2008-10-01(Wed)
ゆうちょ 327兆円のゆくえ
最近は、やたらと額の大きい金額が飛び交っていて、オカネのスケール感が麻痺してしまう。
10年前に「住専に公的資金投入!」と言って、世論が大揺れしたときの金額が、たしか6800億円くらいだったように記憶している。
その後、ほとんどの銀行になしくずしに注ぎこまれて、総額は12兆3000億円、今年の3月時点で、まだ4兆5000億円戻っていないそうだ。
銀行への公的資金、回収利益は1兆3000億円
2008/6/ 4 J-CAST
金融システム不安によって国が1998年から2003年にかけて大手銀行や地方銀行に資本注入した約12兆3000億円の公的資金のうち、08年3月31日までに額面ベースで約8兆8000億円を回収し、約1兆3000億円の利益が上がっていることがわかった。
回収利益というのは、公的資金の投入=銀行株の購入であり、その株をうって儲けた額だ。
しかし、今回の暴落で、利益どころか大損になるかもしれない。
という具合に、すぐに「兆」という単位が出てくる。
アメリカ議会で否決された、公的資金の投入は、なんと75兆円。
日本の国家予算に匹敵する。
それでも、たぶん焼け石に水だろう、という予測もある。
なにせ、泡のようにふくらんだデリバティブ商品の総額は、「兆」の1000倍、「京」の単位だから。
6京円(こんな単位初めて見た!)のデリバティブが、20%値下がりしたら、1京2000兆円の損失。
もともと何の実態もない、想像の世界で作り上げた「資産」だから、簡単に値上がりしてボロもうけもするけれども、いとも簡単に暴落する。
たぶん、20%なんてものじゃ すまないかもしれない。
このように、国家予算規模の何百倍ものバクチをやらかしたのだから、その後始末を国家予算でするのは無茶な話だ。
金持ちの尻拭きを税金でするな という心情だけでなく、純粋に金額的に考えても、無理。
年収500万の人が、5億円の借金をするようなものだ。
金利だけで年収を超えてしまう。
それでも、なんとかしてカネをかき集めて、生き残りを図るアメリカは、虎視眈々と327兆円の資産を狙っている ハズ。
そう、世界になだたる巨大金融「ゆうちょ」だ。
アメリカに吸い取られる、とか言いながら、実はまだ「ゆうちょ」のオカネは日本国債を中心に、堅い運用を続けている。
今のところ。しかし・・・
米金融危機 2社への影響「限定的」 ゆうちょ銀、かんぽ生命会長
2008/9/20 FujiSankei Business i.
ゆうちょ銀は、国債など安全資産での運用に加え、デリバティブ(金融派生商品)や証券化商品、協調融資などでの運用も増やす計画。金融市場の動揺が続いているが、古川会長は「(計画に)変わりない」と運用対象を拡大していく考えを示した。
デリバティブや証券化という「金融工学」という詐欺が、トンでもないバブルをつくりだし、アメリカですら国家存亡の危機に立っているときに、なんと、これからバブルに投資します、と宣言している。
本家のリーマンがつぶれ、モルガンとゴールドマンも普通の銀行に戻ります、とシッポを撒いているときに、いまからバブリま~す と言うのである。
いよいよ、「ゆうちょ」327兆円が、ガラクタになったアメリカ金融に捧げられる日が近いようだ。
三菱東京や野村の無謀な投資も、本丸「ゆうちょ」が動き出すための地ならしだったのではないか、とも思える。
コイズミが逃亡したのも、この事態をまえに、さっさと雲隠れしたのではないか。
ゆうちょ銀行に大枚預けている皆さん、かんぽで老後の計画をしている皆さん、要注意ですよ。
10年前に「住専に公的資金投入!」と言って、世論が大揺れしたときの金額が、たしか6800億円くらいだったように記憶している。
その後、ほとんどの銀行になしくずしに注ぎこまれて、総額は12兆3000億円、今年の3月時点で、まだ4兆5000億円戻っていないそうだ。
銀行への公的資金、回収利益は1兆3000億円
2008/6/ 4 J-CAST
金融システム不安によって国が1998年から2003年にかけて大手銀行や地方銀行に資本注入した約12兆3000億円の公的資金のうち、08年3月31日までに額面ベースで約8兆8000億円を回収し、約1兆3000億円の利益が上がっていることがわかった。
回収利益というのは、公的資金の投入=銀行株の購入であり、その株をうって儲けた額だ。
しかし、今回の暴落で、利益どころか大損になるかもしれない。
という具合に、すぐに「兆」という単位が出てくる。
アメリカ議会で否決された、公的資金の投入は、なんと75兆円。
日本の国家予算に匹敵する。
それでも、たぶん焼け石に水だろう、という予測もある。
なにせ、泡のようにふくらんだデリバティブ商品の総額は、「兆」の1000倍、「京」の単位だから。
6京円(こんな単位初めて見た!)のデリバティブが、20%値下がりしたら、1京2000兆円の損失。
もともと何の実態もない、想像の世界で作り上げた「資産」だから、簡単に値上がりしてボロもうけもするけれども、いとも簡単に暴落する。
たぶん、20%なんてものじゃ すまないかもしれない。
このように、国家予算規模の何百倍ものバクチをやらかしたのだから、その後始末を国家予算でするのは無茶な話だ。
金持ちの尻拭きを税金でするな という心情だけでなく、純粋に金額的に考えても、無理。
年収500万の人が、5億円の借金をするようなものだ。
金利だけで年収を超えてしまう。
それでも、なんとかしてカネをかき集めて、生き残りを図るアメリカは、虎視眈々と327兆円の資産を狙っている ハズ。
そう、世界になだたる巨大金融「ゆうちょ」だ。
アメリカに吸い取られる、とか言いながら、実はまだ「ゆうちょ」のオカネは日本国債を中心に、堅い運用を続けている。
今のところ。しかし・・・
米金融危機 2社への影響「限定的」 ゆうちょ銀、かんぽ生命会長
2008/9/20 FujiSankei Business i.
ゆうちょ銀は、国債など安全資産での運用に加え、デリバティブ(金融派生商品)や証券化商品、協調融資などでの運用も増やす計画。金融市場の動揺が続いているが、古川会長は「(計画に)変わりない」と運用対象を拡大していく考えを示した。
デリバティブや証券化という「金融工学」という詐欺が、トンでもないバブルをつくりだし、アメリカですら国家存亡の危機に立っているときに、なんと、これからバブルに投資します、と宣言している。
本家のリーマンがつぶれ、モルガンとゴールドマンも普通の銀行に戻ります、とシッポを撒いているときに、いまからバブリま~す と言うのである。
いよいよ、「ゆうちょ」327兆円が、ガラクタになったアメリカ金融に捧げられる日が近いようだ。
三菱東京や野村の無謀な投資も、本丸「ゆうちょ」が動き出すための地ならしだったのではないか、とも思える。
コイズミが逃亡したのも、この事態をまえに、さっさと雲隠れしたのではないか。
ゆうちょ銀行に大枚預けている皆さん、かんぽで老後の計画をしている皆さん、要注意ですよ。
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