2009-04-25(Sat)
日興コーディアルころがし
ちょっと昔、バブルのころに「土地転がし」というのがはやった。
土地を買って売るだけで、どんどん値段が上がってもうかる、という錬金術のようなお話しだった。
最初は、悪徳不動産がやっているようなイメージだったけれども、最後のほうは猫も杓子も、一般ピープルまでが手を出した。
そのバブルがはじけてから、もっと規模のおおきな「ころがし」がはやった。
規模が大きすぎて、誰も目にも触れないでそれは行われた。
いわば、日本ころがし とでも言うような、日本の資産を外資がころがした。
都心の一等地から、郵便貯金に至るまで、あらゆるものがコロがされた。
それを、摘発しようものなら、えん罪を着せられて社会的に抹殺された。
「りそなころがし」を告発しようとした植草氏のように。
主に米国の資本が日本の資産を買いやすくするために、日本の法律はどんどん変えられていった。
三角合併 というのもそれだ。
会社を買う、ということは、会社の株式を買い取る、ということ。
普通は、株を買うにはお金を払う。
ところが、お金を払わなくてもいい というのが「三角合併」というもの。
お金の代わりに、自社の株と買収する会社の株を交換するのである。
この法律をつくらせて、いの一番に実行したのが、今や存亡の危機にあるシティグループだ。
三角合併で日興コーディアル証券を買収すると決定したのが2007年10月。
1700円相当のシティ株を、日興コーディアルの一株と交換するので、ありがたく受け取れ という。
このときのシティの日本法人、シティグループ・インクの株価が4580円。
実際に交換された1月29日には、シティグループ・インクの株価は、2925円。(ドルは107円くらい。)
この1700円相当だから、一株につき0.6株くらいを、日興コーディアルの株主に渡したことになる。
さて、時はくだって今日現在、シティの株はどうなったかと申しますと、お見事、315円。
株式交換したときの11%。
この315x0.6=189円。1700円分のシティの株は、あはれ 189円に相成った。
1000万円の日興コーディアル株をもっていた人は110万円のシティ株になっちゃった というわけ。
現時点のドルは97円くらいで、交換時の90%。
シティが子会社化のために払ったのは、48億ドル相当(2008年1月現在)の自社株だったが、価格で11%、為替レートで90%だから、現時点では4億7千万ドル相当。
と、まあココまででもひどい話だが、ここからが「ころがし」の本番だ。
草なぎ君が公園で転がるのは無邪気なものだが、こういうころがしは、本当に見苦しい。
日興コーデ入札、三井住友が最高額
2009.4.24 産経
もともと三井住友だって、大赤字で自己資本比率が苦しくて、公募増資をすると発表して株主の不評を買っていた。
三井住友FG3900億円赤字
2009.4.10 読売
三井住友FG株がストップ安 増資計画も売り材料に
2009.4.10 日経
3900億円赤字で自己資本比率がアウトになりそうで、8000億円の増資をすると言って、株主に嫌われて株価を下げた三井住友が、なんで5000億円以上も出して日興コーディアルを買い取るのか。
見てきたワケじゃないが、非常にわかりやすい図式だ。
リーマン・ブラザーズ ← 野村
モルガン・スタンレー ← 三菱東京UFJ
ときて、次に貢ぐのはあんたの番だよ。
シティグループ ← 三井住友
なるほど。
銀行が赤字になるのは勝手だが、その度に税金で救済し、景気は悪くなり、仕事が減り失業者が増える。
ちまちまと、貸し渋りをしておきながら、一方ではこんな大盤振る舞いだ。
買収させる方もする方も、いい加減にしろと言いたい。
※scottiさんからコメント欄に情報をいただいたので、転記します
(私自身は内容についてまだ未確認です)
タイトル:それ以前にタダ同然で・・・
********************
日興コーディアルの不可解な整理ポストからの復活。
粉飾決算の概要-おおまかな流れ
■2006年12月18日、証券取引等監視委員会は日興コーディアルグループが傘下の投資会社の決算上の数字の扱いについて不適切な処理を行い、約180億円の利益を水増ししたと指摘。この決算に基づいて、日興コーディアルグループが500億円の社債を発行していたため、内閣総理大臣と金融庁長官に対し、5億円の追徴金を課すよう勧告した(証券取引法第172条第1項第1号に基づく処分)。
この日に監理ポスト入り。日興側は担当者のミスで、組織的・意図的ではないとしながら、有価証券報告書の訂正と役員報酬カット、担当役員(担当者)の辞任を発表。この日中に、一部機関投資家は日興グループへの発注停止を決めています。
■12月25日の臨時取締役会で、日興コーディアルグループ社長と会長が26日付で引責辞任し、26日付で後任に同取締役、日興コーディアル証券社長の後任に同副社長がそれぞれ就任する人事を決めました。(日興側の対応が当初の決定と異なるのは、日興側の対応に対して、金融庁や投資家が納得しなかったため)
■2007年2月23日、米金融大手シティグループが日興コーディアルグループを事実上傘下に収める方向で交渉に入ったことが明らかになった。シティは日興CGへの出資比率を33.3%超に引き上げ、その後TOBで100%を目指し完全子会社化する方針。一方でみずほFG(4.8%株式保有)も出資比率を検討、水面下での動きが激しさを増す。
(3月6日、日興がシティの子会社化になることに対し、両社基本合意。)
■2007年3月12日、東証は日興コーディアルグループの上場を維持することを発表※。日興の株価は反発。(上場維持の理由1、前社長らの関与を裏付けられる十分な証拠を得られなかった 2、経常利益の訂正幅が過去の前例と比べて小さい 3、西武鉄道やカネボウと比べて悪質さの度合いが低い ―東証・西室氏の会見より)
整理ポストにあったタダ同然の日興の株式を、東証会長の西室氏の不可解な上場維持を知って大量の買い増ししていたと思われます。
この西室氏は東芝の会長で、米国支店長の経歴の持ち主ですが、何故畑違いの東証の会長に就任しているのかも大いに疑問。このように不可解な人事等で、外資に、日本の財産資産を売り渡すための政策の連鎖がコイズミカイカクの正体です。
********************
(転載以上)
※久しぶりにリンク集を端から読ませてもらった。ほぼ更新されていないサイトやいつの間にか相互リンクがなくなってしまったサイトは省かせてもらった。(勝手に)長いおつき合いのような気がしていたサイトもあって寂しいけれども、無限にリンクを並べるわけにもいかないので、相互リンクか原資料として貴重なサイトに限らせていただく。
土地を買って売るだけで、どんどん値段が上がってもうかる、という錬金術のようなお話しだった。
最初は、悪徳不動産がやっているようなイメージだったけれども、最後のほうは猫も杓子も、一般ピープルまでが手を出した。
そのバブルがはじけてから、もっと規模のおおきな「ころがし」がはやった。
規模が大きすぎて、誰も目にも触れないでそれは行われた。
いわば、日本ころがし とでも言うような、日本の資産を外資がころがした。
都心の一等地から、郵便貯金に至るまで、あらゆるものがコロがされた。
それを、摘発しようものなら、えん罪を着せられて社会的に抹殺された。
「りそなころがし」を告発しようとした植草氏のように。
主に米国の資本が日本の資産を買いやすくするために、日本の法律はどんどん変えられていった。
三角合併 というのもそれだ。
会社を買う、ということは、会社の株式を買い取る、ということ。
普通は、株を買うにはお金を払う。
ところが、お金を払わなくてもいい というのが「三角合併」というもの。
お金の代わりに、自社の株と買収する会社の株を交換するのである。
この法律をつくらせて、いの一番に実行したのが、今や存亡の危機にあるシティグループだ。
三角合併で日興コーディアル証券を買収すると決定したのが2007年10月。
1700円相当のシティ株を、日興コーディアルの一株と交換するので、ありがたく受け取れ という。
このときのシティの日本法人、シティグループ・インクの株価が4580円。
実際に交換された1月29日には、シティグループ・インクの株価は、2925円。(ドルは107円くらい。)
この1700円相当だから、一株につき0.6株くらいを、日興コーディアルの株主に渡したことになる。
さて、時はくだって今日現在、シティの株はどうなったかと申しますと、お見事、315円。
株式交換したときの11%。
この315x0.6=189円。1700円分のシティの株は、あはれ 189円に相成った。
1000万円の日興コーディアル株をもっていた人は110万円のシティ株になっちゃった というわけ。
現時点のドルは97円くらいで、交換時の90%。
シティが子会社化のために払ったのは、48億ドル相当(2008年1月現在)の自社株だったが、価格で11%、為替レートで90%だから、現時点では4億7千万ドル相当。
と、まあココまででもひどい話だが、ここからが「ころがし」の本番だ。
草なぎ君が公園で転がるのは無邪気なものだが、こういうころがしは、本当に見苦しい。
日興コーデ入札、三井住友が最高額
2009.4.24 産経
もともと三井住友だって、大赤字で自己資本比率が苦しくて、公募増資をすると発表して株主の不評を買っていた。
三井住友FG3900億円赤字
2009.4.10 読売
三井住友FG株がストップ安 増資計画も売り材料に
2009.4.10 日経
3900億円赤字で自己資本比率がアウトになりそうで、8000億円の増資をすると言って、株主に嫌われて株価を下げた三井住友が、なんで5000億円以上も出して日興コーディアルを買い取るのか。
見てきたワケじゃないが、非常にわかりやすい図式だ。
リーマン・ブラザーズ ← 野村
モルガン・スタンレー ← 三菱東京UFJ
ときて、次に貢ぐのはあんたの番だよ。
シティグループ ← 三井住友
なるほど。
銀行が赤字になるのは勝手だが、その度に税金で救済し、景気は悪くなり、仕事が減り失業者が増える。
ちまちまと、貸し渋りをしておきながら、一方ではこんな大盤振る舞いだ。
買収させる方もする方も、いい加減にしろと言いたい。
※scottiさんからコメント欄に情報をいただいたので、転記します
(私自身は内容についてまだ未確認です)
タイトル:それ以前にタダ同然で・・・
********************
日興コーディアルの不可解な整理ポストからの復活。
粉飾決算の概要-おおまかな流れ
■2006年12月18日、証券取引等監視委員会は日興コーディアルグループが傘下の投資会社の決算上の数字の扱いについて不適切な処理を行い、約180億円の利益を水増ししたと指摘。この決算に基づいて、日興コーディアルグループが500億円の社債を発行していたため、内閣総理大臣と金融庁長官に対し、5億円の追徴金を課すよう勧告した(証券取引法第172条第1項第1号に基づく処分)。
この日に監理ポスト入り。日興側は担当者のミスで、組織的・意図的ではないとしながら、有価証券報告書の訂正と役員報酬カット、担当役員(担当者)の辞任を発表。この日中に、一部機関投資家は日興グループへの発注停止を決めています。
■12月25日の臨時取締役会で、日興コーディアルグループ社長と会長が26日付で引責辞任し、26日付で後任に同取締役、日興コーディアル証券社長の後任に同副社長がそれぞれ就任する人事を決めました。(日興側の対応が当初の決定と異なるのは、日興側の対応に対して、金融庁や投資家が納得しなかったため)
■2007年2月23日、米金融大手シティグループが日興コーディアルグループを事実上傘下に収める方向で交渉に入ったことが明らかになった。シティは日興CGへの出資比率を33.3%超に引き上げ、その後TOBで100%を目指し完全子会社化する方針。一方でみずほFG(4.8%株式保有)も出資比率を検討、水面下での動きが激しさを増す。
(3月6日、日興がシティの子会社化になることに対し、両社基本合意。)
■2007年3月12日、東証は日興コーディアルグループの上場を維持することを発表※。日興の株価は反発。(上場維持の理由1、前社長らの関与を裏付けられる十分な証拠を得られなかった 2、経常利益の訂正幅が過去の前例と比べて小さい 3、西武鉄道やカネボウと比べて悪質さの度合いが低い ―東証・西室氏の会見より)
整理ポストにあったタダ同然の日興の株式を、東証会長の西室氏の不可解な上場維持を知って大量の買い増ししていたと思われます。
この西室氏は東芝の会長で、米国支店長の経歴の持ち主ですが、何故畑違いの東証の会長に就任しているのかも大いに疑問。このように不可解な人事等で、外資に、日本の財産資産を売り渡すための政策の連鎖がコイズミカイカクの正体です。
********************
(転載以上)
※久しぶりにリンク集を端から読ませてもらった。ほぼ更新されていないサイトやいつの間にか相互リンクがなくなってしまったサイトは省かせてもらった。(勝手に)長いおつき合いのような気がしていたサイトもあって寂しいけれども、無限にリンクを並べるわけにもいかないので、相互リンクか原資料として貴重なサイトに限らせていただく。
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