2009-06-17(Wed)

菜園家族 続報

前の記事で紹介した「菜園家族レボリューション」の著者、小貫雅男先生に勉強会の予定などをお尋ねするメールを出したら、ご丁寧にお電話をいただき、小一時間にわたってお話をうかがうことができた。

「菜園家族レボリューション」は10年近く前に書かれたものであり、その後の研究や進展についてもお話があり、中でも「流域」のことは興味深かった。
私なりの理解でその辺を述べてみる。

元々、日本の社会では川の流域にそって経済が成り立っていた。自然の循環と経済の循環が川の流域に沿って回っていた。ところが、高度経済成長と日本列島改造で、それらの循環はバラバラになってしまった。開発と土木工事で川の流れは「排水路」へと変貌させられ、上流の田舎は下流の都市への人材供給源にされ急速に過疎化した。あらゆる意味で、川の流れと人間の生活、社会の生産は切り離された。

菜園家族という社会を考えるときに、自分の家族だけのことを考えるのではなく、その地域のどこに菜園がたくさんできたらいいのか、そんなことを川の流域という観点で考えるべきではないか。小貫先生は鈴鹿山脈から琵琶湖に流れる犬上川の流域で自ら住み、実践してこれれたと言う。

実は私は「流域」という言葉は耳にタコができるくらい聞き慣れた言葉だ。林業では、なにかというと流域という言葉を連発するからだ。役所用語と言ってもいい。お役人が効果の低い補助金を出すために、林業について理屈をひねくり回すときの常套句なのである。

だから、最初に「流域」という言葉を小貫先生から聞いたときには、ぜんぜんピンとこなかった。「なにを今更」という条件反射がおきてしまった。しかし、林業と離れて「家と流域」「普通の生活と川の流域」という関係をイメージしてみると、これは頭の大転換だと思った。

よほど川のほとりに住んでいる人以外は、自分が何川の流域に住んでいるのかなんて意識したことはないだろう。近くの川の名前は知っていても、それがどこに向かって流れていて、どこで海に注いでいるのかなんて、相当の物好きでなければ知らないのではないか。

かくいう私の場合でも、今いる街の雨水は神崎川に流れているはずだということまではわかるけれども、今日しげじげと地図を眺めて、神崎川と淀川がつながっていないことに初めて気がついた。神崎川は河口付近で猪名川に合流しているのである。

阿武山を分水嶺として、高槻市は淀川水系だけれども、茨木市から西は猪名川水系になるのだ。
だからどうした、という話だけれども、川の水がなければ生きられない時代には重要な問題だったはずだ。

政治や外国の思惑からできるだけ自立した生活を手に入れるためには、食べ物はもちろんだけれども、やはり水は欠かせない。今のように、巨大な設備がなければ水が手に入らない暮らしでは、いざという時に生きていけない。
逆に、川の流れを大事に使えば、ナノ技術なんかが進歩している昨今だから、わりと簡単に飲み水は手に入るのではないだろうか。

そもそも、日本は水が豊富だと言われているが、これは見かけだけの幻想だという指摘もある。
森の保水力が無くなり、川は護岸工事や暗渠にされて、降った雨はあっと言う間に海に流されてしまう。
そして、最大の問題は、食料の6割を輸入しているということ。つまり、その食料の生産に使われている膨大な水は潜在的に輸入されているということ。
食料を100%自給しようと思うと、日本は水が足りないとも言われる。決して水の豊富な国ではないのだ。

小貫先生の「流域」という視点から、もう一度「仕事を辞めずに田舎暮らし」というプロジェクトを見直してみたい。もう一段、深いものが見えてくるかもしれない。



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