2009-06-12(Fri)
高額印鑑事件から北朝鮮を考える
必死でミサイルを見せてアピールしている金王国・北朝鮮だが、アメリカはじめ「敵」国の反応は鈍い。それどころか、一番ヒステリックに反応するはずの日本で、こんな事件が表沙汰になっている。
「統一教会との関連明かせ」=見込みあれば新世顧客に-幹部が販売拡大指示か
2009.6.11 時事通信
印鑑販売拡大、統一教会幹部が指示か メールを押収
2009年6月12日 朝日新聞
記事のなかで注目したのは、動いているのが警視庁の公安部であることだ。単なる詐欺事件としての扱いではなく、事前に組織的な調査をした上での逮捕であったことがうかがわれる。
つまり、この時期に日本の警察が統一協会を組織的に攻撃し始めたと言うことだ。
安倍晋三らが統一協会の会合に祝電を送ったときに、ヘンリーオーツさんが作った「魔のトライアングル」というイラストを憶えている人も多いだろうが、北朝鮮と統一協会はマッチポンプで反共運動を盛り上げる役割を担っている。日本の国会議員の中にも、安倍晋三や平沼赳夫のようにそれに加わっているものは多いようだ。
このマッチポンプの運動は、言うまでもなくアメリカの存在が前提だ。アメリカに振り向いてもらって、北朝鮮を敵視してもらうことで、初めて反共運動は実を結ぶ。いわば、アメリカを東アジアにつなぎ止めておくための装置としての、反共マッチポンプである。平沼のように、その辺を勘違いしてアメリカを敵視すると、早々にはじき出されてしまう。
ところが、アメリカは今、東アジアからは手を引きたがっている。それどころではないのだ。東アジアは中国に任せて、日本が適当にそれを補完して、アメリカの邪魔にならない程度にやりくりしなさい。ただし、日本は今までアメリカに育ててもらった恩返しとして、残っている生き血は全部すするからそのつもりで。ということだ。ブッシュからオバマになったことで、その転換はスピードアップした感がある。
だから、北朝鮮がミサイルを矢継ぎ早に打ち上げて見せても、核実験をして見せても、およそ期待したような大騒ぎにはならない。むしろ
国連決議採択なら3度目の核実験 CIAがオバマ大統領に警告
2009.6.12 産経新聞
対北朝鮮「外交が最優先」 米特別代表
2009.6.12 共同通信
米政府による北朝鮮のテロ支援国家再指定については、再指定で科せられる制裁の多くが既に実施済みだと指摘し「新たな罰則にはつながらない」と語った。
など、アフガンやイラクのときとはうって変わって、やる気がない。
アメリカにとって、ヒール・金王国はもう用済みなのである。
北朝鮮は、どうしてもアメリカが無視できないほどのことをやらかすか、中国の付録として生き延びていくしか選択肢がない。その意味では、日本の陸のある場所にミサイルを飛ばすという可能性は無視できない。前にも書いたように、麻生たち自民党政権の多くもそれを望んでいるだろうから。
ただし、アメリカにとっても中国にとっても、それは非常にやってほしくないはずで、ある程度のところで仲裁に乗り出す可能性の方が高い。
こうなってくると、北朝鮮とは表裏一体である統一協会もまた、存在意義を失う。
普通だったら、北朝鮮がこれだけ暴れ回れば、統一協会をはじめとして右翼が表でも裏でも大騒ぎするはずだが、あまりそうした動きが見られない。おそらく、公安ががっちり押さえ込んでいる。
統一協会が組織的に公安に従わなかったのか、一部が言うことを聞かなかったのかはわからない。が、いずれにしてもこうした脈絡で、今回の印鑑事件は起きたと見るべきだろう。
(日テレより)
注意すべきは、北朝鮮と統一協会のマッチポンプが機能しなくなることは、一見良いことだけれども、そう話は簡単ではないということ。日本人にとっては、アメリカに生き血を吸われ、干物になったところで中国に売り渡されるという危機は何も変わっていない。また、それに対する反対が、差別的排外的国粋的な反抗に糾合されてしまう危険性も大いにある。
まったくもって、タダ生きる ということが困難だ。

にほんブログ村
「統一教会との関連明かせ」=見込みあれば新世顧客に-幹部が販売拡大指示か
2009.6.11 時事通信
印鑑販売拡大、統一教会幹部が指示か メールを押収
2009年6月12日 朝日新聞
記事のなかで注目したのは、動いているのが警視庁の公安部であることだ。単なる詐欺事件としての扱いではなく、事前に組織的な調査をした上での逮捕であったことがうかがわれる。
つまり、この時期に日本の警察が統一協会を組織的に攻撃し始めたと言うことだ。
安倍晋三らが統一協会の会合に祝電を送ったときに、ヘンリーオーツさんが作った「魔のトライアングル」というイラストを憶えている人も多いだろうが、北朝鮮と統一協会はマッチポンプで反共運動を盛り上げる役割を担っている。日本の国会議員の中にも、安倍晋三や平沼赳夫のようにそれに加わっているものは多いようだ。
このマッチポンプの運動は、言うまでもなくアメリカの存在が前提だ。アメリカに振り向いてもらって、北朝鮮を敵視してもらうことで、初めて反共運動は実を結ぶ。いわば、アメリカを東アジアにつなぎ止めておくための装置としての、反共マッチポンプである。平沼のように、その辺を勘違いしてアメリカを敵視すると、早々にはじき出されてしまう。
ところが、アメリカは今、東アジアからは手を引きたがっている。それどころではないのだ。東アジアは中国に任せて、日本が適当にそれを補完して、アメリカの邪魔にならない程度にやりくりしなさい。ただし、日本は今までアメリカに育ててもらった恩返しとして、残っている生き血は全部すするからそのつもりで。ということだ。ブッシュからオバマになったことで、その転換はスピードアップした感がある。
だから、北朝鮮がミサイルを矢継ぎ早に打ち上げて見せても、核実験をして見せても、およそ期待したような大騒ぎにはならない。むしろ
国連決議採択なら3度目の核実験 CIAがオバマ大統領に警告
2009.6.12 産経新聞
対北朝鮮「外交が最優先」 米特別代表
2009.6.12 共同通信
米政府による北朝鮮のテロ支援国家再指定については、再指定で科せられる制裁の多くが既に実施済みだと指摘し「新たな罰則にはつながらない」と語った。
など、アフガンやイラクのときとはうって変わって、やる気がない。
アメリカにとって、ヒール・金王国はもう用済みなのである。
北朝鮮は、どうしてもアメリカが無視できないほどのことをやらかすか、中国の付録として生き延びていくしか選択肢がない。その意味では、日本の陸のある場所にミサイルを飛ばすという可能性は無視できない。前にも書いたように、麻生たち自民党政権の多くもそれを望んでいるだろうから。
ただし、アメリカにとっても中国にとっても、それは非常にやってほしくないはずで、ある程度のところで仲裁に乗り出す可能性の方が高い。
こうなってくると、北朝鮮とは表裏一体である統一協会もまた、存在意義を失う。
普通だったら、北朝鮮がこれだけ暴れ回れば、統一協会をはじめとして右翼が表でも裏でも大騒ぎするはずだが、あまりそうした動きが見られない。おそらく、公安ががっちり押さえ込んでいる。
統一協会が組織的に公安に従わなかったのか、一部が言うことを聞かなかったのかはわからない。が、いずれにしてもこうした脈絡で、今回の印鑑事件は起きたと見るべきだろう。

注意すべきは、北朝鮮と統一協会のマッチポンプが機能しなくなることは、一見良いことだけれども、そう話は簡単ではないということ。日本人にとっては、アメリカに生き血を吸われ、干物になったところで中国に売り渡されるという危機は何も変わっていない。また、それに対する反対が、差別的排外的国粋的な反抗に糾合されてしまう危険性も大いにある。
まったくもって、タダ生きる ということが困難だ。

にほんブログ村
- 関連記事
-
- 橋下徹の「普天間を関空に」を喜ぶ連中の愚 (2009/12/02)
- アフガン増派のお誘いがないと嘆くヤツら (2009/12/01)
- レビューとは「再検討」ではない (2009/10/29)
- 普天間問題に思う「日本はやっぱり植民地なんだなあ」 (2009/10/29)
- キャンベルとケリー (2009/10/26)
- 普天間問題は じつはアメリカの内紛だろう (2009/10/22)
- イランの核施設問題はイスラエル対策か (2009/10/14)
- 高額印鑑事件から北朝鮮を考える (2009/06/12)
- 北朝鮮に映る日本の姿 (2009/04/07)
- 全国民の軍事演習 (2009/04/05)
- 世界を動かしているのは 金持ちアメリカ人の高額ボーナスなのか (2009/03/21)
- ガザ地区の新たな危機について (2009/01/26)
- バラク・オバマの意義と意味 (2009/01/25)
- 1・10緊急行動 速報 (2009/01/10)
- 許すな! イスラエルのガザ侵攻 1・10緊急行動 【大阪】 (2009/01/07)