに言えばこんな感じだろう。
もとをたどれば、言うまでもなく大蔵省。
なんで、こんなややこしくなったのかというと、大蔵省を分割したきっかけは、ノーパンしゃぶしゃぶだ。

銀行と行政(官僚)が癒着した構造にメスを入れる、という建前で、大蔵省は分割されたはずだ。
表向きは、だから、国が銀行のやりかたに口をはさまない、というポーズであったはずだ。

これまでも、いちおう大蔵省を分割した建前上、財務大臣と金融担当大臣は別だった。

もっとも、その建前を骨抜きにしたのが経財担当大臣で、実質的な権力を首相官邸の直属する経済財政政策諮問会議に集めて、コイズミ・安倍時代の数々の悪政に手を染めてきた。
経財担当大臣の下に、総務大臣、財務大臣、経済産業大臣、日銀総裁、さらに経団連会長、伊藤忠商事会長と言った顔ぶれで、日本の行く末を決めてきた。
その結果が、今の私たちの日々苦しくなる暮らしである。

■■
それでも、財務大臣と金融担当大臣を分けるということは、形式上守られてきた。
ところが、今回の麻生内閣では、中川昭一がその両方を兼ねるという。
まさに、大蔵省の復活だ。

安倍晋三、麻生太郎、中川昭一という、見せかけのド右翼の系列が、復活しているように見える。
が、ことの本質は、そんなところにあるのではない。

中川本人は、このように語っている。

くしくも、総裁選の最中の15日、米証券4位のリーマン・ブラザーズが経営破綻した。負債額は6130億ドル(約64兆円)。日本法人のリーマン・ブラザーズ証券も民事再生法の適用を東京地裁に申請した(負債額3兆4000億円)。さらに問題が広がって、米国発の金融危機を指摘する声もある。
 この緊急事態を前に、麻生氏とはあらゆる政策を駆使して日本経済を活性化させることを誓い合った。
 「財政出動も辞さず」「2011年度のプライマリーバランス(基本的財政収支)黒字化に固執しない」というと、「バラマキ」「守旧派」などとレッテルを張る向きもあるが、改革を後退させるつもりはない。景気を良くして体力をつけてから、さらに改革を進めていくものだ。
(2008.9.19産経 中川のホームページより引用)


ここで、「あらゆる政策を駆使して日本経済を活性化」とは、「あらゆる政策を駆使してアメリカ資本を保護」の意味であることは言うまでもない。

■■
こうした動きと軌を一にして、東京三菱、野村證券、三井住友が、巨額の出資をするという。
見せかけの資産が、実はタダの紙切れであったことがドンドンばれてしまって、二進も三進も行かなくなっている会社に、ロクに資産の査定もしないままに、巨額の出資。
まともな経営者であれば、卒倒しそうな暴挙であろう。

なにせ、複雑怪奇にトリックを施されたデリバティブなどの債券は、時価がいくらなのか、誰も分からないのだ。
何を言われているのか分からないような、奇っ怪な話だけれども、それがキャッシュだったら地球ごと買えてしまうような額面の資産が、今や時価を計算することができない。

そんな資産状態の会社に、何千億円も出資するなんて、絶対に経営者としての正当な判断ではない。
政治的に強制されたものと言えよう。


そもそも、日銀がせっせと何兆円も外国の銀行にオカネを貸している。
円ばかりか、手持ちのドルまで気前よく、0.6%くらいの金利で貸している。
資金難で、今でも倒産しそうな連中に、0.6%の金利でカネを貸すということも、普通の感覚では信じられない。
そして、この流れが「ゆうちょ銀行」へ向かうことも、ほぼ間違いないだろう。

見せ金がぜんぶニセモノだとバレてしまって、どうしても今すぐにキャッシュが欲しいアメリカの金融会社が、ぱっと世界を見渡して何に目をつけるか。
これはもう、言うまでもなく日本の個人資産1400兆円だ。しかも、このうちの半分以上が貯金だから、見せ金ではない実物だ。
アメリカの個人資産は、4200兆円相当あるけれども、貯金は1割ほど。残りは、投資だからバブルを多量に含んでいる。

日銀のホームページ


他の国とも比較しても、ゲンナマがあるのは、圧倒的に日本なのだ。
しかも、その国の政治家はアメリカには絶対に逆らわない。
これで黙っているほど、アメリカ資本がジェントルマンでないことは、世界中の子供でも分かる話だろう。
(日本の大人だけは、分からない人が多いようだけれども)

■■
これから、麻生-中川というコンビは、「日本経済のために」という錦の御旗で、ザクザクとオカネを流し始めるだろう。
見かけはいい。しかし、その隠れた本流は、海を越えてアメリカに向かっている。

個人資産は「投資」という形で、税金は「融資」という形で、返ってくるあてのない倒産寸前のアメリカ金融会社に湯水のように注がれる。
ニュースを見て、「ああ三井住友は金持ちだなあ」なんてノンキなことを言っている人は、ちょっと待って欲しい。

三井住友や東京三菱や野村が投資するカネは、ぜんぶ他人のカネだ。預かっている預金だ。
東京三菱UFJ銀行の預金は約100兆円。正味の資本金は9000億円しかない。
その正味の資本金と同じだけの金額を、会社の資産状況も分からないモルガンに出資するという。

これを、のほほんと聞いている預金者ばかりだったら、これはシメシメと同じコトが次々と繰り返され、日本の預貯金は、ドッとアメリカの紙切れに成り果てていくだろう。
いくらなんだか誰にも分からない(たぶんタダ同然)紙切れに。

これを、官民一体でごり押しするぞ! というのが、麻生-中川の存在意味であるし、大蔵省を復活させる今回の内閣人事だ。


 
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ポチが敵前逃亡したなあ。

いや全く、大政翼賛会といい、関東軍といい、
自民党といい、

国民なんて最初からどうでも良くて、
自分さえよければいい連中ばかり。

こんな自民党と言う政党に投票してきた奴らは、
仲良く心中してほしいものだ。

カモ・ジャパン

先日の「ドロドロの内乱の時代が始まったようだ」にある件-アメリカの要求は、いよいよ容赦のないものになっていった-
やはりフクダが辞めたのはそれにビビッたからだ、とするとあれこれ符合してきた。
悪怯れるどころか胸張っての辞任会見。「私は日本にトドメを刺すことだけは断ったんです、悪党じゃないんです」と愛国者を気取っていたのだ。
リーマン・ブラザーズにしても、くしくも総裁選の最中に破綻なんておかしい。
周囲の目を逸らすために汚染米のニュースもこのタイミングで出してきた。
日本の大手金融機関が潰れたUS企業に入れ食いのように飛びついた、というのも本当に不自然である。
「日本が攻勢に転じた!」などと白々しく報道している。
そして中川の大臣兼務。税金で救われた日本のメガバンクらを脅すのにうってつけだ。
NHKスペシャル-国内資産はこうして米国に提供された-が待ち遠しい。
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