2009-01-29(Thu)

ソマリア派兵で見えるもの

自衛隊そのものの賛否はともかく、法律上、自衛隊とは何かを見てみると、

自衛隊法 第三条(自衛隊の任務)

自衛隊は、我が国の平和と独立を守り、国の安全を保つため、直接侵略及び間接侵略に対し我が国を防衛することを主たる任務とし、必要に応じ、公共の秩序の維持に当たるものとする。
2  自衛隊は、前項に規定するもののほか、同項の主たる任務の遂行に支障を生じない限度において、かつ、武力による威嚇又は武力の行使に当たらない範囲において、次に掲げる活動であつて、別に法律で定めるところにより自衛隊が実施することとされるものを行うことを任務とする。
一  我が国周辺の地域における我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態に対応して行う我が国の平和及び安全の確保に資する活動
二  国際連合を中心とした国際平和のための取組への寄与その他の国際協力の推進を通じて我が国を含む国際社会の平和及び安全の維持に資する活動

となっている。

要するにその目的は

1.日本の平和と独立を守り、国の安全をたもつ
2.日本周辺の地域での平和及び安全に重要な影響を与える事態への対応
3.国際連合を中心とした国際平和のための取組み

ただし、2と3には

武力による威嚇又は武力の行使に当たらない範囲

という制約がある。

さて、商売で外国に出かけていった人が襲われました。
これは、我が国の平和と独立を侵されたことになるのでしょうか??

今や、地球上のあらゆる国や地域に日本人がいる。
その中には、危険に直面している人も少なくないはずだ。

国境無き医師団のように、危険だからこそがんばっている人たちもいる。
戦場にこそ儲け話があると、危険を承知で出かけていく連中もいる。
石油のように、その商売自体が戦争と危険を引き起こしているものもある。

これらの危険に対応することが、すべて自衛隊の目的になるというのならば、自衛隊は世界中に飛んでいけることになる。
もやは、米軍などと何も変わらない。フツウの軍隊だ。

古今東西、侵略や海外派兵と名のつくもので、「自衛」を言い訳にしなかったものがあるだろうか。
かならず、「やられたからやり返す」、「危険を未然に防止する」という言いがかりをつけて侵略は行われる。


今問題になっている、82条は何を書いてあるのか。

第八十二条 (海上における警備行動)
防衛大臣は、海上における人命若しくは財産の保護又は治安の維持のため特別の必要がある場合には、内閣総理大臣の承認を得て、自衛隊の部隊に海上において必要な行動をとることを命ずることができる。


これで全部。省略なし。

ここで言う「海上」が、自衛隊の任務の範囲内であることは、法律であるかぎり当たり前のはなしだ。
この法文を根拠に海外に出かけていくなど、脱法を通り越して、違法である。
自衛隊法3条に違反している。

にもかかわらず、マスコミはあいかわらず、何も言わない。
武器使用規定がないとか、枝葉末節のことばかり報道する。

そもそも、自衛隊が憲法違反である。1万歩譲って自衛隊法を認めたとして、ソマリア派兵や海賊対策新法などは、自衛隊法違反だ。
こんなものが、国会の議論すらなく、自民党と公明党の独裁で進められている。

こんな、とんでもない事態を前にして、大手マスコミは一切の批判をせず、新法を制定せよと後押しするばかり。
かろうじて、地方紙が「脱法行為」だと、指摘するのみ。


なぜ、今こんなことがおきるのか。

一つは、オバマ誕生にあわせて、改めて忠誠を誓うということだろう。
オバマは、徹底して他人のフンドシで相撲を取ろうとする。
自分の金は出さずにすまそうとする。

しかも、ブッシュ時代に運命共同体になってしまった中国とも一線を画そうとしている。
となれば、当然、お鉢がまわってくるのは日本だ。

ブッシュ時代以上に、奴隷化を求められる。
その第1弾は、アメリカ国債購入資金としての消費税の増税。
第2弾が、ソマリア派兵というわけ。


もう一つは、民主党への揺さぶりだ。
前原などのように、自民党以上に侵略熱に燃えているような連中を抱える民主党にとって、この問題はバラバラ事件を起こしかねない危険をはらんでいる。

かろうじて、野党共闘を優先させている、現在の党運営には一定の評価をしたいけれども、いつまでもつかの綱渡りだ。
政権奪取を本気で考えるならば、前原のような突出した連中を、打ち首さらしものにして、早いこと決着をつけてもらいたい。
渡辺をそそのかしておいてハシゴを外した自民党の狡猾さを、民主党も見習うべきだ。


さらに、もう一つあげるならば、麻生の使い捨て、ということだろう。
麻生は、どんなにがんばっても9月まで。しかも、支持率はもうこれ以上はどうでもいいほど低い。
言ってみれば「失うものは何もない」状態だ。

だから、評判の悪いことは、今のうちに全部やっておこうという開き直りとも見える。
支持率が底なしに落ちていくことに、麻生が「そんなもん気になるんか」と言い放ったのも、そう考えるとうなずける。

使い捨てられるために首相になった男。
そう考えると、ちょっと同情したくもなるが、本人もそのつもりで悪事に励んでいるのだから、同情の余地なんて無い。




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