2009-01-25(Sun)

バラク・オバマの意義と意味

まるでスーパーマンが登場したかのようにオバマ大統領就任が取り沙汰されているが、さて、オバマはそんなに凄いヤツなのか。

実際の人物を知るよしもないから、どのくらい凄いのかは私に分かるわけない。ただ、一つ。
オバマ就任の「意義」と「意味」は、はっきり区別して考えた方がいい、と思う。

テレビでは、オバマが生まれた頃の(私が生まれた頃でもある)、公民権運動の映像が流されている。
そうした歴史を背負っている人々にとって、確かに黒人大統領の誕生というのは、感慨に堪えないのだろう。

その人となりに関係なく、ただ黒人だからと言う理由で差別されてきたのだから、逆に言うと、オバマの人となりとは関係なく、黒人が大統領になったということはやはり歴史的なことだ。
そういう意義は、決して軽くない。

ただ、そうであってもやはり、オバマが誕生した意味というのは、別のところにある。
というか、挙国一致体制をつくるために、あえて黒人大統領にした、とも言える。


この10年来、アメリカと世界の経済を膨張させてきた金融工学というのは、小室哲哉の詐欺事件を巨大にしたようなものだ。

ありもしないものを「あるぞあるぞ」と言って金を出させ、金を出すから値が上がり、値が上がるからより一層多くの金を出させる。という連鎖を続けてきたのだ。

JASRACに譲渡してしまって自分には無い著作権を、あたかも自分の手元にあるかのように偽って5億円をださせた小室哲哉は希代の悪党のように言われているが、金融工学は小室哲哉が1万人束になってもとうてい敵わない。

なにせ、金融工学が膨らませたあぶく銭は6京円とも言われている。6000兆円の10倍だ。
ということは、日本中の老若男女がこぞって小室哲哉になって、世界中から金を巻き上げたようなものだ。
実際には、アメリカを中心にわずかな人間によって、それは為されたのだけれど。

100年に一度の大不況と言われているが、正確には不況ではなく、世界的規模の超巨大詐欺事件だ。
詐欺にあって身ぐるみはがれてしまった被害者が破産するように、多くの会社が破産している。

しかも、火事場泥棒までが横行している。
このさいに、自分たちも被害者のふりをして、焼け太りを狙う輩だ。経団連の前会長、現会長を筆頭に、たんまり金を貯め込んだ連中が、「大変だ大変だ」と大騒ぎをして、本当に大変な下請けや派遣社員の生首を切り飛ばしている。

火事場ドロは、相当に計画的だ。
今から思えば、リーマンブラザーズの意図的な破綻は、この火事場泥棒のゴーサインだったような気がする。
そう考えると、麻生たちが急に「不況だ」と言って、大騒ぎを始めたことが理解できる。
サブプライム問題が表沙汰になったのは、2007年の秋なのだから、リーマンの一件で急に不況になったわけではない。
にもかかわらず、2008年の秋から急に「不況だ」の大合唱が始まったのは、明らかに計画的だ。


それにしても、アメリカは砕け散った500兆ドルからのバブルを、自力で穴埋めすることはできやしない。
アメリカのGDPが14兆ドル弱。少なく見積もって500兆ドルの半分が消えて無くなったとしても、20年近くは飲まず食わずで働かなくてはならない。
日本のバブル崩壊の損失が1500兆円と言われる。GDPが約500兆円。GDP3年分の損失でこの様だ。20年分になったらどうなるのか。

しかし、オバマのアメリカは、自力で取り戻そうなどとはハナから考えていないに違いない。
象徴的な出来事がいくつかある。

NY株急落332ドル安 大統領就任日では最大の下落率 
2009年1月21日 中日新聞

高尚な演説には市場はまったく関心無かったわけだ。

「オバマ大統領、中国は為替操作国と認識」ガイトナー氏が表明 
2009.1.22 日経

というわけで、2日後には早速、本領発揮というわけ。
当然のことながら、中国とアメリカは、今や持ちつ持たれつの運命共同体。
どっちかがコケたらどっちも終わり。

にもかかわらず、ここまで強烈なことを言うのは、ほとんど自爆テロだ。
言うことを聞かなければドル暴落させるぞ、という脅迫だ。
う~ん ここまでやるか という感じ。

とうぜん、この無理難題は日本にも押し寄せるはずだ。
いや、すでに来ている。それが、選挙前の増税宣言ではないのか。
オバマ・アメリカに貢ぐための財源確保。


一方で、湯水のように金を使う戦争は、少し減るかもしれない。

オバマ政権はパレスチナ政策をチェンジできるか
2009.1.24 JANJAN

各紙で発表されているように、ジョージ・ミッチェル前民主党上院議員が中東和平特使になった。
ディズニー社の会長にして、アイランドの和平交渉を仕切った男。
イスラエル寄りの立場であることは間違いないが、少なくとも、戦闘行為はなくそうという意志は感じられる。

米国の中東特使にジョージ・ミッチェルとの報道。→22日に任命。
tnfuk [today's news from uk+] 2009.1.22

この記事を読むと、アイルランド人の父とレバノン人の母をもつジョージ・ミッチェルの雰囲気が少し分かる。
このブログの翌日分に、ミッチェルの演説訳文もあり。

アメリカの金を使ってやる戦争は減らして、軍事力とドル暴落を切り札にした自爆テロで他国から金を出させる。
その路線で、アメリカ国民を総動員する。
これが、オバマ就任の「意味」なのだと思う。


それともう一つ。

オバマ新政権のエネルギー・環境政策
2009/01/22  Klug

こうした布陣で取り組む新政権のエネルギー・環境政策では、3つの重要課題が注目される。具体的には、ポスト京都議定書に向けた地球温暖化問題への取り組み、再生可能エネルギーの利用促進にともなう環境ビジネスへの支援拡大、排出権取引制度の創設である。

めっきり少なくなっていた温暖化詐欺を、EUにかわってオバマが胴元になろうとしている。

ブッシュ時代の「テロとの戦い」にかわって、「ドル防衛」が錦の御旗になってうち振られ、「オンダンカ」の虚構がまことしやかにまかり通る。

黒人大統領の誕生という歴史的な「意義」とともに、こうした時代の幕開けとしての「意味」を押さえておきたい。






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借り入れは計画的にしたいですね。その前には読んでおきたい話です。

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No title

オバマに肩入れすると何か得するネット工作員がうるさいが、結局こいつらも自民党と同じ、自分さえ良ければあとはどうでもいいという連中だろう。

すでに冷静な分析がある。
http://tanakanews.com/090127obama.htm
もはや、アメリカが自滅戦略をとっていることに疑いはない。

No title

私も同じようにオバマ氏にはカリスマ性と同時に胡散臭さを感じていました。
黒人が大統領になった!
と言うよりも、
(今のこのご時勢に)黒人だからこそ大統領にしてもらった!
が正しいでしょうね。
ヒラリーが黒人だったら、ヒラリーが大統領になっていたでしょう。
「黒人」くらいのインパクトが無いと「CHANGE」をアピールできませんもんね。

共和党と民主党、確かに色は違いますが向かう場所は同じ。
日本もアメリカもそこは変わりませんね。

No title

少し取り違えているのではないかと思われた部分があるので、指摘させていただきます。温暖化について、オバマは温暖化を防止するために環境を考えているのは確かですが、その目的が、日本政府のように温暖化を強調することによって国民からお金を巻き上げるためではなく、環境問題の改善、新たな職づくりを目的としたものです。風力や太陽エネルギーを使用し、それらを使用することによって、地球の自然環境を改善すると同時に新たな職を国民のために創りだそうとしているのです。

市場の反応については、冷泉氏が興味深いことを書かれていたので、引用させていただきます。

20日の就任式へ向けて「ご祝儀相場」を期待する向きもあったのですが、この日ワシントンが全世界の注目を集めている中で、ニューヨークでは株価がダラダラと下がり、ダウ平均は300ドルも値下がりしてしまいました。ですが、翌日オバマ政権が始動し、前例のないようなスピードで実務が回転し始めると市場はすぐに上昇に転じています。この市場の見せた冷静さ、つまり「ご祝儀相場」というような訳の分からない行動は一切せずに、新政権が仕事をすれば反応し、何もしない就任式の日には下げるという冷静さは、市場がオバマの「現実感」を理解しているということだと思います。




大統領と言っても、より大きい組織のパシリでしかない。
全ての失策の責任とらされて、ケネディと同じ最後のような気がする。
そういう意味ではかわいそうかもね。
我々の方がよっぽとかわいそうだが。
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