2009-02-08(Sun)

日本経済にトドメを刺す「無税国債」と「政府紙幣」

無利子のかわりに相続税を非課税にする国債の発行が急浮上している。

相続税かからない「無利子非課税国債」構想とは
2009.2.7 読売

100兆円のタンス預金を、国家管理下に引っ張り出す方策だ。
上記の記事にもあるとおり、相続税を払えるような身分は20人にひとり。
ほど遠い私には、関係なさそうなはなしだが・・・

どうにもクサイはなしだ。
何かが臭う。

まず、いくら相続税を免除しても、もともと税務署に把握されていないタンス預金を供出するだろうか。
もともとろくな金利のつかない銀行預金を、そろそろお迎えが来そうなころに、この非課税国債に切り替える、という選択になるはずだ。
そして、国債が満期になる10年のあいだに相続が発生すれば、その後は他の預金に変えてしまうだろう。

つまり、この非課税国債が結果することは、利子負担の軽減を遙かに上回る税収の減少だ。
そんなことは、子どもでも分かりそうなことなのに、もっともらしく自民党が言い出しているのは、絶対何かある。

さらに、お迎え近しで切り替えられるのは、銀行預金だけではない。金持ちが保有している金融資産全般だ。
株だって相続税がかかる。

株が売られて国債にながれるというのは、昨年秋以降、激しく進んでいる現象だが、それに拍車をかけることになる。
景気対策と言いながら、なぜそんなことをするのか。

もし、そうしたことに何らかの歯止め策があったとして、タンス預金の何割かでも引っ張り出すことに成功したとして、その先にあるのは、本当に相続税の免除なのだろうか。
以前に、こんな記事を書いた

金もないのになぜ預金封鎖を心配するのか

タンスの株は、ホフリで完全にあぶり出された。次はタンス預金の番。
どうもそんな気もする。

民間銀行の預金を完全に封鎖するのは、相当のインパクトがあるし、そう簡単にはできないだろうが、国債を「還さない」ということは、割と簡単にできそうだ。強制借り換えというか、還す代わりに新しい国債を渡す。
相続の手続きが全部終わって、非課税国債が満期になり、やれやれお金を返してもらおうと思ったら、なんと新しい「非課税無利子国債」を渡される、という筋書き。

もう、当分は相続なんて発生しないのに、延々と無利子国債をもたされる。
それは、相続税を免れた人へのバッシングとともに行われるにちがいないが、同時にそれは日本国債の信用低下、暴落をもたらすだろう。

何にしても、長期的な破綻など尻目に、この1,2年の金をかき集めようとしているのは間違いない。
その使い道は、福祉だの医療だのという名目は、迂回先に過ぎない。
使い道は二つだ。

ひとつは、アメリカ国債の購入。
オバマは中国と微妙な駆け引きを始め、中国も強気の態度に出ている。

中国が「米国債の購入」見直し示唆 温家宝首相
2009.2.2 産経

それだけに、日本に対する押し売り圧力は猛烈だ。

首相、外為政策の継続表明 「米ドル安定に貢献」
2009年2月5日 朝日

ドル安で26兆円の損失が出ていても、「ドルについて行く」と公言する麻生。
「ついて行く」ための資金集めに必死なのである。

ひっかき集める金のもう一つの使い道は、大企業救済だ。
アメリカのビッグスリーやシティグループなどの例を見るまでもなく、中小企業はいくらつぶれても見殺しだが、大企業には公金を湯水のごとく注ぎ込んで救済する。
トヨタやパナソニックが、ことさらに赤字だ損失だと報道されているのは、そこに向けた準備だろう。

おそらく、ここ数年こうやって金をかき集めて乗り切ったあとは、日本は実質的に破綻する。
その証拠が、このニュースだろう。

紙幣 悪循環からの脱出に期待
2009.2.8 産経

もう、正気の沙汰ではない。
超インフレを引き起こすのは、少しでも理性の残っている者には自明の理ではないか。
森永卓郎までが賛同しているが、森永の言うような限度や用途を守るわけがない。
森永の平和主義は尊重したいが、あまりにも「平和ぼけ」ではないか。

これは、竹中平蔵らを発信源とする破滅的な行為だ。
日本国民に対する、自爆テロとも言える。

ああ また暗~くなってきた。




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なにやら政府紙幣やらの話題がにわかに、。植草さんに早く解説してほしい。何だか難しくて正直よく分からない。

2009-01-12 13:31 「無形金融資産」ってなんだろう?の疑問から3年(とくらBlog) http://ttokura.exblog.jp/9396560/ 2009/01/26 11:36 これが、やっと探せた、戸倉さんの『「無形金融資産」ってなんだろう?の疑問から3年』記事中で引用されている、引用元の全文 ...

65歳以上の住民税 年金天引き開始

「平成20年度地方税法改正」が2008年(平成20年)4月30日に成立していることにより、65歳以上の方々の住民税が、2009年(平成21年)10月支給の年金から、天引き(特別徴収)されることになります。   具体的には、2009年6月に決定される21...

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言葉、地域通貨、政府通貨

ことばにも色々ある
お金にも色々あるように

人知れずに
地上から消滅してゆく
アイヌ民族やアメリカ先住民や
中南米や東南アジアやアフリカ先住民の
ことばもある

銀河とか
ローリングストーンズみたいに
他には到底
いい表現が思いつかないことばもあるし

*最近の日記に書いてるように、この国の未来を救済するのは政府発行通貨や地域通貨ではないかと思う。とりわけ地方通貨は世界的に成功例が多い。
「老化する通貨」(貨幣価値が定期的に減少)をすべての国民に、数十万円単位で配布すべきだと思う。これが、物は有り余っているのに購買力がないこの国に貨幣を循環させるための最良策だと思う。
どうして国立銀行のような・・金融資本家・大企業の利益のための企業だけが通貨発行権を持っているのか不思議でならない。詳しくは僕のHP参照を。



No title

>下のコメントに「通貨は本来政府、自治体が発行するものです」という、意図的か錯誤かは分からないけれども、あきらかな間違いガルので、他の方が誤解しないように一言。

ちょっとこれはひどいなぁ。

人類が通貨をつかうようになって2000年以上、
中央銀行制度は17世紀に成立し、中央銀行が通貨発行券を独占するようになったのは19世紀になってからです。いくつかの国では20世紀になってから。

しかも政府の暴走ではなく、各発券銀行の破綻があったので政府系の中央銀行に発券業務を集中させたのです。

もしFRBが念頭にあるなら、それこそ特殊ケースですので。
しかも、アメリカ憲法では通貨発行権は政府にあることになっています。FRBじゃなく。
アメリカにはFRBが発行するドル以外にも、市町村や週単位で発行された通貨がありますよ。
今でも通貨発行権は地方政府の固有の権利として保持されています。

ご存知ありませんでしたか?

No title

>通過は中央銀行が発行し、政府が暴走しないように歯止めをかけるモノです。

ぜんぜんちゃいます。
民間中央銀行でも政府造幣局でも、誰が発行しようが超インフレは起きるときには起きます。
政府通貨のみが不安定で、その解決のために中央銀行制度が作られたと言うのは、ただの「神話」であって「歴史的事実」ではありません。

通貨の歴史と現状をちゃんと知っておきましょう。

なお、現在でも日本政府は日本銀行と造幣局の日本立てで通貨を発行しており、政府通貨は今すでに発行され流通しています。

また、こお数週間のうちに、全国各地で定額給付金を原始に地元商品券を発行する自治体が現れましたが、そのいくつかは商品券の発行量が定額額給付金より多く設定されています。
定額給付金との交換券のふりをして、どさくさに地方政府通貨を発行しています。
これはさすがにやばくなる可能性が大だろうと思っていますが、政府が通貨量を適正に調整しなければ地方が自衛に走るのは当然のことでしょう。

お間違えのないように

下のコメントへ

下のコメントに「通貨は本来政府、自治体が発行するものです」という、意図的か錯誤かは分からないけれども、あきらかな間違いガルので、他の方が誤解しないように一言。
通過は中央銀行が発行し、政府が暴走しないように歯止めをかけるモノです。
中国ですら、一応政府ではなく人民銀行が発行している。
お間違えの無いように。

No title

政府通貨は今発行されているものなのに、何で超インフレを心配するんですか?

もちろん高橋洋一らネオリベたちが口にしたことで心配するのはわかります。
政府通貨は本来政府機能を重視する立場ですから、ネオリベたちの変節を信用出来ないのは当然です。

でも、これ宍戸駿太郎らネオケインジアンのアイデアを高橋らが剽窃して言っているだけです。

通貨は本来政府、自治体が発行するものです。
政府通貨自体はまともなアイデアです。
ネオリベらの剽窃を許さず、彼らに主導権をわたさないことが大事だと思います。

森永もぶれまくりですね。
それは昔からのことだが。
まああいつのブログを見れば、その言い加減さに辟易するだろう。
所詮売名の徒と言うことだ。

政府紙幣などと美名を使っているが、
要するに軍票である。
経済的日本破壊工作であり、国家転覆罪で菅義偉と高橋洋一を逮捕・立件すべきだ。
それもできないなら、もはや警察も司法も要らない。
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