2009-01-14(Wed)
竹中工務店の「大変な」マンション
その筋ではすで相当有名な話だが、大阪・千里中央に建設中の超高層マンションが大変なことになっている。
柱が折れた。
施工ミスで柱損傷 50階建てマンション
2008年11月27日 朝日
ザ・千里タワー 物件概要
(公式ホームページ ただし事件は黙殺)
11月の話題をなんで今頃書くのかというと、ちょうど今日現物を見たということと、買った人の話を伝え聞いたから。
公式発表、といっても報道管制があるらしく、上記の朝日新聞以外は見あたらないうえに、公式ホームページでも黙殺しているけれども、とにかく、しぶしぶ認めているのは、18階の柱の継ぎ目が折れた(座屈)ということ。
つれづれフォト日記さん から写真をお借りすると、
正面の真ん中より下に貼ってある絆創膏のようなところが、その箇所。

その後、12月6日には「クレーンが風であおられて」38階のガラスが割れた。
千里タワー 今度はガラスが割れた?
(●湾岸・首都圏タワーマンション・高層ビル● 08.12.10)
外からクレーンがぶつかったのに、100mほど離れたファミリーマートまでガラスが飛んだという。
この辺は私も場所を知っているので、非常に不自然な感じがする。

120mの高さから落ちたガラスが、100mの距離まで飛んでいる。
なにかしら、外向きの力がかかって割れたのではないか。
そして、今日聞いた話は、間に1人挟んだ話なので定かではないが、窓ガラスが一列ざーっと割れた、というのである。
柱の座屈の話と、38階のガラスの話がない交ぜになっている可能性もあるが、柱が折れてから2ヶ月もたつのに、ショウルームを閉鎖したままなのは、やはり何かあるのではないか、とも思える。
技術は、人の能力を超えて、どんどん高度化する。
それは、技術開発という名の「経済開発」だ。
本当に技術の観点から考えるのであれば、人間が作り、管理するという限界を踏まえなくてはならない。
失敗しないためのチェックと、したときのフォローが、あらかじめ技術の中に織り込まれているべきだ。
しかし、「売る」ための技術は、技術に人間が合わせなくてはならない。
だから、ほとんど必然的に間違いが起きる。
今回のケースは、大事になったから「よかった」のかもしれない。
はっきりとは表面化していないケースは、おそらく星の数ほどある。
鉄筋コンクリートの高層マンションというと、なんだかハイテクのすごいものみたいに考える人も多いだろうけれども、結局は信じられないほど手作りだ。
今回のはちょっと特殊な工法だけれども、15階くらいまでの普通のマンションは、木造住宅よりもはるかに手作りだ。
作るものは高度な計算を駆使して設計されていたりするが、そんなことは現場で手作りしている職人は知るよしもない。
だから、少なくとも住宅や建築に関わることで、あまり「すごい」ものは信用しないことだ。
作るのは、どんな建築でも、普通の職人さんだ。
「すごい」職人ばかりを集めているわけではない。
だから、普通の職人の技能でつくれるような技術。
そのことで、職人の機能も受け継がれていくような技術。
そんなものが望ましい。
木造住宅というのは、その可能性を一番残しているのは確かだ。
木造といえども課題は多いけれども、技能と技術をコラボさせる可能性はある。
柱が折れた。
施工ミスで柱損傷 50階建てマンション
2008年11月27日 朝日
ザ・千里タワー 物件概要
(公式ホームページ ただし事件は黙殺)
11月の話題をなんで今頃書くのかというと、ちょうど今日現物を見たということと、買った人の話を伝え聞いたから。
公式発表、といっても報道管制があるらしく、上記の朝日新聞以外は見あたらないうえに、公式ホームページでも黙殺しているけれども、とにかく、しぶしぶ認めているのは、18階の柱の継ぎ目が折れた(座屈)ということ。
つれづれフォト日記さん から写真をお借りすると、
正面の真ん中より下に貼ってある絆創膏のようなところが、その箇所。

その後、12月6日には「クレーンが風であおられて」38階のガラスが割れた。
千里タワー 今度はガラスが割れた?
(●湾岸・首都圏タワーマンション・高層ビル● 08.12.10)
外からクレーンがぶつかったのに、100mほど離れたファミリーマートまでガラスが飛んだという。
この辺は私も場所を知っているので、非常に不自然な感じがする。

120mの高さから落ちたガラスが、100mの距離まで飛んでいる。
なにかしら、外向きの力がかかって割れたのではないか。
そして、今日聞いた話は、間に1人挟んだ話なので定かではないが、窓ガラスが一列ざーっと割れた、というのである。
柱の座屈の話と、38階のガラスの話がない交ぜになっている可能性もあるが、柱が折れてから2ヶ月もたつのに、ショウルームを閉鎖したままなのは、やはり何かあるのではないか、とも思える。
技術は、人の能力を超えて、どんどん高度化する。
それは、技術開発という名の「経済開発」だ。
本当に技術の観点から考えるのであれば、人間が作り、管理するという限界を踏まえなくてはならない。
失敗しないためのチェックと、したときのフォローが、あらかじめ技術の中に織り込まれているべきだ。
しかし、「売る」ための技術は、技術に人間が合わせなくてはならない。
だから、ほとんど必然的に間違いが起きる。
今回のケースは、大事になったから「よかった」のかもしれない。
はっきりとは表面化していないケースは、おそらく星の数ほどある。
鉄筋コンクリートの高層マンションというと、なんだかハイテクのすごいものみたいに考える人も多いだろうけれども、結局は信じられないほど手作りだ。
今回のはちょっと特殊な工法だけれども、15階くらいまでの普通のマンションは、木造住宅よりもはるかに手作りだ。
作るものは高度な計算を駆使して設計されていたりするが、そんなことは現場で手作りしている職人は知るよしもない。
だから、少なくとも住宅や建築に関わることで、あまり「すごい」ものは信用しないことだ。
作るのは、どんな建築でも、普通の職人さんだ。
「すごい」職人ばかりを集めているわけではない。
だから、普通の職人の技能でつくれるような技術。
そのことで、職人の機能も受け継がれていくような技術。
そんなものが望ましい。
木造住宅というのは、その可能性を一番残しているのは確かだ。
木造といえども課題は多いけれども、技能と技術をコラボさせる可能性はある。
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